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2013年02月09日14:09

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逆襲のシャア友の会 富野インタビュー

逆襲のシャア友の会 富野インタビュー
http://d.hatena.ne.jp/char_blog/20110626/1309097046


1993年11月となっていますので、ちょうど「Vガンダム」の後ですね。
この「逆シャア友の会」と言うのは庵野秀明が発起人になって、アニメ業界人が集まって「逆襲のシャア」と言う作品を通して富野由悠季について語ろうと言う同人誌です。

同人誌とは言っても、メンバーも凄ければインタビューを受けたり寄稿しているのも当時のアニメ業界を代表するような錚々たる面子が揃っています。

上記に掲載されているのは、その同人誌の富野由悠季へのインタビューの抜粋記事で、実に興味深い内容になっています。富野由悠季と言う作家の考え方が実によく出ている。同人誌だからと言うのもあるでしょうけど、実に気持ちよく富野由悠季が話していて、漠然と感じていた富野由悠季と言う作家に肉付けされていくような感じですね。

こうした作家論と言うのは実に楽しいもので、上記の記事は実に面白く読みました。

ついでにこれも、

WEBアニメスタイル アニメ様365日 第455回〜第459回
http://www.style.fm/as/05_column/365/365_455.shtml

「逆シャア友の会」にも参加している小黒祐一郎のコラムに「逆シャア友の会」や「富野由悠季」について書かれています。これも面白く読めます。90年代前半と言う時代に、富野由悠季の作品がどんな位置づけだったのか、その中でどんな作品を目指していたのか等がよく分かる。

私のアニメ原体験は「アルプスの少女ハイジ」と「未来少年コナン」であり、「風の谷のナウシカ」でオタクになったクチですので、どっぷり宮崎駿信者なわけです。そして、今も昔も変わらず安彦良和の作家性と言うものが大好きで、思えば「ガンダム」だって安彦良和的な部分が好きで見ていたと思います。

そして、このインタビューで明言していますし、まあ富野由悠季ご本人もいつも言っているので前から知っていましたが、富野由悠季は安彦良和の才能は認めるが人間性は大嫌いだ!宮崎駿の作品は気持ち悪い・・・なわけですよ。

だから、これらの記事でどれだけ富野由悠季をリスペクトしていたとしても、なるほどこれが私の感じていた富野由悠季の作品の嫌らしさの正体か・・・と言う風に見てしまうのです。

「機動戦士ガンダム」に衝撃を受けて、以後のアニメの見方が一変したのも確かですし、当時人気なかったと言う「逆襲のシャア」は富野作品の中ではもっとも好きな作品です。

とは言うものの、やはり私の中では富野由悠季は「ザンボット3」から「機動戦士ガンダム」、「イデオン」あたりがピークで、後はどこか終わった作家と言う気分でしか見られなくなっていて、「逆シャア」は最期の一花って印象になっています。

このインタビューが行われた1993年には、前述したように「機動戦士Vガンダム」が放送されているのですが、同時に幾原邦彦の「美少女戦士セーラームーンR」が放送されているのです。

これは実に象徴的に思えるのですが、富野由悠季の作品やその富野由悠季をリスペクトする庵野秀明の「エヴァンゲリオン」などは作品の根底にフロイト的な思想が見え隠れするのです。すなわち「父親を殺し母親を手に入れたい」と言う「エディプス・コンプレックス」です。

そして、幾原邦彦の代表作である「少女革命ウテナ」と言う作品の思想はユング心理学の「集合的無意識」で解き明かすことができます。

80年の「アニメ新世紀宣言」が空振りに終わり、求められる作品の方向性が変わってきたのが90年代前半だと思います。正直な話し、富野由悠季と言う存在が時代の先端だった時代は終わってしまい、次世代の作家が次々と台頭してきた時期のこのインタビューの存在は、実に興味深いです。


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