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先週月曜日21日は、泊まっていた稚内を朝7時過ぎの特急で出発した。
この日は、19時からの会議に出席するために札幌へ向かうが、そのまま乗って行ったら札幌にお昼に着いてしまうから、時間つぶしを兼ねて寄り道しながら札幌へ向かうことにした。
稚内を朝一番の6:24に発車する名寄行き普通列車は、途中の音威子府(おといねっぷ)に8:40に着いて9:53まで1時間13分も停車する。
ボクが乗ったのは次の特急だが、音威子府に9:08に着き、その普通列車を追い抜く。
そこで、音威子府からは普通列車に乗り継いで旭川までのんびり行くことにした。
音威子府駅の待合室には名物の真っ黒いそばを出す駅そば屋「常盤軒」があり、9:30に開店する。
昔、学生時代に流氷を目指して夜行列車で北海道を旅していた頃、札幌から稚内へ向かう急行「利尻」が音威子府に夜中の3時台に着き、4時台の天北線浜頓別方面への1番列車に乗り継ぐ際、真夜中なのにホームの待合室で営業しており、凍てつくしばれの中食べた思い出の駅そばでもある。
天北線廃止と共にホームから改札前の待合室に移転したが、我が青春の味は今も残っているのだ。
この日は、稚内出発時に駅そばを食べて2時間半しか経っていないが、駅そば屋が営業している時間に音威子府で降りたら素通りはできない。
開店時間が近くなると、駅前の木造の風情ある西野商店からお店で使う道具類を入れたかごを持ってやってくる。
夫婦で交代でやっており、この日はおかみさんだった。
開店を待ってひと声掛け、「月見そば(400円)」を注文。
ダシの効いたつゆに真っ黒いそば。
これこれ。
つなぎにかんすいを使って滑らかな口あたりのそばだから、そば通から言わせたら邪道も邪道なのだろうが、旨いものは旨いのだ。
ほかに客も来ず、おかみさんと昔話に花を咲かせたが、ご夫婦ともに70代半ばを迎え、ご多分に漏れず後継者はいないそうだ。
さすがに1人ではやっていけないから、ご夫婦のどちらかが倒れたら辞めることにしているそうだ。
北海道でいちばん人口の少ない数百人しかいない音威子府村で、駅そばだけで生活できるほど稼げるはずもなく、名物の音威子府駅そば「常盤軒」で駅そばが食べられなくなる日はそう遠くないようである。
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