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2012年04月01日15:23

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ヨーロッパ絵画に見る 永遠(とわ)の女性美

ニューオータニ美術館で開催中の『ヨーロッパ絵画に見る 永遠(とわ)の女性美』を見ました。
※↓に、HPのアドレスを貼っておきます。
http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/201203_europe/index.html

フォト

チケットは、毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん、いつも有難う。この美術展、結構オススメです。
何でも、山寺 後藤美術館と言う美術館から借りた物らしく、私ゃ、この美術館が、何処にあるのかすら知らなかったのですが(山形だったかな?そっちの方にあるっぽい)、スゲエ良い絵を一杯持ってるなっ!!ポインターはある、ミレイはある、カバネルはある、エンネルはある。ムリーリョの『悲しみの聖母』まであったのには、本当にぶったまげました。美女に囲まれる、まさに、ハーレム状態!
そして、私の好きな絵は、悉く、絵葉書になっていないと言う、「いつものパターン」を味わったワケですが・・・(^_^;)。
でも、画像入りの、作品リストをを無料で貰えたよ!

人が少なくて良いのですが、たまに、場所が場所なので(ホテルの中にある美術館なの)、おばちゃんの団体が入って来ちゃって、ぺちゃくちゃ喋っちゃうのは、ちょっと困る。喋っても良いケド、声は落とそうね〜・・と。もしくは、外に出て、エントランスで喋ろう!

では、気になった絵をつらっと紹介。

19世紀のフランス絵画が多かったです。今回は、女性美がテーマなので、美女の絵ですね。美女の絵の歴史は、神話や、宗教画などに遡れるそうな。マリア様やら、ヴィナスやらですね。

ムリーリョ『悲しみの聖母』。スペインバロックのムリーリョさん。ムリーリョの聖母マリアって言うと、無原罪の御宿りを思い浮かべますよね。私もそうですが。無原罪〜の方の、マリア様は、優美で可愛い美少女マリア様ですが、こちらのマリア様は、ちゃんと悲しんでおられます。なので、いつも見るムリーリョと印象が違って吃驚した。
青いマントと赤い衣は、いつものいでたちだけれど、斜め左り上を見つめ、胸元に手を当て、涙を流すマリア様は、本当に悲痛そうです。こちらは、美少女ではなく、母の顔ですね。

キアーリ『エジプトからの帰還途中の休息』。『エジプトからの帰還』って言うのは、ヘロデ王の命令で、イスラエルで、嬰児の大虐殺が起こるのね。で、その時、天使からのお告げで、マリア様家族は、幼子イエスを連れてエジプトへ逃げるんだケド、「ヘロデが死んだ」って連絡を受けて、エジプトから帰って来る・・・って言う場面です。
新約聖書の『マタイの福音書』にしか書かれてないので、題材にされるのは珍しいらしいよ。同じテーマの絵は、ヨルダーンスの絵が有名なんだって。
そう言えば、『エジプトへの逃避』の絵はあるケド、帰還の絵って、あんまり見たコトないな。
岩に座ったマリア様。幼子イエスを抱いていて、そのイエスは、天使から花輪を貰っている。画面左上には、ケルビム。右上には、天使。帰還の絵だからか、祝福ムード満載です。
日差しの柔らかな感じも好きだな。

ヤーコブス『ディアナ』。ディアナは、ギリシャ神話で言うアルテミスですな。月の神様で、狩りの神様。純潔を重んじます。で、コレは、アクタイオンが、ディアナの水浴を覗いちゃう場面。森の中。画面左の木の陰にアクタイオン。中央には、全裸のディアナ。その周りには、全裸のニンフ達。ニンフの1人は、驚いて、急いで布を、ディアナにかけようとしている。
因みに。この後、怒ったディアナに、アクタイオンは、牡鹿の姿にされ、自分の猟犬に八つ裂きにされるんだケド・・・。いや、ディアナと。確かに、覗いちゃったアクタイオンも悪いが、森の中で、素っ裸で、水浴びしてる、アナタもどうかと思うよと。いくら純潔を重んじるからって、それで八つ裂きはないだろう・・・って思うの私だけ?(^_^;)
この絵は、森の描写も細かくて美しい。

ナティエ作とされる『落ちついた青色の服』。ヴァイオリン(かな?)を持つ美女。その傍らには、アモルと思しき子供。可愛らしい印象の絵です。音楽は教養の象徴かな?

エンネル『栗色の髪の少女』。私が好きなエンネルの絵。深い緑の服を着た少女。鑑賞者の方に視線を向けているのだが、その視線は強い。背景は黒一色で、浮かび上がる様に少女は描かれている。相変わらず、肌の描き方が美しいな、エンネル。

カバネル『アラブの美女』。私が好きなカバネルの絵。こちらは、上目使いにこちらを見ている白いドレスのアラブ美女。正直、あんまり、アラブ人っぽくはないんだケド(^_^;)。オリエンタリズムでしょうかね?涙を流しているのだが、何故、泣いているのだろう?胸元で手を組んでいます。
アラブの王女様か何かで、何処かの国と戦って捕虜になって、これから何処かに売られちゃうところなのだろうか?

同じく、カバネルの『エコーの声を聴く』。メトロポリタン美術館にある『エコーの声を聴く』が、有名なのですが、メットの方は、エコーの声に怯える女性なのですね。それに対して、こちらの女性は、訝しんではいるものの、左耳に手をやり「何かしら?」と言う感じで、声を聴いているようです。エプロンには、花が沢山入っている。花摘みの途中かな?
因みに、エコーとは、『木魂(こだま)』ね。山に行って「ヤッホー」って返って来るやつ。
ギリシャ神話だと、エコーって名前のニンフが、美少年を好きになるのだケド、それに、ユノ(ユピテルの妻)が激怒して、エコーに「相手が言った言葉と同じ言葉しか喋れない(オウム返ししか出来ない)」と言う、呪いをかけるのです。英語のエコーは、このニンフの名前が語源なんだよ。

マゴー『少女の肖像』。今回のお気に入り!私、この画家さん良く知らないのですが。
おそらく、農家の娘さんであろう。岩に腰掛けている。手に鎌を持ち、その鎌は膝の上に置かれている。服も質素な深緑の服で、華美なレースも何もない。インナーの白いシャツも、汚れている。少女は、顔は前を向いているケド、視線は左に逃して、ちょっと恥ずかしそう。モデルになったコトに照れているのかな?
周りが、レースバリバリのお金持ちっぽい令嬢の絵が多かったからか、彼女の純朴で清純な美しさが、とても光っていて、魅かれました。バラ色の頬と、赤い唇も可愛らしい。

ミレイ『クラリッサ』。私の好きなミレイの絵。
クラリッサと言うのは、サミュエル・リチャードソンの書簡体小説の主人公の名前らしい。清純な娘の破滅を描いた作品だそうな。
とても豪華な、オレンジ色の服を着た令嬢らしき人物。帽子もとても高そうな羽根つき帽子だ。おそらく、ヴィクトリア時代の最新モードだろう。でも、そんな服を着た美しき令嬢の顔は冴えない。何かに悩んでいる風でもある。手は、前で組まれ、その手には、手紙(書類?)を握っているが、その書類を、破こうとしている。破滅への音が近づいているのでしょうか?
因みに、この絵のモデルを務めたのは、ミレイの三女だそうな。
この絵のポーズは、ゲインズバラの『グレアム侯爵夫人』に似ていると指摘されているらしい。参考にしたのかな?
この絵をずっと見ていた、女性がいた。とても気に入ったのか、ミレイのファンなのか。暫く魅入られたように、動けなくなっていた。

ポインター『ミルマン夫人の肖像』。これまた、私の好きなポインター。私ゃ、ヴィクトリア朝絵画が大好きなのだ。ヴィクトリア朝好き・・ってコトなんだケドね。
こちらは、斜め横を向き、右手に扇を持った、優雅な貴婦人の像。左手にはレースのハンカチと・・・何故か、小瓶のような物を持っているんだケド、コレ、何だろう??
こげ茶のドレスも、良い生地使ってんな・・って思わせるし、服のレースも美しい。ブレスレットに
指輪。後ろには、召使らしき人物も描かれている。裕福な家のご婦人か、貴族の奥様かな?

ヘッケル『神よりの授かりもの』。この絵、私のお気に入り!でも、このヘッケルさんって画家さん良く知らない(^_^;)。
玄関先。貴婦人が、召使が籠から出した赤ちゃんを受け取ろうとしている。どうやら、この裕福な家の前に、この赤ちゃんは捨てられてしまったようだ。それを、この家の奥様は「この子は、神からの授かりものです。」と受け入れようとしているらしい。貴婦人の横には、子供の姿。奥様付きの女中の姿も見える。映画の一場面のようなシーンです。
何でも、ヘッケルは、建物の入り口で繰り広げられる光景を芝居の一場面のように描くのが得意だったらしい。しかし、ヘッケルさん、何て、限定されたシチュエーションが得意なんだ!(笑)建物の入り口限定て!

他、静物画も7点来ていた。デュソース『花、果物、獲物、壺のある静物』。豪華な金の壺に活けられた、これまた豪華なバラの花々。他には、鴨、古代ギリシャの壺、果物、猟銃、牡蠣などなど、豪華づくし。裕福な家の食卓にでも飾っていた絵なのかな?と思う。
丸窓風になっていて、だまし絵っぽくもあるんだそうな。

こんな感じでした。他にも、ブーグローや、ラ・ペニャの絵などもあります。

お土産は、ポストカード4枚。
5月27日までやっています。美女に囲まれたい方は、行ってみるのも一興かと思います。華やかな気分になれますよ。
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