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2012年01月03日00:03

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明けましてオメデトウございます&今日は読書。Part0029



 皆様、明けましてオメデトウございます。今年もよろしゅーにずずすいっとお願い申し上げ奉りますーーーー!って歌舞伎調で年始あいさつしてみました。とほほ。

 さて、本題。この前、「ユートピア」を読んだんで今度は逆にディストピア小説に挑戦。というわけで今日のお題はオルダス・ハックスリー 松村達雄訳「すばらしい新世界」。ディストピア(地獄のような社会)を描くのに題名からして「すばらしい新世界」ってんだからイギリス人らしいブラックジョークだね。読む前から苦笑したよ。前から題名だけは知っていたんだけど、何故か「すばらしき新世界」と覚えてたんで探すのに苦労した。でも、Brave New Worldの翻訳なら「すばらしき新世界」のほうがよかね?って翻訳に突っ込んでないで、あらすじに行こか。
 
 時は機械文明が極限まで発達し全ての人間が「人間工場」で生まれるようになった近未来、舞台はイギリスのロンドンに物語は始まる。その「人間工場(作中では人工孵化・条件反射育成所)」では卵巣をボーナス2回分の金で売った女たちの卵子を使い、アルファー・ペーター・ガンマ・デルタ・イプシロンの五階級の人間を胎児段階で薬物処理して知能と体格を「調節」し、人工爆発を防ぐために女児の大部分に男性ホルモンを投与して「去勢」したうえで、人工的に細胞分裂させることによって「人間」を「大量生産」していた。はい、みなさん部屋が汚れるから、ビニール袋。「大量生産」された子供たちは、集団生活をしながら睡眠学習法により階級に適合した洗脳をされ、社会に出てからはソーマと呼ばれる麻薬を与えられフリーセックスと五感全てを刺激する触感映画を奨励されていた。はい、洗面器。

 そんな人間工場に勤める青年バーナード・マルクスは薬物処理の失敗によりアルファーの頭脳とイプシロンの体格を併せ持ってしまい、そのことが原因で〈この世界〉に対して深い疑問と憤りを持つようになる。その友人ホルムヘルツ・ワトスンはあまりにも高い能力ゆえに逆に〈与えられた世界〉への興味を失ってしまう。そんな中、バーナードはかねてより好意を持っていた女性レーニナとの初デートにこぎつけるが、それがあまりにもうまくいきすぎてしまったために、逆に落ち込んでしまう。それを払拭しようとバーナードはニューメキシコのインディアン居留地への旅行を思いつき二人で出かける。そこで二人は人間工場の所長トマキンの行方不明になった彼女リンダとその息子ジョンと出会う。リンダはロンドンに必死に帰りたがり、インディアンの老人に育てられながらインディアン社会から疎外されていたジョンは唯一の蔵書であるシェークスピア全集を一人読みふけりながら暮らしていた。バーナードは自分を追放しようとしている所長への復讐のために二人をロンドンに連れ帰る。復讐は成功し、ジョンは「ミスター・野蛮人」とよばれ、人気者になる。

 ジョンにとって現代のロンドン「すばらしい新世界」は驚愕の連続だったが、恋心を抱いていたレーニナに連れて行かれた触感映画に激怒し、引き籠ってしまう。そして、ロンドンへ帰って以来、際限なく麻薬におぼれてしまったリンダの死後、麻薬の配給所を襲撃してバーナードやホルムヘルツと共に逮捕される。そして、三人は独裁者モンド総統の前に連れて行かれる。そこで〈安定のためには過去を抹殺すべきだ〉と説き、下層民には〈麻薬とゲームとセックスと触感映画があれば十分〉と語る総統の前でジョンは「不幸になる権利」訴える。バーナードはアイスランドへ、ホルムヘルツはフォークランド諸島へ追放されてしまい一人取り残されたジョンは郊外の無人灯台へ移り住み、インディアンとして生活し始める。そこに見物人が押し寄せ、忘れようとしていたレーニナがやってきたことに激怒して彼女を鞭で殴ってしまう。翌朝、そのことを思い出したジョンは灯台の中でひとり首を吊って自殺する。ってお話。

 新年早々、暗ーい話で申し訳ない。まず、感想を述べれはこの本、実に要約が難しい本だった。わかってもらうには読んでもらうしかないね。詳しく書こうとするとものすごっく、くどくなりそうなんであきらめた。ちょっと、解説すれば、著者ハックスリーはダーウィンの研究パートーナーだった著名な学者一族出身の作家で、この話はありていに言えば、生殖に対する介入への批判としての「究極の奴隷制度」のお話。時代的には結構新しい作品で昭和3年の出版、おそらくエドガー・ライス・バローズの大衆小説「ターザン・シリーズ」に強い影響を受けている。文藝的に見てみると、狂った男の正論という典型的な「逆説の物語」でアイディア的には魯迅の狂人日記によく似てる。また、目についたところでは53ページから70ページにかけて複数の場面のセリフを交互に記載する「並列会話文」が面白い試みだと思ったがちょっと成功しているとは言い難いね。テーマは凄く良いんだけど、文藝的には佳作、学者さんの書いた小説みたいなもので硬さが抜けな無かったって感じ。リメイク的な後継作品に期待ってとこか。一言でいえば「エッチは真面目に遣りましょう」って小説はなかなか難しいって事かね。とほほ。

PS、検索かけてみて、なんと同名の擬似作品、いや、偽装作品が書かれているんで心底ビックリ。「1Q84」と同じパターンかよ!いーーーかげんにしてくれ!しかも、偽装作品のほうが評価が高いってどういうこと?みんな、オリジナルを読もう!とっほほーーーー。



  おまけにみくしー検索かけてみました。

「すばらしい新世界」

日記 検索1件ひっと。
レビュー一覧 *** 4件 が該当しました。

すばらしい新世界
(和書) 2011年12月25日 22:45
平均 4.22点(114人)

すばらしい新世界 (池澤 夏樹 著)
(和書) 2011年10月07日 02:06
平均 4.43点(65人)

すばらしい新世界 (池澤 夏樹 著)
(和書) 2011年04月10日 14:36
平均 4.20点(15人)

世界SF全集〈第10巻〉すばらしい新世界・一九八四年 (1968年)
(和書) 2011年02月17日 13:40
平均 4.50点(2人)



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