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2011年07月31日01:06

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【 GATE 】慈悲の光は千里を照らす (前編)

 
7月30日、チビ太と2人で、大阪市住吉区民ホールへ行ってきました。

3年前に日本で初公開されてから、ずっと観たいと思い続けてきた*
ドキュメンタリー映画『 GATE 〜世界に伝えたい真実の物語 』の自主上映会が
催されたのです。これに参加しない手はありません!




開場前に到着し、まずは予約したチケット代を清算。
ボランティアスタッフの皆さんの笑顔は明るく、とても温かい雰囲気でした。
300席のホールで上映されましたが、座席は8割以上埋まりました。
上映までの時間、機材チェックを兼ねてか
(製作エピソードを含む作品紹介) http://youtu.be/FjFRO6wXgeA
が上映されましたが、音声や映像が途切れがちで、不安を感じました。
その予感は的中し、上映中に2度も、映画が突然停止するトラブルが発生。
けれど、司会者の機転と観客の寛容さで、望外のトイレタイムになりました。(笑



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映画は、2004年のエピソードを再現する映像から始まりました。

本作の監督であるマット・テイラー氏が、長崎にある曹洞宗の寺を訪れ、
大田住職と「核兵器が生んだ破滅の輪を閉じる方法」について対話します。
(なぜか) 広島の日本人家庭で育ったテイラー氏は、子どもの頃に
原爆被害や禅の教え(世界の事象は輪で動いている)を自然に学んだそうです。
大田住職はこう示唆しました。

「広島で採取され、星野村で今も守り続けられている『原爆の火』*を、
 ちょうど60年目の長崎原爆記念日に
 それが生まれた場所へ "平和の火" としてお返しし、消すこと」

原爆誕生の地とは、ネバダ州の核実験場トリニティー・サイト。
人類最初の核実験は、1945年7月16日に行われました。
そして、実験場の風下地域に住んでいた住民達が、人類初の被爆者となりました。
実験について何も知らされていなかった彼らの多くは、先住民だったそうです。
「ダウンウィンダー」と呼ばれた彼らは、次々とガンで亡くなっていきました。
(私は初耳の話で、たいへん衝撃を受けました)

ロシアの核開発に遅れたアメリカは総力を挙げて巻き返し、1945年に実用化。
同年6月に日本がロシアと停戦交渉に入ったことを察知したトルーマン大統領は、
戦後交渉を有利にするため、既に戦闘能力を失っている日本の都市、それも
非戦闘員地域に、原爆を落として壊滅させることを指示しました。

(原爆の火を運ぶチームのリーダーだった宮本師から、上映中断中に伺った話。
 原爆は既存の爆弾よりも重く、また破壊力を最大にするためには上空500m で
 爆発させる必要がありました。そのため、1945年7月下旬に大阪の他、各地で
 原爆投下の予行演習が行われ、その度に千人単位で犠牲者が出たそうです)

そして、8月6日に広島で、続く8月9日には長崎で、原爆が閃きました。
当初の目標だった小倉は深い霧に守られていたため、急遽目標が変更されました。
パイロットは何のためらいもなく大浦天主堂に照準を定め、自分と同じ神を信じる
キリスト教徒達を殲滅したのです。



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大田和尚は、寺の僧侶達にトリニティー・サイトへの旅について説明しました。

原爆が日本へ船出した7月16日に、原爆の火を入れたランタンを携え、徒歩にて
サンフランシスコ港を出発。長崎の原爆記念日である8月9日までの25日間で、
トリニティー・サイトまで2500km の道のりを踏破する。

「何か質問は?」との問いに手を挙げたのは、アッパーミドルの宮本師。

「原爆は、何十万人もの女性・子ども・老人を無差別に殺した。そのことについて
 アメリカはいまだに謝罪をしていないし、国内では原爆投下を正当化している。
 今まで多数の平和団体がトリニティー・サイトで抗議活動をしてきたというが、
 未だかつてゲートが開いたこともない。果たして、我々が使命を果たせるか?」

それは被爆者の憎しみや不信感を代弁する、率直な意見でした。

それを聞いた大田住職は、宮本師を行脚チームのリーダーに抜擢します。
「もっと若い者に」と辞退する宮本師を「あなた自身のため」と命じる住職。


2005年7月。宗派を越えた僧侶達のチームは、平和を象徴する白い船に乗って
サンフランシスコ港に到着しました。手には、原爆の火を宿した赤いランタン。

 http://youtu.be/8pH5H7g-4Ac  (映画の抜粋)

「原爆の火を生誕地に返し、世界に開いた破滅の輪を閉じる。そのために日本から
来た仏教の僧侶達」は、マスコミ報道によって全米の人々に知られていきます。
自由と平和を重んじるサンフランシスコでは、大歓迎を受けていました。
しかし都市部を離れると、応援する人だけでなく反発の態度を示す者も現れ…。

当初、行脚チームには資金もスポンサーも、医療サポートすらもない状態でした。
全行程2500km、その後半は摂氏50℃を越えるネバダ砂漠縦断なのに。

しかも途中で、チームのメンバーに末期ガン患者がいることまで判明しました。
白い顎ひげを蓄えたその僧侶は85歳。手術で胃を全摘したせいで、食事どころか
水分すら取りにくい状態でした。彼は主治医に参加を止められていたそうです。

ところが、僧侶一行が訪れる各地で、マスコミが彼らの行脚を取材報道するたび、
それを知った民間の人達が、思いがけない善意を示し、旅を支えてくれたのです。
例えば、機材を運ぶ車両の協賛を求めて日系のオフロードバイクメーカー数社に
打診したものの(反米とみなされることを怖れ)全て断られた後で、僧侶達の旅を
知った全米1のオフロード車両メーカーがバギーカーをポンと提供してくれたり。
ラスベガスのホテル王がスイートルームを提供してくれたり。(僧侶達は、部屋を
使わせてもらったもののベッドは使わず床に寝たそうです)
ナバホの先住民は、立入り禁止の聖地を一行の宿営地にと提供してくれました。
また、州が差し向けた救急車のスタッフリーダーは、僧侶達を看て放っておけず、
翌日から有給を申請して、自分のバイクに医療物資を積み、旅に随行しました。

宿や食事、お布施を提供する人。一緒について歩く人。労いの言葉をかける人。

たくさんのアメリカ人達の善意に支えられ、僧侶達の苦しい旅は続きました。
旅が進むにつれ、宮本師はじめ僧侶達の表情は、明るく伸びやかになりました。

彼らは行く先々で人々と温かく交流する機会を持ち、平和を祈っていました。
また、韓国系仏教寺院でランタンを公開し、一般の人にお参りをしてもらったり、
非暴力運動家の記念碑や、飢餓で亡くなった子の記念樹などにもマメに立ち寄って
祈りを捧げていました。
そうしたイベントの1つ1つが、破滅の輪を閉じる使命に繋がっていました。


ただし、「トリニティ・サイトに原爆の火を返し、破滅の輪を閉じる」任務には、
アメリカを非難したり反戦・反軍備を訴える意図は全くありませんでした。
旅の途中、その目的について僧侶達の意見が分かれてしまい、
軍事施設へ立ち寄って抗議行動をすることを希望した一部の僧侶が去りました。

残った僧侶達は「破滅の輪を閉じる」ことだけを ただひたすらに念じて、
トリニティー・サイトを目指しました。



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2005年8月9日、午後。

宮本師と85歳の老師、そして英語が堪能な長身の僧侶の3人チームは、
笠と赤いランタンを手に、トリニティー・サイトの門番に泰然と歩み寄りました。
彼らの後に、テイラー監督と国防省の人が続いていました。

差し伸べた手を堅く握り合い、爽やかな笑顔を交わし、ゲートの前に立つ僧侶達。

60年間、人々を拒み続けてきたゲートは、丸腰の彼らを静かに迎え入れました。


破滅の輪を閉じる儀式は、大田住職とアンカーを務めた僧侶達3人で
粛々と執り行われました。
その一部始終を、約120人の人々が見守りました。
ノーベル平和賞受賞者から、主な宗教の代表者、平和団体の代表者、そして
家族全員をガンで失い、自らも命尽きようとするダウンウィンダーまで。

みんなの祈りが、平和の願いを込めて炊き上げられた煙とともに天に届きました。
大地に残った灰は丁寧に箱詰めされ、後に核保有国のトップへ送られたそうです。

儀式を執り行った大田住職もまた、長崎原爆の被爆者でした。



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このようにして、破滅の輪は閉じられました。

そして、このプロジェクトと同時並行で
世界核兵器解体基金 (GND Fund) が発足しました。

  http://www.gndfund.org/jp/

これは民間の力を結集して核兵器廃絶を目指すことを目的にする団体です。
ロードマップは次の通り。

 1. 募金やチャリティ活動等で得た収益で、核保有国から核兵器を買い上げる。
 2. 核汚染されていない金属だけを引き渡してもらう。
 3. それをアクセサリーに加工して販売し、さらなる核兵器購入資金にする。
 4. 核保有国の手元に残された核燃料は、原子力発電に優先利用してもらう。
 5. 原発で使うためのプルトニウム等を新たに発掘しないで済んだ分の費用を
   代替エネルギーの開発資金に回してもらう。

第二次大戦後、アメリカとは対照的に日本の原爆被害を教育してきたロシアが、
真っ先に GND Fund と手を結びました。
核ミサイルと原子力潜水艦の解体&売却を合意したのです。

解体されたロシア原潜の金属は、先ごろ長崎の製鉄所に納品されました。
現在は、その金属を使って卵形のインゴットを製作中。
今年の原爆記念日に公開される予定だそうです。



なお、映画終了後に、テイラー監督本人からアナウンスがありました。

東日本大震災によって、原発そのものが非常に危険であると判明したので、
現行のロードマップを更新すること。
また『GATE』の収益は、核兵器廃絶のためだけでなく、
原発で被災した子ども達への支援にも積極的に充てていくこと。


破滅の輪を閉じる旅には、第二章がありそうです。

                             (つづく)



【 GATE 】慈悲の光は千里を照らす (後編)  2011年08月02日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1757920955&owner_id=1833905


本【映画】GATE   2008年05月29日
  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=821284891&owner_id=1833905

かわいい福岡県星野村 平和の塔 
  http://tamutamu2011.kuronowish.com/hosinomuraheiwanotou.htm

映画「GATE」 広がる自主上映会の輪 http://youtu.be/CSzquOSx_wQ

 
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