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2011年07月15日13:12

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略語(abbreviation)

日本でも漸く携帯のショートメールが他キャリア間でもできるようになり、今後普及していくと思われますが、海外では既にSMSによるやりとりがメールや通話以上に日常的に行われています。
160文字までしか打てないショートメールでは効率的な略語表記(Abbreviation)が多用されます。例えば

U=you
R=are
2=to
4=for
@=at
gd=Good
2day=Today
mrng=Morning
nite=Night
wk=Week
dis=This
dat=That
wz=With
pls=Please
msg=Message

単語の置き換えばかりでなく

ASAP=(できるだけ早く)as soon as possible
CU=(またね)see you
IC=(わかった)I see
TTYL=(あとでね)talk to you later
BTW=(ところで)by the way
IOW=(つまり)in other words
JK=(冗談だろ)just kidding
NRN=(返事無用)no reply necessary
OTOH=(一方で)on the other hand

なんて述語も。

実際どんなメールになるかという例文
My smmr hols wr CWOT. B4, we used 2go2 NY 2C my bro, his GF& thr 3 :- kids FTF. ILNY, it's a gr8 plc

そしてその解答、解読できたかな
My summer holidays were a complete waste of time. Before, we used to go to New York to see my brother, his girlfriend and their three screaming kids face to face. I love New York. It's a great place.

英語ばかりではありません。フランス語では

@2m1=(明日に)A demain
@+=(また後で)A plus tard
B1sur=(もちろん) Bien sûr
Bjr=(こんにちは)Bonjour
Bsr=(こんばんは)Bonsoir
cmtcava=(元気ですか)Comment ça va
dak=(了解)D'accord
Entouk=(いずれにせよ)En tout cas
pk=(なぜ)Pourqour
Keske C=(これ何ですか)Qu'est-ce que c'est?
svp=(お願いします)S'il vous plaît

イタリア語では

ke=(なに)Che
XKe=(なぜ)Perche
Cmq=(とにかく)Comunque
Matt=(朝)Mattina
C ved=(またね)Ci vediamo
Ke fai d bel? =(何してるの)Che fai di bello?

など。
こうした略語はショートメールだけでなく、普通のメールや手紙にも使われ出し(ポップスの曲名にもよく見かけます)、今や生活の中に定着しつつあるようです。いくつかはじきに「WC」や「TV」のように一般的になり日本の英語の授業でも教えるようになるでしょうね。

ところで、日本ではこうした略語表記(Abbreviation)はあまり見かけません。一部「乙(お疲れ様の略)」「あけおめことよろ(明けましておめでとう。今年も宜しくの略)」のようなものがありますが、それはウケ狙いの流行語に過ぎない感じです。

なぜあまり無いのかといえば、ショートメールやツイッターのような文字数制限のあるメッセージサービスがさほど流行っていないという「出力」の問題もあるのですが、もうひとつ、日本の携帯は一度変換をかけて文章を作るので、直接入力のアルファベットと違って操作を簡略化するための略語表記はたいして意味がなかったという「入力」の事情もあるでしょう。

むしろ日本では、変換が出来すぎで面白くないので、逆に入力を複雑化して表記するという現象が見られます。いわゆるギャル文字などがそれ。

走召⊃カヽяёナニ=超つかれた
⊇〃めωナg土レ`=ごめんなさい
ま∪゛! ±ωL≠ュッ=まじ!さんきゅう
レ)レ)〒゛す=いいです
ぁレ)カヽ〃┗⊂ぅ=ありがとう

もちろんこれも若者だけの流行りものに過ぎませんが、伝達するものを複雑化したり余計な物で修飾したりするのは日本の特徴と言える気がします。
手紙を書く時、時候の挨拶や社交辞令を入れたり、返信で敬称を修正したりなんて無駄な取り決めが多いのは、そしてそれが一般に浸透しているのは、日本独自ではないでしょうか。
そんな手紙のマナーを見ていると、伝達自体をひとつの儀礼として大仰に捉えている、と感じられます。

実際のところ「記録」や「伝達」は、世界の歴史において格式ばった重要な儀礼として為されてきました。それは文字やそれを記録する紙が上流階級の独占物だったからです。ところが日本においては庶民文化の花開いた江戸時代の昔から、紙がふんだんにあり識字率も高かったので、早くから文章伝達が一般化し、その技巧が高度な儀礼的要素にまで及んだと考えることができます。
「伝える内容」以上に「伝える行為」を重んじる伝達。日本においてはそれが顕著で、それだから手書きの年賀状にこだわったり、何枚も同じものを書かなければならない履歴書で、必要もないのに手書きでなければ不可だったりするのでしょう。
それはひとつの日本文化であり、そんな日本において略語表記が定着することはおそらく無いと思われます。

ICTの発達はめざましく、今後、入力においても出力においても制限は極力低減されるでしょう。そして近い将来、伝達事項は「実際に実行」され、大部分の事柄が「文字にして伝達する」必要はなくなっていくと考えられます。具体的には、例えば「なる早(なるべく早く)でお願いします」なんて略語をいちいち文面に載せる必要はなく、代わりにメールに至急フラグが付けられて、実際の進捗状況が逐次トレースされ、相手にアラームが鳴る仕組みになっているとか、あるいは送信者のアバターが相手側に表示され、伝達内容を口伝えするというように。

そんな中、「文字」はますます「御遣い物」感を増していくでしょう。その「行為」を重んじる儀礼的伝達にこそ「文字」は使われ、簡略化とは逆の厳しい「型」の世界に向かうのではないかと想像するのです。少なくとも日本語においては。

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