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2011年06月29日02:18

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【ニュースより2】特許

特許で「申請(出願)」と「取得」とは全く異なることですからね。

中国はあくまで「申請」しただけであって、特許としてはまだ認められていません。

そして認められるには、過去に同じものが無いことを関係者全員で認めなければなりません。



「同じもの」というのも微妙な表現ですが、

申請した技術が、何かの技術を真似しただけでは100%通りませんし、

何かの技術から容易に想像がつくだけでも、ほぼ通りません。

そしてそのことを、世界中の同業他社が眼光鋭くチェックするわけです。

つまり、自分たちの技術の真似なのか、そうではないのかと。




ということを考えると、中国の高速鉄道技術は日仏独とカナダからの技術供与がベースで、

単純に組み合わせただけの代物ならば、

中国国内ならともかく、先進国ではまかり通らないでしょう。




では取得できる可能性があるとしたらどんな場合か考えると、

4国の技術を組み合わせはともかくとして、4国どこもが全く思いつかなかった技術の場合。

だとしても、少なくとも日仏独ではすでに高速鉄道システムを確立しているので、

中国のその技術を使わなければ、高速鉄道を建設できないわけではないです。
(車両や信号システムなど、システム全体を含めてですね)




次に特許を取得したとして、中国に有利になる可能性のあるものは、

コストが安くなる技術とか、建設期間が短くなる技術かもしれません。

そういう側面で中国が独自に研究し、特許を取って来た場合は、ちょっと面倒ですね。

ただ特許の盲点は、特許を取った技術に副作用が含まれる可能性もあることです。




端的に言えば、コストや建設期間は良くなったけど、品質は悪くなったみたいな。

逆に、品質を上げるために施した策で、コストが上がるなんてことはザラですねw

そして特許本文には、そんな文言は一切出てきません(想像できるとは思いますが)

基幹となる部分の性能を維持しつつ、他の何かを犠牲にすることはよくあります。

ただ、その犠牲にした何かが巡り巡って深刻な影響を与える可能性もあります。




となると、コストを安くするような技術で特許を取って独占的に売り込んだとしても、

買う側はよく吟味しないと、大事故などを招く可能性があるわけです。




そしてさっきワールドビジネスサテライトで言っていた話だと、

中国が申請した特許は、製造工程だとかの内容らしいです(他にもあると思いますが)

製造工程のコスト削減とかならば、どの工場も行っているので大きな脅威ではないと思います。

少なくとも日仏独の工場は、品質は落とさないでコスト削減していると思いますから。

(とは言え、さっきの日記に書いた苗穂工場のようなことがあると怖いですが。
もっとも、自社内で完結する鉄道会社と、商品を他者に売るメーカーとは、
その辺りの考え方は違うと思いますけどね)




中国(特に国営企業)の場合は、コスト削減が品質削減にも繋がっていないか心配ですが、

それ以上に、あの国は「人」にかかるコストが圧倒的に少ないですね。

ただ、アメリカとかに売り込むというなら、

アメリカの高速鉄道は現地生産が条件だった気がしますので、

人件費で安く売るということは、まずありえないと思いますね。




最後に、一番ありえる話として思ったのは、製造方法に対する特許。

工場の製造方法は、各社のノウハウであって、基本的に公開するものではありません。

特許にすると言うことは、その技術を公にした上で取得するものなので、

ノウハウを秘密にする限りは特許になりえません。

特許の審査基準は、申請した時点で何らかの手段で公になっているか否かです。




となると、こういう秘密のノウハウ部分を申請した場合、

申請した時点で秘密裏に使っている技術だとしても、

公になっていないので、取得されてしまう可能性があります。

なので、各国が蓄えた秘密のノウハウを中国国内で行使して中国の高速鉄道を作りあげ、

中国側が、それらのノウハウが公開されていないと知った途端に、

自分の独自技術だと言って特許を申請してしまうなんてことも、考えられます。

そしてそれが通ってしまえば、純粋に中国技術として独占されてしまいます。




技術提携する上では、提携者間でノウハウの秘密を守る守秘義務契約は当然ですから、

これをやってしまえば契約違反になり、損害賠償の対象にもなりえます。

ただ中国国内で、中国国営企業が起こした違反なので、結果は明らかですが・・・




一番最後のケースが一番ありえそうで怖いところですね。

特許は、取得すれば合法的に独占できるので、メーカーは特許をどんどん取るべきです。

青色LED訴訟や東芝の特許訴訟で、発明者に億単位のお金が支払われ、

その結果から、特許は会社に不利と思う人もいるようです。




しかし実際にはその逆で、良い特許があれば、合法的に市場独占ができるのだから、

会社にとって、これほど良いモノは無いんですよね。

独占なんて、普通は公取が目を光らせていますからね。

発明者は、それだけ会社に貢献したわけですから、その対価は受け取って然るべきです。




そう言うと会社のお金で発明したのだから、対価を支払う必要は無いと言う人もいます。

そういう人は、営業の仕事で考えてみてください。

営業でトップの売り上げの人とビリの売り上げの人が、同じボーナスだったらどう思いますか?

営業経費は当然会社が出しますが、トップの売り上げを出したのはその人の腕です。




発明も全く同じで、同じ研究をしても、結果を出す人と出さない人がいるわけです。

その発明が長年の努力の賜物か、ある一時のアイディアかは知りませんが、

いずれにしても、良い発明ができたことは、発明者の腕以外の何者でもありません。

良い発明をして、それが売り上げアップに繋がったら、それは発明者の功績でもあります。




そんなわけで長くなってしまいましたが、

中国がどんな特許を出したのか気になりますね。

ふたを開けてみたら、先行者とかだったりして(爆)



■中国、日米欧などで「新幹線」技術の特許乱発
(読売新聞 - 06月28日 13:22)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1652773&media_id=20

中国が高速鉄道に関する技術の特許申請を日本や欧州など5か国・地域で進めていることが28日、明らかになった。

 中国は日独などからの供与技術をもとに「中国版新幹線」の車両を開発しており、国際的な特許紛争が起こる可能性が出てきた。

 同日付の中国英字紙「チャイナ・デイリー」が中国政府高官の話として報じた。中国が特許申請の手続きをしているのは、日本、米国、ブラジル、ロシア、欧州。車両の台車や先端部分など計21件の手続きを進めており、このうち8件は予備段階の審査をすでに通過したという。

 中国は日本、ドイツ、フランス、カナダの4か国の企業から技術供与を受け、高速鉄道の車両を製造した。関係者によると、中国に供与した技術は、中国国内での使用に限定する契約になっているという。

 中国政府は「(日本などから技術を)取り入れ、消化吸収し、革新させた」(鉄道省)として、高速鉄道に関する技術は完全に独自開発と主張している。

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