会社の同僚に借りたレディオヘッドのアルバム、3rdから8thまでを通して聴いている。最初の印象は、“よくこんな音が一般受けしたな”とロック耳に恐れをなしたんだけど、二度目に聴いたら普通のロックだった。ちょっと安心した。でも確かに面白い
若手ジャズピアニストの筆頭、ブラッド・メルドーは、レディヘの楽曲をアルバムに取り上げたりしている。或いは最近グラミーを取った上原ひろみも、プログレっぽい演奏を披露したりしている。そうしたアルバムを聴いて思うのは、“彼らがインスパイアされているのはクラシックやロックであって、決してジャズではない”という事実である。
少なくとも私の愛したジャズは、もう既に死んでいる。そんな事は、もうとっくに判り切っている筈なのに。
これからジャズを聴く者の不幸とは、こんなものまでも賞賛しなければならないという事なのだ。ロックでも聴いていた方がよっぽどマシではないか
さてレディヘであるが、私的には6th以降が断然面白かったりする。特に7thの“IN RAINBOWS”は彼らの最高傑作ではないかと思う。まあ世間的な評価では圧倒的に3rd,4thなんだろうけど、3rdは音は重厚であるも単なるロック、4thは過渡期の作品であるに過ぎないと思う。とは言えそのクオリティには尋常ならざるものがあるが。
【結局…】
もう圧倒的に素晴らしいのが5thの“AMNESIAC”で、4thの名盤“KID A”よりも遥かに遠い所(それは彼岸か?)で鳴らされた音楽だと思う。恐れや憧れといった無垢な(或いは原初の)感情が、生の儘に提示されている。7thの“IN RAINBOWS”は聴き易さではレディヘ随一とも言えるが、侮れない魅力がある。
レディオヘッド
1. イン・レインボウズ
2. アムニージアック
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