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2011年04月06日23:17

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三宅島:2

■あらすじ

けんたの元に東京ダイビングセンターからハガキが届いた。
内容は、震災に対する見舞いと、スタッフ一同が無事であるという旨。

けんたは、お世話になった時のことに思いを馳せる。

数年前のシルバーウィーク、
三宅島を舞台に、会社の同期3人と行った二泊三日のツアー旅行である。

昨日の日記では気の向くまま、
二泊三日の旅行を書き綴っていたが、
(あまりの長文に)2日目の終了で打ち切りとなった。

本日は、その続き……旅行3日目の回想がメインである。


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■3日目『声』

朝、06:00頃だったろうか、目が覚めた。


三宅島のとある民宿である。


夕べは21:00という早い時間から寝たにも関わらず、
グッスリと眠ってしまったようだ。

こんな健康的な生活サイクル、小学生以来である。

窓からはサンサンと朝日が射している。

アシの葉の緑と、青い空。

暑いくらいの日を手のひらで感じて、

部屋の畳の匂いを吸い込む。


……良いところだな、ここ。


凄く、健やかだ。


帰るのは名残惜しい。


……こんな時、いつも思い出す事がある。


2007年11月18日
日本武道館
SIAM SHADE "HEART OF ROCK"

シャムシェイドというバンドの、
一夜限りの復活ライブである。
※当時の日記もあります

それぞれの道を歩んでいるメンバーを見て、

それでも、

その瞬間はシャムシェイドと名乗って、

“今のシャムシェイド“として最高のライブをする彼等を見て、

これからも、それぞれに進んでいくんだという彼等を見て、

思った事があります。


『同じ時間を生きてるんだから、また逢える。』

『同じ時間は戻ってこない。
それぞれに生きて
それぞれに変わってく。
それでも、

また逢えることは、素晴らしい。

本気になったら、可能性って色々あるんだから。
せっかく同じ時間に生きてるんだから。』

だから、また来よう。

良いところだから、また来よう。


まだ終わってないしexclamationイルカに会わきゃぴかぴか(新しい)


隣で、やはり帰りたくないと凹む同期を励ましつつ、
朝の支度に取り掛かりました。



朝食を食べると、民宿から車で港へ船

ここから船で、
野生のイルカに会いに、
御蔵島(みくらしま)に向かいます。


船と言っても、釣り船みたいな感じで
8人ぐらいで固まって甲板に座り、波しぶきを受けて進みます。

上下に2〜3mぐらい跳ねる、
って言葉にすると簡単だけども。


速くって、
ドカッexclamation ×2と浮いて、
ザパーンexclamation ×2exclamation ×2と着水して……

最初、ビビりました(笑)

でも船が好きなので、慣れれば楽しいexclamation

楽しいけれど、体が浮くと内蔵がゾクゾクします。

……痩せ我慢じゃないぞ。

小学生の時にやってた器械体操で鉄棒から落ちたのと、
仙台の八木山ベニー○ンドのバードマンスカイコースターのお陰様で、

ちょっぴり高所恐怖症なだけなんです!!


そんなこんなで船で数10分、
御蔵島に到着です。

……と、どこか港を探すでもなく、
島から数10メートルで船を停めます。


ここで、お姉さんから説明。


『この島の周りをイルカの群れが泳いでます。
船が群れを探して走りますから、
群れが見つかったら合図しますので、飛び込んで下さい!!』




そう言って、飛び込み方などの段取りを説明する。


なるほどexclamation
イルカの群れを探して、
そこに飛び込んで行って、
一緒に泳ぐわけだexclamation


みんな、出発時にシュノーケリングの装備は整っています。

五分ほど船を走らせると、

『イルカが居たよーexclamation合図するから飛び込む準備してexclamation ×2

どこだイルカ?
これ見よがしに跳ねたり、背ビレが見えるわけではない。

みな、緊張の面持ちで身構える。

『良いよexclamationゴーexclamation ×2ゴーexclamation ×2ゴーexclamation ×2

とにかく水に飛び込んで、
シュノーケルに入り込んだ海水を吐き出し、
水中を見回す。

『○○さん、目の前だよexclamation
なんて姉さんの指示が聞こえる。

とにかく○○さんの方へ向かうか


と、泳ぎ始めたその時

海水のザパザパという音に混じって、

水中のくぐもった……それでいて固い、ギュルルルルという音が聴こえた。


あ、15メートルくらい先の方に白っぽい何か……イルカが居る?


水面を泳いでるわけじゃないな……俺も潜水しよう


両手の平を合わせて頭の上に突き出し、
全身をうねらせてグイグイと進む


exclamation ×2
今、右に3メートルぐらいのとこをイルカが泳いでったexclamation ×2exclamation ×2


速いな。ほんと一瞬だ。

と、前を向くと。


遠くから聴こえるような微かな、キュイーーーって音が聴こえた。


次の瞬間。


僕の左斜め下を、
ギューーンexclamation ×2exclamation ×2と、
乳白色のイルカが通り過ぎて行った。



……お前、



泳ぐの、巧いな
(当たり前か)





船の甲板で休みながら思う。

ギュルルルルとか、
ギューーンとか

あれはイルカの声だったんだ。

とにかくイルカに逢いたくて来てみたけど

どっちかってーと、イルカに遊ばれた感じがするウッシッシ

俺の傍から抜き去って、
あっという間に遠ざかった白い背中が、


『どうだい?俺はこんなに速く泳げるんだぜexclamation

って言ってる気がしたのだ。


俺は素直に感心してしまったわけだけども。湯のみ


しかし、あれですな。


停まってる船で、
グイーーン、
グーーンと
ゆったり大きく揺られれてると(2、3メートルぐらい?)


酔います。
(船では初めて)


そして吐(中略)




そんなこんなで、
皆様グッタリしつつも満足げで、
無事に三宅島へ帰還しました。


車で民宿に戻り、
風呂を借りたり、帰り支度をする。

庭に出ると
イスとテーブルがテラスみたいになっているのを発見


実はちゃんと持ってきていたアコギを弾く。

風と緑と青空、
まぶたを閉じても、日差しが暖かくて眩しい。

すっげぇ、気持ち良い。



迎えの車が来た。

皆が出てきて荷物を積むまでの間、
今までお世話になったダイビングセンターの方と、
お礼がてら、話をした。

僕らがお世話になったスタッフの方々は皆、三宅島に住んでいること。

民宿と連携して、
こんな素晴らしいツアーを運営してくれていること。

本土の都会には憧れるけど、
やっぱりずっと三宅島が好きで、住んでいくだろうこと。

車には、僕の一歳下ぐらいの、若い夫婦と一緒に乗った。

彼等はダイビングが好きで、
なんと酸素ボンベを持参していた。

奥さんが大の動物好きで、
機会を見つけては、こうやって海に来るらしい。
車窓からは、

山の緑、

少しずつ薄れてく火山の爪痕、

ここで元気に過ごしてる皆さん。


ここは、時間がゆっくりだ。


時計を見なくていい。



ガタガタ揺れる車の中で、


また来るって思いながら


やっぱり今が惜しいと思った。



港から船に乗る。
帰りも一等船室だ。


行きの時は、
部屋の向かい側に女性三人連れ(親子と親戚みたいな雰囲気)が一緒だったが、
帰りの部屋は、僕らだけだ。


まだシルバーウィークは続くから、
戻る便には余裕があるのかもしれない。


お昼に三宅島を出て、
東京の港に戻るのは20:00頃。


アコギを弾いたり、
うたた寝をしながら過ごしていると、
空腹に気付く。

そっか、朝飯食べてから…しかも海で吐(中略)から、ずっと食べてないんだ。


船室の窓から、暗くなってく空を見てると


『なぁ、晩飯どうするよ?』


という声が上がる。


『途中の駅で焼き肉食わねぇ?
俺、良い店知ってんだ』

……なんか急に、
帰ってきたっていうか、
日常の感じが戻ってきたな(笑)


穏やかな時間が過ぎて、

馴染んだリズムが戻ってくる。


うん、
こういうのも、悪くない。


出発点の良さを知るのも、旅のうちなんだろう。




完/三宅島のシルバーウィーク
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長くなったけども、
無事で良かった三宅島。

東京から手軽に行けるし、
また行かなきゃな。



いやしかし、



長くてすみませんあせあせ
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