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2011年04月05日22:58

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三宅島:1

東京ダイビングセンターからハガキが来ました。
地震のお見舞いと、
こちらも無事です、というメッセージ。


彼らとの接点は三宅島。

僕が三宅島に行ったのは、
数年前のシルバーウィーク

……初めてシルバーウィークって言葉が登場した時のことです。

僕はイルカと泳ぐツアー客として島を訪れ、

彼らはインストラクターとして迎えてくれたのです。

僕が知る皆さんは、全員が三宅島で生活しています。


今日はそのときの、2泊3日の旅行について回想します。



長い日記になるのでご注意下さい(笑)

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『沖縄は良いよ。
日差しの中を歩いていると、
ストレスが溶けてく。』


以前、バンドを組んでいたベーシストさんが僕に言った言葉です。


それ以来、
僕の胸の中にはこんな野望があります。


『青い空の下、
海を望んで
泳いで魚を見て、
そのあと潮風を感じながら、
アコギで曲を作りたい』

そうして社会人となり、
どんどんと忙しくなる中で、
シルバーウィークなら休めるんじゃないかと、
今しかない、と
会社の同期3人を誘い、頑張っちゃったわけです

ところが、
シルバーウィークまで数ヶ月あるのに、
沖縄からの帰りの飛行機は空きがない。

甘かった。

沖縄の人気を甘く見ていたのだ。

ジンベエザメにも会いたかったのに。

すっかり意気消沈した俺に、

同期の1人が、シルバーウィークのツアー企画を持ってきた。

『三宅島で、イルカと泳ぐ』

僕は小さい頃、
水族館のイルカに触ったことがあるらしい。
だが、残念ながら記憶にない。

逢いたい。

久し振りに
……10数年ぶりに、海で泳ぎたい。

再び立ち上がった僕は、
段取りを決めて当日を迎えたのです。


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■初日『船の旅』

夜、東京の港で船に乗り込む。

行列に並んで乗船すると、
そこいら中で人が横になっている。

広間で雑魚寝では済まない。
廊下で並んで毛布を被るのだ。

さすがシルバーウィーク。
予想を超える満員御礼ってやつだ。

でも大丈夫exclamation
旅行のオプションで一等船室を取っておいたぴかぴか(新しい)


そこらで寝てるのが二等船室だが、
一等船室は本当に『部屋』に入れる。

どんな部屋か分からないけど、
朝から晩まで遊び尽くすための体力を削らずに済むはず。


部屋に入ると、
8〜10畳くらいの部屋だった。

ブラウン管テレビがあり、
部屋の左右にはマット(布団の役割)が4つずつ。

僕等は4人だから、片側を独占できるわけだ。


出航は21時頃だったと思う。
船が動き出した。


僕は興奮して眠れず、
デッキへ向かった。

ドアを開けると、
潮風がゴウゴウと吹き付ける。

これまた久し振りの船の感触と、
潮風の匂いだ。

意識がますます冴え、
思わずニヤッとした。
(不審者とか言わないように)

デッキのあちこちで、
人が毛布を被っている。

ここはまだ屋根がある階層だから、
隅に居れば眠れないこともない。

大人数でトランプを囲み、酒を飲み、騒ぐ一向も見かける。

彼らはこうして眠らずに、一晩を過ごすのだ。


テントを張っている人も居る。
すげぇな。その発想はなかったぜ。


そのまま階段を登ると、
まさしく潮風ビュービューで、たまに海水も被るデッキに着く。

こうやって風を感じながら船に揺られるのは好きだ。

冒頭で話した、旅行好きのベーシストさんからメールがきたり、
バンドやら自分の音楽やら、
今まで出逢って、色々な場所でそれぞれに生きるみんなに思いを馳せたりして、
部屋に戻るも、眠らずに夜明けを迎えた。


早朝04:30。
三宅島に着いた。

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■2日目『三宅島』

三宅島と言えば、実は火山の噴火で話題になった島だ。

インターネットでも、火山灰やガスの濃度の情報が常に更新されており、
ガスマスクが必須との情報もあったが、
今はマスクを付けなくても大丈夫である。
役所も通してるから間違いない。

ともあれ
船を降りて、車で民宿に向かう。
引率は若いお兄さん。
お世話になるインストラクターさんの1人だ。


島の地形はアップダウンが大きい。

ガタガタ揺れる車の窓から見えた景色は、ハッキリ覚えている。

まず、アシの葉の緑。
大きな葉っぱだ。沢山ある。

緑の匂いも、久しく嗅いでなかった。
幼稚園まで生まれ育った団地には裏山があり、
空き地も一面が緑だった僕にはホッとする匂いだ。

山道になると、
灰色に変色した葉っぱを見かけるようになる。


木の枝が不自然に折れてたり、
部分的に葉っぱが剥げてたり



そうして、ある峠から火山を見た。



禿げ山だ。



ハッキリと土が露出している。
尾根の木々も枯れている。


なんだ、これ。


僕が火山のニュースで見たのは、
船で避難する人々だけだ。

なんだってそうだが、
傷というのは残るのだ。

そこからゆっくりと、
頑張って、
新しいものが生まれて

どっかで見たような、
でも前とは違う今になっていくのだ。

『この辺の景色も、かなり綺麗になってきたよ』
お兄さんは笑顔で話す。

ここいらで生えているアシの葉は、僕の好きな新緑だ。

やっぱり、新緑は綺麗だ。

光に透けて、生きてる命が見える。


民宿に着くと、06:30まで眠った。




目が覚めると、民宿の朝食を怒涛のように掻き込む。

今朝から昼にかけて、シュノーケリング講習があるのだ。

シュノーケリングというのは、
シュノーケル……忍者みたいな、水上の空気を吸うための筒を口にくわえ、泳ぐことです。


僕は小学校以来だし、
他の同期は未経験なので皆で参加。

ここで初めて、
僕はウェットスーツを着ました。

水着の上に着るのですが、
背中にジッパーがあって、
足首から首まで体にピッタリくる。

生地の厚さやフィット感は、リストバンドぐらい。

全身、リストバンド。
なかなか温かいぴかぴか(新しい)

しかも、体が濡れないらしい。

さらに長靴みたいのを履き、
足ヒレをつけ、
ゴーグルをつけ、
シュノーケルを口にくわえれば完璧。

何故か、手袋はない(笑)

シュノーケル練習に選んだ海は、残念ながら濁っていた。

これは前日の天気や波の穏やかさに左右されるので仕方ない。


さっそく海に入ると
体が濡れてる感じがない。
そんな寒くないし。
じんわりと、みずの温度が伝わり始める。
すげぇなウェットスーツ。

そこから、
シュノーケルでの呼吸法や
(海水が入ったら、プシューって吐き出すのです)
バタ足で進む、など練習が進む。

そうして自由時間。

インストラクターの姉さんが、
ドルフィンスウィムというのを見せてくれた。

両足を揃え、
手もダラリと垂れた状態で
全身をうねらせ、
両足でドルフィンキックをかまし、
頭から水中を進むのだ。


うわーー……


姉さん、


あんた


魚だったんか。



練習してみたけど、
どうも頭から足まで綺麗にうねらない。


姉さんなんか、


肩で風を切るならぬ、


頭で水を切る勢いなのに。


『ドルフィンキックとか、
体をうねらす感覚は、
バタフライで覚えると良いよ』

と姉さんが言うので、
バタフライを見よう見まねでやってみる。


そしたら、気付いたのです。


両手の平を合わせて頭の上に突き出す
……つまり、手を先頭にすると

僕の全身が上手いこと、うねってくれることに。

かくして僕は、
両手の先で水を切り裂いて進む術を得たのです。

待ってろ、イルカ。


俺も、にわかドルフィンとして一緒に泳ぐから(笑)


……そして午後、


イルカの次に楽しみにしてた体験をしました。


ダイビングですexclamation
酸素ボンベですよexclamation ×2


まず、先ほどの装備に、
酸素ボンベを背負います。
ライブジャケットにボンベが付いてる感じです。
まま、重いですなあせあせ

ボンベからは、空気を吸うため口にくわえるやつと、
手に握る、何かのスイッチがあります。

このスイッチは、
ボンベと一体化してるライフジャケットの、
空気の量……つまり浮力を調整するのです。

すげぇexclamation

スイッチ1つで、
ジャケットが膨らんだり萎んだり、


未来のテクノロジーに違いないexclamation ×2exclamation ×2
※現代技術です


この空気調節で自由に潜れるのかな。
とあれ水に入ります。

とにかくボンベが重いので、
ボンベが背中からずり落ちそうになります。


なので、ボンベの重さやバランスに慣れ、体を水平に保つのが第一歩です。


よし、いける。


そうしたら、ジャケットの空気を抜いていきます。


ちょっと沈みます。


あれ?
でも、あんまり沈まないな。



実は、まだ空気があるんです。


どこに??


肺の中に、です。


ゆっくりと息を吐くと、
それと共に体が沈んでいきます。

体は水平に保ったまま、波で体が動くけどバランスを取りながら、
すーっと沈む……

そして静かに吸うと、不思議と浮かばないのです。
沢山吸うと浮かんじゃうので、静かに、静かに。

ゆっくりと吐いて、
静かに吸って、
また吐いて、


水圧で耳が痛くなったら、
鼻をつまんで、鼻で息を吐きましょう
耳が『ポンっ』て鳴ります。
すると、耳の奥が水圧に適応します電球
……凄いな、人間。


ちなみに、浮かぶ時は何も意識する必要もなく、体が適応するそうです。


呼吸をコントロールして、浮かんだり沈んだり……ダイビング、楽しい(笑)


波に漂い、
すーっと進みながら魚を見る……これはシュノーケリングと一緒だけど、

ダイビングはずっと海の中に居て、
呼吸や姿勢のバランスをとって


……じっとしてると……海との一体感が凄い。



強い流れがくると、サンゴにぶつかったりして危ないし
(入り組んだ場所では、うまくサンゴにつかまって凌ぎます)

伊勢エビを追っかけてみたり(笑)
(捕獲は失敗しました)

プールで泳ぐのは、僕にとって運動です。

シュノーケリングみたいに海で泳ぐのも、
遊ぶのと水族館行くのがゴッチャになってパワーアップした感じだけど、

ダイビングは、
別世界に居る感じです。
海っていう、全然別の世界の中に居た、と。


そこは風邪は吹かないけど、
ユルユル……ビューン……と表情を変える水の流れがあり


下手に触れたら怪我をするサンゴの周りに
魚たちが生活をしている。


宇宙旅行って言葉があるけど、


ここにあるよ。別世界が。








あっと言う間の45分間が過ぎ、浜に上がる。


……大気だ。風を感じる。


……地上は、暖かいような寒いような……なんだかんだ、海に包まれていた事を実感する。


両足で地面を踏みしめて歩く。


うん、重力から何から、全く違う。


ここが僕の生きてる世界か。


海から陸地へと進出し、進化していった魚達のことを考えずにいられない。


しかし体が……いや、装備が重いな(笑)


かくして無事に陸上哺乳類へ進化した我々は、


風呂に入って晩飯を食べ

21:00に爆睡したのである。


自慢じゃないが俺はとにかく寝付きが悪い。
しかし、全身が心地良い疲れに包まれ、深い眠りに落ちたのです。


アコギで曲を作るどころじゃないですな(笑)


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さて、いよいよ3日目(最終日)
イルカとの遭遇ですが


すごく長い日記で
今日中に書けない気がするので
明日に持ち越そうかなってあせあせ


(つづく)
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