目標としていた学校への入学……志したのは数ヶ月前だが……を間近に控えている俺は、
滅多にないぐらい気合いを入れて掃除を始めた。
その徹底さたるや、
家具や壁の微妙な凹凸に溜まった埃も逃さない。
旅館の女将もかくや……というものだ。
(ちなみに彼は、散らかすのも早い)
家中の掃除を終えると、もう一度、自分の部屋を掃除する。
ちょこちょことモノを動かさないと、綺麗に掃除できないからだ。
一人暮らしの時の家電を押し込んだ部屋だが、
だからこそ快適であるよう、こだわった空間である。
CDは、独断と偏見で音楽性が近いものが隣り合うように並べる。
衣類の取り出しやすさも大事だ。
ギターアンプとCDラジカセは自分の胸くらいの位置に積んでいる。
もちろん、正方形の平テーブルに座布団で、いつでも勉強できるスペースは確保している。
惜しむらくは、
アコギと3本のエレキギターとベースとマイクと録音機材がバラバラに配置されている事だが、
音楽と勉強はキッチリ分けたいと思う俺としては、
上記に加えて冷蔵庫や洗濯機にパソコンもある部屋で、
勉強スペースとレコーディングブースを両立するのは難しいと考えていた。
そう、考えていたが……。
……できちゃった。(誤解を招く発言だ)
窓に向かって椅子に座ると
正面には録音機材・作詞ノートを積んだラック(元は台所用だ)、
その左から椅子を囲むようにマイクスタンドとエレキギター2本。
同じく、右から椅子をを囲むようにアコギとベースを配置する。
エレキギターが1本、入口側に配置してしまう形だが、
窓際は気温や湿度の変化が激しいので、ギターケースの耐久力を考慮した形だ。
ともあれ
素晴らしい!!
多分、人から見れば心底どうでも良いであろう私的な事柄であるが、
パッと楽器を手に取って曲を作れるのは、そりゃもう本当に素晴らしい。
あまりに素晴らし過ぎて、
一瞬で数時間が経過してしまう。
こんだけ没頭できたのは、
体力が戻ってきてるのもあるのだろう。
そんなわけで昨日は
…………勉強してない。
いかんな。
椅子のすぐ斜め後ろが勉強スペースで、一応キッチリ分かれてもいるが。
音楽スペースが魅力的過ぎて1日が終わってしまうとは、想定外だ。
勉強はとてもハードらしいので、
集中力やスピードも強化していかねば。
今朝はまず勉強スペースをより快適に魅力的にして、
音楽スペースに負けないようにしよう。
そして曲……じゃなくて勉強しよう。
うん、勉強しよう。
……本当だよ?
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