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この日記は、非常に複雑で分かりにくいネタである。
これを簡単に書く能力がボクにはないので申し訳ない。
先週木曜日24日は、札幌出張からＪＲで釧路まで帰ってきた。
今回は行きは都市間バス、帰りだけＪＲ特急だったから、おトクなきっぷ類は何もなかった。
札幌市内→釧路（経由：函館線、白石、千歳線、石勝線、新得、根室線）は営業キロ348．5�劼如�普通に乗車券を買うとＪＲ北海道の幹線の運賃表に基づき、341〜360�辧複鵜厂に�の端数切り上げ）の区間の運賃6090円となる。
少しでも安く上げようとすれば、まず思いつくのは通しで買わずに何枚かに分割して安くできないか考える。
これは、ＪＲの運賃計算方法が１�卉碓未任呂覆�、距離区分に応じて段階的に金額が上がる仕組みになっているため、金額が距離ぎりぎりで変わる直前の駅で区切って買った方が結果的に安上がりになるケースがあるためである（もちろん、区間によっては分割購入しても安くならない区間や、分割するともっと高くなってしまう区間もある）。
この方法だと、札幌市内→釧路を340�劼�りぎりの区間である大楽毛で分けて分割購入すると札幌市内→大楽毛（339．1�辧�5770円）＋大楽毛→釧路（9．4�辧�210円）＝5980円となり、通しで買うより110円安くなる。
分割購入ではこれが限界だ。
もうちょっと安く上げる方法はないのだろうか。
通しで買うとわずか8．5�卍恐瓩靴討い襪世韻�360�劼泙任竜�離区分に上がってしまい、何とも惜しい。
札幌から釧路まで、途中で分岐する路線もなく１本だったらどうにもならないのだが、新得で根室線と石勝線が分岐しているから、ひょっとすると何とかなるかも知れない。
ＪＲの乗車券は、変更する場合は使用開始前に変更する場合と使用開始後に変更する場合で取り扱いが異なる。
使用開始前の変更の場合は、変更前の運賃と変更後の運賃を比較して差額精算する決まりになっており、不足分は差額を支払い、過剰分は差額が戻ってくる仕組みになっている。
つまり、使用開始前に変更しても何の効果もない。
ところが、乗車券を使用開始してから目的地を変更する駅までの区間で行き先や途中の経路の変更を申し出た場合は取り扱いが異なり、差額精算ではなく分岐駅で「打切計算」となり、「変更することによって乗らなくなった区間の運賃」と、「新たに乗ることにした区間の運賃」を比較して、不足分があれば差額を支払い、過剰分があっても差額は戻ってこない、という決まりになっている（100�勸焚爾龍茣屬簑臈垰垓畊拔茣崙盍扱襪両豺腓郎抗枩沙察法�
http://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/06.html#1
※：素っ気なくさらりとしか説明しておらず、当然のことながら「通しで買うより安くなることがある」などとは書いていない。
非常に分かりにくいから、何を言っているのか理解できる人はそう多くないだろう。
「過剰分があっても戻ってこない」などと言えば、かえって損するんじゃないかと思う人も多いだろう。
ところが、区間によっては「全然関係ない駅までの乗車券を買って、使用開始してから車掌に申し出て本来の目的地までの乗車券に意識的に変更してもらう」ことで結果的に安く上がるケースがあるのだ。
先ほど指摘したように、札幌市内→釧路間の営業キロは348．5�劼世�ら、わずか8．5�卍恐瓩靴討い襪世韻�360�卻�の運賃が適用され、非常に惜しい。
これを何とか340�劼泙任留芯臓�5770円）で済ませられないか考えてみる。
まず、経路上で分岐する路線と変更前の着駅と釧路までの距離をチェック。
すると、実際に乗る経路から新得で分岐する根室線（富良野方面）があり、新得から根室線で釧路とは反対側へ行って、滝川からさらに函館線で340�劼�りぎりの駅は美唄である（338．8�辧法�
次に、「打切計算」する場合の新得→美唄間の運賃（滝川経由）は、営業キロが162．6�劼世�ら161〜180�劼泙任竜�離の区間の運賃表が適用され、3150円である。
変更後に新たに乗ることになる新得→釧路間の運賃が3150円以内なら、札幌市内→美唄（経由：函館線、白石、千歳線、南千歳、新得、根室線、滝川、函館線）の乗車券を使用開始後に札幌市内→釧路（経由：函館線、白石、千歳線、南千歳、石勝線、新得、根室線）に変更しても追加は発生しないことになる。
はたして、新得→釧路（経由：根室線）の運賃は、172．5�劼覇韻犬�161〜180�劼竜�離の区間の運賃表が適用となり3150円、同額である。
すなわち、札幌市内→美唄（経由：函館線、白石、千歳線、南千歳、新得、根室線、滝川、函館線）の乗車券を使用開始後に新得から先を根室線経由釧路までに変更すれば、差額徴収なしで340�劼泙任留芯�5770円のままで済むのである。
これは、通しで買うと6090円だから320円安く上がり、分割購入するよりさらに210円も安いのだ。
実際は、釧路より２駅先の武佐までこの金額で行ける。
たかが320円ではあるが、通しで買うより５％以上安く上がるわけで、消費税相当分以上安い。
この「使用開始後の行き先変更」のことをＪＲでは「区間変更」（使用開始前の変更のことは「乗車変更」）と言い、不正乗車でもない。
ただ、「使用開始後の変更」は、「あらかじめ係員に申し出て承諾を受ける必要がある」ことになっており、計算（実際は車掌が携行している発券機器の操作）が面倒なので嫌がる車掌が多いのと、ワンマン運転ばかりの普通列車の旅では変更を申し出る機会がなかなかない。
今回も、追分発車後に車内改札に来た年配の車掌氏に申し出たが案の定不慣れで、いくらやっても端末の変更操作がうまくできずお手上げだった。
結局、車掌から「端末でうまく出せなかったので、差額はありませんから釧路駅で変更してもらってください」との言葉を引き出した。
「あらかじめ申し出て承諾を得られた」わけだからそれでいいのだが、場合によっては「承諾を得られないケース」もないとは言えず、今回も有人駅の釧路がなければ「変更操作がどうしてもできません」というケースで、積極的にいつでもどこでもオススメするものではない。
実際これは車掌の仕事で、本来駅で扱う仕事じゃないから、釧路駅でもきちんと理解している係員がおらず「6090円との差額精算」を求められたりしてすったもんだした揚げ句、ボクが「そんなことはない、新得で打切計算となり同額のはず」などと説明して、本社に確認したりしながらようやく「無罪放免」になった。
しかし、駅の窓口の端末で区間変更の出し方を誰も分からず、結局手書きの「シュッポ（出札補充券）」対応となり時間は掛かった。
出補は複写式で、薄くて写真では何と書いてあるか読めないと思うが、このように書いてある。
(北)册0949-33
事由欄＝区変
領収額欄＝斜線
原券欄＝３月２４日から有効、5770円、札幌市内から美唄ゆき、経由千歳・石勝・根室・函館
収受または変更区間欄＝札幌市内→東釧路、３日間有効、経由石勝・根室
人員欄＝大人１人
平成２３年３月２４日釧路駅発行
また、乗車券は券面に表示されている発駅から着駅までの輸送契約なので、ダイヤが乱れて変更後に実際に乗るつもりだった区間が不通になった場合や、接続できなくなった場合などの際には振替輸送や変更に応じてもらうこともできない。
例えば、今回の場合、札幌から乗った釧路行き特急「スーパーおおぞら３号」が占冠から先が不通となり運転打ち切りになって代行バスによる振り替え輸送になった場合など、釧路までの乗車券を持っていた場合は釧路まで代行バスに乗せてもらえるが、変更前の美唄までの乗車券だった場合は新得から先釧路方面など関係ないから新得で降ろされてしまう。
そうなった場合は使わなくなった区間分だけ払い戻して新たに乗る区間のきっぷを買い直す必要があるが、使用開始後のきっぷは未利用区間が100�勸幣紊△訃豺腓妨造辰討垢任望茲辰振茣屬留芯造伴蠖�料210円を差し引いて払い戻しに応じる、という決まりになっているから、最低限210円は掛かるし、仮に残り100�厂に�の駅でそのような事態になった場合はパーである。
それ以前に、ＪＲでは不通区間の乗車券は発売が中止されるから、払い戻しておしまい、という可能性が高い。
「使用開始後の行き先変更（区間変更）」は、場合によっては通しで買うより安くなるケースもあるが、一部区間は本来乗らない前提で買ったきっぷを制限のある使用開始後に変更する、というのは相応のリスクもあることをよく理解している者が自己責任で利用する、というスタンスで臨む必要がある。
また、逆の釧路→札幌市内の場合も同じ340�劼泙任龍茣屬留芯�5770円で新得から先を変更できる駅があり成立するが、うまく分岐駅や該当する駅がなかったりして逆方向だと成立しない区間も多いので、往復とも必ず活用できる、というものではない。
まあ、往復とも成立する駅があると言っても、特急自由席で往復するとそれでも16580円掛かるから、指定席に乗れる「Ｒきっぷ（指定席往復割引きっぷ）」が16600円（１０月〜３月、それ以外はもっと安い16200円）であり、実際に札幌・釧路間でこの制度を積極的に活用しようという人は少ないと思う。
ただ、この制度を活用して東京都区内方面から熱海までは「青春18きっぷ」などで行って、熱海から新幹線で名古屋に行くような場合、熱海→名古屋市内を通しで買うと261．4�劼�4620円だが、武豊線の東成岩までの乗車券（258．2�辧�4310円）を使用開始後に名古屋までに変更すると、分岐駅の大府→東成岩も大府→名古屋も同額の320円だから、差額徴収なしで4310円で名古屋まで行けちゃうので、310円安く上げることができることは結構有名である。
ＪＲの運賃計算のからくりを理解していれば、こういうテクニックもある、ということを紹介したものである。
いくらトクしたか、というよりは、複雑で難しいけど、うまく安くできる駅を見つけることはパズルを解き明かすのと同様な楽しみがある、ということでもある。
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