水町タカオの公開ネタ見せ

『水町タカオの公開ネタ見せ』を見に行きました。

事務所に問い合わせの電話をして、「当日、お金を持って並べば入れるんですね？」と言ったら、電話受付の方に「並ぶまで・・・いかない・・です。」と半笑いで言われた件のライブです。

開場３分前に行ったのですが、行って吃驚したよ。本当に、本当に、本当に私しかいなかった。いや、３分前に行ったら、誰か１人くらいは並んでると思ったのよ。本当に私だけしかいない。会場受付の小町さん（ですよね？）に話かけられるも、大した受け答えが出来ず、モニター（会場内の様子が流れている）を見てしまうという、ていたらく(-_-;)。もっと、フレンドリーになりたいです。

でも、モニター面白かったな。開場前で、照明や音響のチェックで忙しなく動くスタッフ一同。（とは言え、調整室にいたのは、ルネ・岩田氏だったが・笑）「あぁ、舞台を作っているな。」という気分になれます。

ライブ中。やたら水町さんに、絡まれる私。
笑ったら笑ったで「真剣なんだから笑うな！１番近いところで・・・」と言われ、笑わなかったら笑わなかったで「さっきまであんなに笑ってたのに、今、全然笑ってないじゃないか！」と言われ、「皆で深呼吸しましょう。」と言うから深呼吸したら「ホントにするの？・・・本当に疲れてたようで。」と言われ。

何？好きなの？！水町さんは、私のコトが好きなの？？一目惚れ？？
（ちげえよ！お客20人しか入ってないバイタスで、最前のど真ん中に座ってるから、目立ってイジリやすかったんだよ！）　

で、ネタ見て思ったコト。
お笑いフリーク歴35年の私。初めて、初めて、本当に初めて「私、おそらくこの人と笑いのツボ一緒だ！」と思える人に出会えました。そんな心境。

水町氏。おそらく、「面白い」と思うコトが、私と近いと思う。

劇作家・松尾スズキ氏は、考え方やモノの見方が近いんであって、笑いのツボが近いワケではないんだよな、きっと。

水町氏はコント・・と言うより、１人芝居に近いのだが・・・をやる時の設定が殆ど、ホモか変態です。

こんなに、面白いホモコントを量産する人、私、他にビシバシステムくらいしか知りません。
男同志もいるけれど、男同志は、どちらかと言えば、コンセプチュアルアートに近い感じがする。コンセプト自体が『ホモ』で、それに則してネタを作っている感じです。だから、大げさに言えば、男同志の場合は全部がホモコントと言っても過言ではない。

水町氏とビシバは違うよね。他の設定のコントも沢山あるし。旧ビシバの場合は、男性同士のコンビだったから、それでホモコントになった・・という理由が大きいと思うんだ。
水町氏の場合「だって、それが面白いと思ったんだもん。」で作ってるような気がする。なので「面白いと思うモノ（コト）が私と似ている」になる。

私、水町氏のホモコントなら、ずっと見ていられると思う。是非、いつか『ホモコントネタ祭』をやって頂きたい・・・って、「コレ、アンケートに書けば良かったじゃ〜ん」って今思った。
でも、どれだけ、水町氏のホモコントが好きかは、あのアンケートで分かって貰えたと思う（もしくは、熱すぎて引かれたかどっちかだ！）。

それにしても。水町氏の妙〜な色っぽさは何だろう。本当に色気がある男性である。普通にしていれば、綺麗に整った顔をしている青年なのにね・・って、あまり普通のところは見たコトがありませんが。

こういうおかしな芸人（誉めてます）がいるから、私はお笑いフリークを辞められないんだ。

※以下、『水町タカオの公開ネタ見せ』の感想を書きます。ネタばれがお嫌な方は読まれない方が宜しいかと存じます。

それでは、ネタばれＯＫの方のみ、いらっしゃいまし〜。

水町タカオの公開ネタ見せ
開場：劇場バイタス

※以下、お品書きです。
・ＯＰ注意（としか言いようがない）
・公開ネタ見せ（プレーリードック漫談、うつぼ漫談、幽霊漫談）
ネタ見せ後、水町氏の謎のフォロートークがあります。
・泣きの１本（アレ、コレコント）
・ＳＨＯＷ ＭＥ
・三友物産
・ＥＤ
・アンコール（嘘つき村）

・ＯＰ注意（としか言いようがない）
水町氏登場。「これから、ネタを３本見せます。そして、このネタが続行かどうかを皆さんに判断してもらいます。今、嘘つき村って言うネタをやっていますが、もう、何をやったらＴＶに出られるのか分からなくなっちゃったんで。お客さんの過半数越えたら続行という形で。越えなかったら、もう一生やりません！！ええと、１、２、３・・・18、19・・19人。すぐ数えられちゃうところが悲しいですが。19人の過半数って・・あれ？いくつだ？（客席に）いくつですか？（お客さん「９」）９ですね・・・。・・・ここはもっとスムーズに行くはずだったんですケドね・・・。あ、もう１人来ましたね。ハードルが上がりましたね。10人になりました。10人で過半数です。皆さん、作家さんや、ＴＶのディレクターになった気持ちで見て下さいね。お願いしますね。こっちは真剣なんだから、笑うなっ！笑うなっ！」

・公開ネタ見せ（プレーリードック漫談、うつぼ漫談、幽霊漫談）
☆プレーリードック漫談
舞台中央に、ダンボールの箱。『プレーリードックの巣』と書いてある。巣穴から、プレーリードックの恰好をした水町氏登場（フード付きのフリースで作ってあるが、耳がちゃんとある）。かなり勢い良く出てきて「吃驚した〜。吃驚したぁ〜。吃驚させないでよ・・・こっちは、ビビリなんだからさぁ〜。何〜、天敵の狼かと思ったら、ＯＬが飼ってるフェレットだったよ〜。もう〜吃驚した〜。」基本はこの形。とにかく諸々に吃驚する。

「吃驚した〜。この間、ＴＶのネタ見せに行ったらさ〜、凄く怒られて・・吃驚した〜。『子供からお年寄りまで見る番組だから、そんな卑猥なネタ出来ません』て凄く怒られて・・・吃驚した〜。今でも、ファミレスなんかで赤いカーペット見るとドキィッってするね〜。」

（舞台袖から、椅子を倒す派手な音）「吃驚した〜」(コレは私も吃驚した）

ネタが終わり、客判定。の前に。水町氏「ね、今流行のプレーリードックでね。可愛いネタで。プレーリードックは常に吃驚してますから、吃驚するネタでね。では、お願いします！」
ドラムロール

結果！０票。
悲しい曲が流れる。ブルーの照明の中、跪く水町氏「あの〜。11対９とか、そういう時のリアクションは、リハーサルの時に色々練習したんですよ・・・。でも、０票は想定外だったぁ〜・・・。・・分かってます。僕のファンは、可愛さとか求めてませんものね。もっと過激なのが見たいんでしょ？分かってます。次！」

☆うつぼ漫談
前述のダンボール箱が、横になり、舞台下手ピッタリに置かれている。ダンボールには『うつぼの巣』と書いてある。
水町氏、手がない青い全身タイツに身を包み、巣穴から出てくる。
「何だ！鳩山由紀夫は！！９億も金貰って！」で、引っ込むのだが、何分、うつぼなので、手がないので、引っ込むのに一苦労する。とにかく引っ込む度、ジタバタジタバタするのだ。汗びっしょりだは、疲れちゃうは、全身タイツを止めてた安全ピンは取れちゃうは。仕舞には（舞台袖に向かって）「お茶、お茶持って来て！」

ネタは他に「海老蔵！米倉涼子に、小林に、何だ！」や「さっきのプレーリードックのネタ、もっと笑え！！」などがあった。基本、ぼんやりした内容の怒り方。

ネタ後。「僕、『誰に似てる？』って訊いたら、うつぼに似てるって言われたんで、うつぼだったらやっぱり怒ってるイメージありますよね？なので、怒ってるネタをね。時事ネタとか使って。コレは面白かったでしょ？あと・・あの・・ファスナーを上げようとしたんですが・・・ファスナーが壊れて上がらなくなっちゃって・・・。」（どおりで、全身タイツが中途半端な着方だったワケだ）　「では、お願いします！」

ドラムロール
結果、０票！
悲しい曲。跪く水町氏「あの？皆さん、僕のファンですよね？おかしいな。今日、僕しか出てこないはずなんですが・・・岩田！笑うなっ！（サブで岩田氏が笑ってたらしい）まぁ、あと1本ありますからね。次はちょっと準備に時間がかかっちゃうかも知れないんですが。誰もやったコトのないような斬新なコトをやろうかと思って。・・・次！」

☆幽霊漫談
（時間はかからず、すぐ始まる）
舞台中央に、スタンドマイク。ピンスポが当たる。
影マイクで、水町氏の声。「どうも〜幽霊で〜す。僕のコト見えてる人いますか？なんてねっ！！まぁ、幽霊やらしてもらってるんですケド。皆どうしたんですか？青い顔して。幽霊でも見たみたいに。って、僕がそうなんですケドね。」（こんな感じの漫談）

ネタ終了後。水町氏登場。恰好はうつぼのまま。
「コレかぁ〜。こういうネタねぇ〜。恰好、うつぼのままで申し訳ないんですが・・・。僕、結構遠くでやってたんで、客席の反応分からなかったんですケド、コレは面白かったでしょ？このまま僕がブレイクした時のコトを考えて下さい。僕、ブレイクしても、ＴＶに出ないんですよ？ダウンタウンＤＸとか、椅子が1個ポツーンと空いてるの。僕、いるのにいないみたいな。では、お願いします！（頭を下げる）」

ドラムロール
結果、０票！

水町氏、面倒くさそうに「はいはい。分かってますよ。」と雑に跪く。「あの、コレ、皆、ここまでが一連の長いコントだと思ってません？こういうコントだと思ってませんか？」
水町氏立ち上がり、「あぁ、皆さん、どのタイミングで手を上げれば良いのか分からないのかな？僕が『お願いします』って言ったら、手を上げて下さい。じゃあ、お願いします！・・・まだ見ない、まだ見ない・・はいっ！」

結果、０票。

悲しい曲。「あのね。このネタ、４日前に作ったんです。でも、コレじゃ面白くないって、３日前にもう1度作り直して、で、もっと面白くなるはずだって、もう1度作り直して、昨日やっと出来たんですよ。ね、では、もう1度、判定をお願いします！（頭を下げる）・・・まだ見ない・・まだ、見ない・・よしっ！」

結果、０票。

「あの〜。泣きのもう1回やらせて頂いて良いでしょうか？もう1本ネタを。ね、1回皆で深呼吸しましょうか。」
私、素直に深呼吸するも、私に向い「ホントにするの？ホントに疲れてたみたいでね・・・」
（この前にも、前述通り、「笑うな！」と言われ、「笑ってないじゃないか！」と言われ、散々イジられている）

・泣きの１本（アレ、コレコント）
サラリーマンの男。「もう、コレ（小指を出す）がコレ（鬼のツノ）でね。で、部長（何かマイムをする）が、コレ（女性のフォルムを形作る）とコレ（凄く緻密にゴルフのマイムをする）に行くって言って。俺コレ役（車を運転する仕草）でね。やらないと（思いっきりボールを投げる仕草）飛ばされるからサぁ。（ミッキーマウスのマイム）千葉に行くんだよ。え？（アクション俳優のマイム）その千葉じゃないよ。（電話がかかってくる）あ、どうも。はい。はい。（電話を切り）課長（出っ歯）から。課長（出っ歯）も来るって言ってるよ。どうしよう。コレ（女のフォルム）と部長と課長（出っ歯）が一緒に・・・」

凄く伝わりづらいと思うが、ようは、マイムと仕草がやたら入ってるコントです。

ネタ終了。「ね。どうですか？殆ど台詞がないって言う、斬新なコントでね。コレは良かったでしょ？判定、お願いします！」

結果、０票。

「皆、僕のコト嫌いですか？あの・・・。何か・・・殺伐とした空気になっちゃって・・・。もっとアットホームな感じになると思ったんですケド。マズイところ来ちゃったって思ってませんか？1番思ってるの僕ですからね。・・・結果、３戦４敗って言う結果でしたケド・・・。でも、何か一体感があったようなね。皆で舞台を作った！みたいでね。良かったかなと。・・・良くはないんですが・・・（微苦笑）。」

まさかの、３戦して４敗という、数の合わないミラクルを起こす。（泣きの1回があったからね）

「あの。折角なんで。僕、前まで、1人コントって言うか、1人芝居みたいなネタをやってたんですね。で、今、ネタって、３分とか５分とか、短い時間しか出来ないじゃないですか。なんで、折角なんで、長いの見てもらおうかなって思って。1本は、音響とか照明とか面倒で、まだ1回も、成功したコトのないネタをやります。チャンレンジでね。もう1本は、長いヴァージョン。カットなしの完全版をやろうと思います。」

・ＳＨＯＷ ＭＥ
バーの店内。スーツ姿の男が電話をかけている。深刻な話のようだ。
「え？タカシと別れる？何で？タカシはオマエのコト好きなんだよ？何で、ちょっと、オイ、トオル！」電話を一方的に切られてしまったようだ。
男はトオルの元へ行こうと、席を立とうとしたその時、バーの扉が開く。「タカシ・・・。」　立ち上がりタカシの元へ行く男。「トオルがオマエと別れるって・・。今、電話が。一体どうしたって言うんだよ！」と詰問したその瞬間、イキナリ、男はタカシに抱きすくめられ、キスをされる。「何だよ！タカシ・・あの夜のコトは1夜の過ちってコトにしようって言ったじゃないか・・・。何で・・・。」と、その時、再び扉が開き、トオル登場！
「違うんだ！トオル、聞いてくれ。タカシはオマエのコトが好きなんだよ・・・」と言い訳をしようとした瞬間、男、再びタカシに抱きすくめられキスされる。「おい！タカシ、何で・・・え？俺のコトが好き？・・え！？」と、再び扉が開き、男「シゲル！」（『ＳＨＯＷ ＭＥ』がかかる）ナレーション「次回予告」　男「シゲルが留学！？」（次回予告風なカットバックの演技が入る）
ナレーション「その時、シゲルは？『男1000人ホモ物語』次回、ご期待下さい。」

もう、大好きです。だって、続き見てえもん。シゲルはトオルの留学に何か関わってるのかな？とか。
当たり前ですが、水町氏は1人で演技してるのですが、もう、抱きすくめられてキスされたのがちゃんと分かる演技をする。この無駄に高い演技力！（爆笑）何だ、この人。

因みに。『男1000人ホモ物語』って言うからには、ホモが1000人出てくる話だと思うんですよ。名前全部覚えられるかなって思った。あと、三角関係ならぬ、999角関係とかになるんでしょうね。(元が、『男女7人秋物語』なので）

・三友物産
舞台中央にテーブル。ビジネスマンの男。男「我が社は、三友物産との12億の契約を正式に決めた。先ほど、上司に呼ばれ、この仕事にあたる人選の選任を私が任された。そして、オマエら２人を選出したワケだが。分かるな。12億。我が社にとって、重要任務だ！契約に際して、三友物産の会長からは、1つの条件を出された。それは・・・会長と肉体関係を持つコトだ。」（間）「そう、セックスだ！」（若干激昂した様子で）「会長は男が好きだそうだ。専門用語で、男役をタチ、女役をネコと言うが、何でも会長は、ネコ1人、タチ３人で、ベットの上で大騒ぎされるのが、お好きだそうだ。(２人をねめつけるように）オマエらの役割は分かっているな？選択肢は１つだ。そう『イエス』しかない。それしか我々に選択権はない。（悔しそうな、悲しそうな複雑な表情で。声は若干涙声。）いいか・・ホるのは辛いぞ〜。でもな、ホラれるのはもっと辛い！・・・でも、会社の為だ。・・・これから、ホラれる奴を発表する。・・・（深い表情で）ホラれるのは・・・私だ！」（『ジュピター』日本語ヴァージョンが流れる）(私、大爆笑）
テーブルの向こう側にいる部下の涙を拭い、「・・・バカだな。泣く奴があるか！コレは俺が決めたコトだ・・・。俺が選んだコトだ・・・。」

暗転。「俺だけ、チェンジー！？」

この上手さよ。私、最後「ホラれるのは・・・私だ！」のジュピターの下りで、ちょっと不覚にも感動しそうになっちまったじゃねえか！

涙を拭うシーンとか、ホントに無駄に細かくて笑います。
あと、「大騒ぎするのがお好きだそうだ！」の時は、呆れた感じで手を振り上げる。妙に細かい。
ちゃんと演技をしてしまうのは、この人の生理なんでしょうかね。そうしないとイヤなんじゃないかなと思う。

・ＥＤ
「で、見てもらいましたケドね。結果は、ああでしたが。アンケート書いて下さいね。『プレイリードック又見たい』とかね。あと、毎月トーク・・トークってほどのモノじゃないですね。喋ってますんで、良かったら来て下さい。あと、僕には何故か弟子がいるんですが・・・。弟子ってほどじゃないですが。その弟子が僕のブログを始めました。って言うか、やらされてるんですが・・・。それを見てください。本日は、有難うございました。」

・アンコール（嘘つき村）
舞台袖から。「アンコール！アンコール！」（手拍子）
お客、何かを察し（笑）一緒に手拍子で「アンコール！アンコール！」

水町氏再び登場。嘘つき村の衣装（原始人みたいな衣装）を着ている。
「まさかね。お笑いライブでアンコールが起こるとはね。もう、何も用意してなかったですからね。慌てて、スタッフに三越に行ってもらって似た衣装があるかなって思って探して来てもらったんですが、あるモンですね。ちょっと寸足らずですケドね。」（♪嘘〜つき〜、嘘〜つき〜（工藤静香の『黄砂に吹かれて』）
客席に「ワー！」

「あのね。マー坊。あ、福山雅治と僕、仲良しなんですケドね。昔からの友達はマー坊って呼ぶんですケドね、この間マー坊から、広末涼子ちゃんを紹介されまして。何でも、僕のファンだそうで。ネットで見たのかな？ネットにしか出てないから。（私、爆笑）で、電話番号教えてもらいまして。だから、広末さんの電話番号知りたい方は、僕に言えば、教えてあげますからね。」（♪嘘つき〜、嘘つき〜）
客席に「ワー！」

で、終わりです。暗転した時マイクで「本当に終わりです。」って言っていた（笑）。

私、こんなに恰好良く「ホラれるのは・・・私だ！」という台詞を言える人を他に知りません。
でも思うのは・・・。水町さんは、どうやったらＴＶに出られるのだろうって言う・・・(^_^;)。
いや、ネタ面白いケドさ・・・。舞台向き・・よね？？