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2010年01月05日23:05

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「ミルク」

「ミルク」(2008年)

アメリカでゲイの市民権確立に尽力した政治家、ハーヴィー・ミルクの伝記映画。初めて自分がゲイであることをオープンにした上で公職に就いた政治家。彼が40歳の誕生日に出会った恋人と一緒にサン・フランシスコに移住してカストロ通りにカメラ店を開いてから、市の委員に選出されてその政敵に市長と一緒に暗殺された時までを、主に市民権運動を柱に描いてショーン・ペンが熱演。

アート作品ではないし私がとやかく言うよりもご覧になって頂く方がいいと思う。政敵の射殺というのは尋常な神経では理解しがたいけれど、実際ミルクは暗殺を恐れ続けて万一の時のために自分が関わったゲイ市民権運動史をテープに録音しておいたところが生々しい。70年代後半の政治的状況も感じとれるという意味でも興味深かった(この後、ジョン・レノンやレーガン大統領など著名人が撃たれる事件が相次いでいる)。1984年に製作されたドキュメンタリーの方も観るべきだと思った。

ハイライトはゲイの教師を公職から追放すべしとする運動に対する反対運動だと思うが、他にもクアーズをボイコットするキャンペーンとか何度も市の委員に立候補したが落選してしまうところなど。落選してもだんだん勢いづいていく辺りをうまく描いていると思う。主要人物は今も活躍している人が多い。個人的にはレズビアン女性をマネージャーに入れる所でもうちょっとその女性のことを描いて欲しいと思ってしまったが、プライバシーをあまり出したくないという面もあったかもしれない。あと、キリスト教に対する誤解を招きかねないシーンもあったのはちょっと残念。アメリカ人ならわかると思うがクリスチャンにもリベラルな人は居るし、保守的なキャンペーンを張るのは限られたグループ。ミルクが共和党から出馬したというのも興味深い話でアメリカ政治に詳しくない人には背景をもうちょっと説明した方がいいのではと思った(元来共和党の方が保守層)。


予告編


 
ドキュメンタリーの予告編


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