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2006年05月05日17:35

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山本タカト個展〜月逍遊戯〜&耽美馬鹿の思ひ出。

3日に、挿絵画家、山本タカト氏の個展、〜月逍遊戯〜に行きました。

場所は、柳橋にある、ルーサイト・ギャラリー。
民家を改造して(というか、そのままと言うか(^_^;))、ギャラリーにした感じです。
以前も、ガロのイラスト展や、代官山で、同じような民家タイプのギャラリーに行きましたが、楽しいモノですね。

今回の個展は、山本氏が“アンドロギュヌスの柩”という画集を出したので、その記念に行なわれたようです。
3日は、サイン会もありました。7日にもあるようです(詳しくは、山本タカトコミュを見て下さい。私の頁のコミュ欄にあるので、そこから飛べます)。

私は、山本氏の絵はカラーも好きなのですが、モノクロ&下絵がお気に入りなのです。以前、スパンアートでやった時は、下絵展示がなかったので(スペースの関係もあるだろう)、「今回はあると良いなぁ〜」と思って行ったのですが、結構あって、嬉しかったです。

このギャラリー、地下室があるのですが、ここが凄く居心地が良く、暫く篭っていたのですが(笑)、ここにあった、小さな“首占い”というイラスト下絵がお気に入りです。
花に囲まれた少女(だと思う)の首。綺麗。

他にも。球体関節人形がある書斎(なのかな?)の机の上に置かれた“地縛”というタイトルのイラスト下絵。着物の女性が座っていて、何モノかに囚われている絵。美しいです。

他、サロメのイラスト下絵や、“幽けきもの”というタイトルの少女の下絵も美しかったです。
洋服の模様とかね、凄く細かくて綺麗なのですよ。
イラストというより、蒔絵や彫金を思い出したりします。

私もそうなのですが、着物の柄や、文様をチマチマ描くのは、目は痛くなりますが、脳内からエンドルフィンが出るからか、気持ちよくなるんですよね。

カラーは、新感線の舞台“SHIROH”の原画があり、本物が見られて嬉しかったです。
吸血鬼モチーフのイラストも綺麗だったなぁ〜。
あと、サロメもありました。綺麗〜!!欲しかったケド、既に売れていた(と思う)。

今回、“夜想”の耽美特集に、山本氏も描かれており、この関係の展示会でもあったようですね。

余談。
山本氏の個展は、第一回目の“平成耽美館”から行っているのですが、この経緯が未だに私の中で不思議な出来事になっています。

ある日、地元の本屋に行ったら“山本タカト祭”を開催していたのです。
厳密に言うと、“挿絵画家特集”だったようなんですが、丸尾末広氏や、佐伯俊男氏などの画集やら、彼らが装画を担当した本やら、ガロの挿絵画家特集(丸尾氏の対談とか載ってるやつね)とか、ズラズラ置いてあったのです。
で、その中でも1番あったのが、山本タカト氏関係。ド真ん中が第1画集(山本氏初の画集)の“緋色のマニエラ”だったのです。

私は、こんな人間です故、山本タカト氏の名前も存じており、いかような絵を描くのかも知っていたので「あぁ〜、画集なんかあったのかぁ〜。」と思い(後に知ったのだが、出たばかりだった)、購入したら、奥付に“平成耽美館”という個展をやってる・・・と書いてあったので、何故か、画集を持ったまま、私はその個展に行ったのでした。(銀座のギャラリーだった)
そしたら、山本氏がたまたまいらっしゃっり、普段引っ込み思案なのに、何故かその時はサインを貰おうと、話しかけたのでした。

山本氏に「何処で本を買われたのですか?」と訊かれました。
会場内で売っていたモノには、既にサインが入っていたらしいので、「何処で買ったのだろう?」と思われたのでしょうね。
で、前述の経緯を話しました。
「そういえば、書いてありましたね。」と山本氏は答えておりました(笑)。
私は山本氏の描く美少女が好きなのですが、山本氏は男の子を描く方が好きらしく「美少年だけ描きたいのですが・・・」と言っていたのが印象に残っています。

そして、もともと人との会話が苦手な私は、大失礼なコトを山本氏に訊きました。
「美少年だけ描いていて、ご飯が食べられるモノでしょうか?」
失礼〜!!大失礼〜!!(^_^;)
「儲かりますか?」って訊いちゃったよこの人!
なのですが、山本氏は「いえ。食べられませんね。だから最近は少女も描くようになりました。」とちゃんと回答してくれました。

その節は、有難うございます。そして本当に失礼しました。

で、その時思ったこと「そうか・・・。少女は糊口を凌ぐ為に描いてるのか・・・。でも綺麗だから良いか・・・。」(^_^;)

山本氏に油性マジックを渡してサインしてもらおうとすると「こっちの方がにじまないので・・・。」と言って、ピグマでサインをして下さいました。この拘り、イラストレーターならではですよね(笑)。だって、通常は、この紙質だと、このペンだとにじむ・・とか思わないでしょう?

この展示会で見た、女性向け美少年雑誌“イマージュ”(白夜書房)の小説の挿絵“渡辺綱の鬼退治”の下絵が未だに記憶から消えません。
本当に白眉で。

しかし・・・今思うに、あの本屋、きっと、私のような耽美馬鹿がいたんでしょうね(笑)。しかも企画展示出来るというコトは、結構トップの地位にある人に。
会ってみたかったな、地元の耽美馬鹿に。
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