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2009年07月31日16:28

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手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』

色々とあり、本日仕事を休む羽目になってしまった。そこで、途中まで読んでいたこの小説を一気に読み上げた。第四章の途中からクライマックスまで。

非常に面白い小説。背筋がぞくぞくするような、「恐ぇ〜」と寒気を感じるような、現実の外交の駆け引きの世界が垣間見えるような、なんとも興味深い小説だ。

解説は佐藤優。

実は手嶋龍一と佐藤優の共著『インテリジェンス 武器なき戦争』を知人から借りている。そのあまりの面白さに「もう一回読みたいからまだ貸しておいて」とお願いしている。

292ページ
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 外交とはつまるところ公電を書き綴っていくわざなのだ。たしかに事態が動いているときには、外務大臣にも、直属の上司にすら見せない覚書はある。だが、そんなときでも、プロの外交官なら、交渉の記録だけは手元に必ず残しておく。それは、外交を委ねられた者に課せられた責務である。三十年の後、それらの外交文書は機密の封印が解かれて、外交史家の手に委ねられ、歴史の裁きを受けることになる。これは外交官という職業を選んだ者が受けなければならない最後の審判なのだ。
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この辺りが、著者がこの小説を介して一番言いたい事なのではないだろうか?

佐藤氏も解説でこの辺り(293〜294ページ)を引用し、次のように述べている。

445ページ
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日朝国交正常化交渉に関して、本当に重要な情報が記録に残っていないならば、それは歴史に対する犯罪だ。手嶋氏は、恐らく、良心を失っていない外務省幹部からの情報を基に、外務官僚に対して、「外交には秘密がある。現時点では嘘をついても仕方がない。しかし、歴史に対しては謙虚に、真実を公文書に残すのが外交官としての責任だ」と警告を発しているのであろう。
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日朝国交正常化交渉に関しては、『インテリジェンス 武器なき戦争』でも触れられている。さて、また読もうかな、『インテリジェンス 武器なき戦争』を。

それにしても結末が良く判らない。スティーブンと麻子の生死はどうなんだ?はっきりしない。俺には今のところ判別できない。



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