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2009年07月10日11:14

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クラウドコンピューティング時代がもたらす新しい著作権管理

論文みたいなタイトルだが、ま、GooglCromeOSの話題でちょっと思いついただけなのだが。


クラウド時代の新たなOSバトル幕開け
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=892818&media_id=34



クラウドコンピューティングとは、ネット上にグローバルに拡散したコンピューティングリソースを使って、ユーザーに情報サービスやアプリケーションサービスを提供すること
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
元の概念では、P2Pのようにクライアント側のコンピューターもリソースとして利用する考えもあったかもしれないが、現実にはクライアント側は最低限の性能のコンピューターで、データセンター側がSaaSとして強大なシステムを構築する非対称の関係になっていくと予想される。

それが突き進めば、世界中のデータは少数のデータ管理業者、言わばビッグブラザーが一括管理することになる。

そうなると著作物の利用も登録もすべて管理できるようになるだろう。
とすれば、そこで課金配当をすることで、知財の管理はほぼ完全にできるようになるのではないだろうか。


現実に即して想像するに、まず社会に書籍がほとんどなくなり、情報はすべてネットから入手するようになり、新たな情報もネットで発信されるような世界になる。テレビやラジオ、映画ももちろんネット配信だ。
書籍もいくらか残るだろうがそれは微々たるもので、経済活動に影響を与えるものと勘案されなくなるだろう。(現在の私家愛蔵本みたいなものだけになり、情報獲得のツールではなくなる)

とにかくネットにつながらなければ、知的活動が経済活動に連動することがない社会になる。
ユビキタス環境にクラウドコンピューティングが浸透すれば、ほぼそういう社会になるだろう。

ビッグブラザー(データセンター)はユーザー(クライアント)がネットにつながり、データやアプリを利用するに従い課金するわけだが、その料金は巨大な利用者数に均されて、ほぼ従量制になっていくのではないだろうか。
例えれば電力会社の電気利用料が、発電所から遠く離れて送電線などのインフラを多く利用している人も、発電所のそばで使っている人も同じ料金というふうに。

パソコンで最新のヒット曲を聴いても、単純な文書ソフトで何かを書いていても料金は一緒。数十円/1時間といった具合。
利用者としては、著作物に料金を払っているという意識は限りなく薄れていくだろう。


一方で自分が作った著作物も当然ビッグブラザーに保管される。それは一定の閲覧制限がユーザーによって加えられて「公開」される。当人以外の認証では利用できなかったり、会社コードでその会社内だけつながったり、全世界に公開されたり。
著作権法に従い、それら著作物が他者に利用されるとわずかずつ配当が得られる。
ほとんどは自分のコンピューター利用料に相殺されてしまうだろうが、(ちょうど自家発電装置による売電みたいに)閲覧数が多くなれば使用料が収入となる。

会社内で部下が表計算ソフトで作った書類を上司が見たら、その上司はほんのわずかだがその書類の使用料を部下に払っていることになる。まぁ、会社の場合は経費として計上し表には出ないだろうが、考査対象に組み込むことにはなるだろう。

配当は、直接参照だけでなく間接参照も査定される。自分の作った著作物が直接利用されなくても、それを元にした別の著作物が多大な利益を上げていれば、一定の割合でそれがフィードバックされる。


ミュージシャンはレコードを販売することなく音楽を売ることができる。
著述家は本を出版することなく文章を売ることができる。
というか、コンピューターを使い「保存」をクリックするということがすなわち発表なのだ。

コピー販売の意味がないのだから現在のような違法コピー問題はなくなる。

代わりにヴァリエーション問題が持ち上がるだろう。
ちょっとだけ変えたものが果てしなく増殖していくというような。

しかしそれもデータベース機能のシソーラス管理でどうにかできるだろう。いくつもの「正規化」を経ることでオリジナル部分は抽出できる。

音楽や画像のシソーラス管理はAIの発展を待たなければならないが、それもそう遠い未来の話ではないだろう。

このシソーラス管理はパブリックドメインとも連動するので、著作物の本当の価値が算定されるようになり、現在のような権利の囲い込みもなくなる。(たとえばPDをそっくり参照して新たな著作物を作っておきながら、それを銘記せずオリジナルのふりをして原本のPDの権利までも掠め取るようなこと)
さらに、何をもって著作物とするかという問題もなくなる。すべてのデータが著作物となるからだ。


システムの裏をかこうとする輩はいつの時代にも出てくるから、完璧な管理はできないとしても、今のどんぶり勘定の知財管理よりずいぶんましになるのではないだろうか。


とはいえやはり、『すばらしい新世界』や『1984年』のディストピアの怖さは内包するのだが・・・。


わたしたちはGoogle Waveの奴隷になるのか
http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0906/29/news010.html


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 GoogleがついにOS市場に乗り込む。「ほとんどの時間をWebで過ごす人向け」の軽量オープンソースOS「Google Chrome OS」を今年内に公開する。


 GoogleがChrome OSを投入するのは、Webベースでの利用を中心としたネットブックがクラウドコンピューティング時代のクライアントとして主流になると見ているからだ。同社のWebブラウザ「Chrome」の利用に特化した軽量OSをコンセプトとしているのはそのためだ。

 最大の狙いは、現在クライアントOSで圧倒的なシェアを占めているMicrosoftのWindows OSの牙城を切り崩すことにほかならない。折しも、MicrosoftもここにきてOSの軽量化を図り、今秋に投入する「Windows 7」でWindows市場の維持・拡大に全力を挙げる構えだ。まさにクラウド時代に向けた新たなOSバトルが始まろうとしている。

 GoogleはChrome OSのコードを2009年にオープンソースとして公開し、来年後半には同OSを搭載したネットブックがOEMパートナーから発売される予定だという。今秋からはWindows 7の登場と相まって、比較論議が一層ヒートアップするだろう。状況によっては、GoogleがChrome OSの開発を早めることもありえそうだ。

 それにしても、なぜこのタイミングでの発表なのか。GoogleがChromeを生かすOSを開発しているとのうわさは以前からあった。内部でその設計にめどが立ったタイミングなのかもしれないが、折しも来週13日から4日間、Microsoftが米国でパートナー向けカンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)」を開催する。そこでMicrosoftがクラウド環境「Windows Azure」の詳細を発表する予定だ。

 Googleはむしろ、このタイミングを図っていたのではないかとも受け取れる。このOSバトルは、IT市場がいま迎えている大がかりなパラダイムシフトの縮図ともいえる。そこから生まれてくる利便性を、世界景気浮上の弾みにしたいところだ。
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