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2009年06月17日17:14

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二期会Week in サントリーホール 愉しみの刻 2009 第2 やっぱり大好き!!ドイツ・ロマン派の旅〜ワーグナーの歌姫たちによるドイツへの誘い〜

『二期会Week in サントリーホール 愉しみの刻 2009 第2 やっぱり大好き!!ドイツ・ロマン派の旅〜ワーグナーの歌姫たちによるドイツへの誘い〜』へ行きました。しかし、このコンサートえらくタイトル長えなっ!

以前も書いたと思うのですが、母の友人の娘さんがオペラ歌手なのです。で、今回このコンサートに出るので、行って来ました。舞台上手近くの前から5列目だったのですが、サントリーホールの小ホールって、客席フラットなのね。なので、なまじっかセンターで見るより見やすかったと思います。フラットの客席だと、どうしても、相手の頭が邪魔になるコトがあるので。でも、コンサートだから、歌が聴ければ良いのかも・・・なのだケド。

「やっぱりか・・・」と思われるかも知れませんし、自分でも「やっぱりな・・・」と思うのですが、私はワーグナーが好きです。でも、ワーグナーって、どうやら日本じゃあまり人気がないらしい(^_^;)。
因みに、私、ワーグナーっつうと、イッちゃったナルシストに好かれる音楽家・・・というイメージがあります。19世紀にバリバリ中世風の城なんか建てちゃって、そんなコトしてるうちに、国滅んじゃった美貌のホモの王様ルードヴィッヒ2世にしろ、何か自分の思い込みでつっぱしっちゃって、気が付いたら、ユダヤ人大虐殺してた、ヒットラーにしろ、何か、電波系ナルシストって言う感じがするのです。そんな人達にも愛されたワーグナー。

今回は女性デュオなので、ソプラノ歌手と、メゾソプラノ歌手がいるのですが、そのお二人が言っていた言葉に納得です。「2人とも、ワーグナーの毒にやられてしまったのです。」
うん。そうなんだ。ワーグナーには甘く、美しい毒がある。
この甘美な毒故に、イッちゃったナルシー達にも好かれたんだと思う。
甘美な毒。あぁ、なんて耽美な・・・・・・。てなワケで、そんなワーグナーも沢山聴けました。

因みに。この二期会〜、週代わりで色々なコンサートをやる企画のようです。フランスの曲だったり、服部氏の曲を唄ったり、子供向けのコンサートをやったり。そのうちの1つだったみたい。

『二期会Week in サントリーホール 愉しみの刻 2009 第2 やっぱり大好き!!ドイツ・ロマン派の旅〜ワーグナーの歌姫たちによるドイツへの誘い〜』

出演:ソプラノ・・・田中三佐代、メゾソプラノ・・・大林智子、ピアノ・・・河原奈美

会場・サントリーホール 小ホール
小ホールと言っても、300人くらい入りそうなホールで、やはり私は「何処が小ホールじゃっ!」とツッコミを入れたくなります(^_^;)。

※以下、お品書きです。( )は唄った歌手。
ブラームス:
甲斐なきセレナーデ
懐郷
我がまどろみはいよいよ浅く
永遠の愛について
(大林智子)

R. シュトラウス:
万霊節
ばらのリボン
献呈
地上からの解放
ツェツィーリエ
(田中三佐代)

メンデルスゾーン:秋の声 (田中三佐代&大林智子)
リスト:愛の夢 (田中三佐代&大林智子)

〜休憩〜

ワーグナー:「ヴェーゼンドンク歌曲集」
天使 (田中三佐代)
止まれ! (大林智子)
温室で (田中三佐代)
苦悩 (大林智子)
夢 (田中三佐代)

ワーグナー:
『ラインの黄金』より エルダ“譲りなさい、ヴォータン!” (大林智子)
『ワルキューレ』よりジークリンデ“あなたこそ春” (田中三佐代)
『神々の黄昏』よりワルトラウテ“私の話を聞いてちょうだい!” (大林智子)
『トリスタンとイゾルテ』よりイゾルテ“愛の死” (田中三佐代)

アンコール。
メンデルスゾーン:愛の歌 (田中三佐代&大林智子)
ブラームス:子守唄 (田中三佐代&大林智子)

ピアノは全て河原奈美。

途中トークなども入って飽きさせないような構成になってました。

ワーグナーは女性2人のデュオが少ないので、ブラームスやシュトラウスなど、その周辺の音楽家も入れた・・とのコト。
あと、リストの愛の歌は、ピアノ曲が有名だが、本来は歌曲の方が先に作られたそうです。で、リストがアレンジしてピアノ曲にしたんだって。それを、今回、田中さん、大林さん、河原さんで編曲して、ソプラノ+メゾのデュオにしたそうな。

あと、ワーグナーは歌曲があまりなく、残ってるのは前述の『ヴェーゼンドングの歌曲集』くらいしかなくて、でも2人ともコレが唄いたかったので、分けて唄うコトにしたそうな(笑)。
ソプラノとメゾソプラノでパートが違うから、順番に唄うと、ちょっとキーが違うのだが、何か、それが面白かった。

で、前述のヴィーゼンドング〜なのだが、コレは、ワーグナーが、パトロン先の奥様と恋に堕ちてしまい、その際、奥様が作った愛の詩に、ワーグナーが曲を付けたモノらしい。・・・なんてロマンな・・・。
しかし・・・。パトロン先の奥さんとデキちゃうって、まぁ、ありがちな展開だよな!(笑)
思わず「ワーグナーわりとベタだな!」と心の中でツッコム私(笑)。
そりゃ、冷め切った仮面夫婦の間に若いミュージシャンが来たら、そうなるよなぁ〜(^_^;)。
「芸術家は女を口説く。女を口説かぬ芸術家は男を口説く。」と言ったのは、どこの誰だったか・・・。創作の根本にあるのはエロス力(りょく)だったりするのだろうね。

で、この「ヴェーゼンドング〜」の3曲目と5曲目が元になって、歌劇『トリスタンとイゾルテ』が出来たそうな。へぇ〜。

『トリスタンとイゾルテ』好きだから、歌が聴けて嬉しかったです。

因みに、歌詞対訳を貰ったのですが、まぁ、ドイツロマン派なので、大仰で甘ったるい歌詞の多いコト!

甲斐なきセレナーデ
(彼)
こんばんは、僕の大事な人
こんばんは、僕の可愛い人
きみに思いこがれ、僕はやって来た
あぁ、戸を開けておくれ!
戸を開けて僕を入れておくれ!

〜中略〜

(彼女)
あなたの愛が消えるのなら
勝手に消えてゆかせるのがいいわ
そんなものは消して、お帰りなさい、あなたのベッドへ
そして、おやすみなさい、かわいい坊や!

ええと・・・。コレはツンデレの彼女の歌かなっ。

ばらのリボン

春の木陰に私は彼女を見つけた
私は彼女にばらのリボンを結んだ
彼女は気付かずにまどろんでいた

(中略)

彼女は私をみつめた その眼差しを通じて
彼女のいのちが私のいのちにつながった
そして私達のまわりに天国がひらけた

あま〜い!シュトラウスさん、甘いよ、甘すぎるよ!(スピワ・井戸田氏風に)

こんな感じです。
ロマン派、凄いね。情熱だね。

でも、『ヴェーゼンドング〜』はちゃんと恋の苦悩を描いたりしていて(実際、パトロンの奥さんと若手ミュージシャンの許されざる恋だしな)

死は常に生だけを生み
苦悩は常に歓喜だけを与えるというのに
おお、私はどんなに感謝することでしょう
そんな苦悩を自然が私に与えてくれたことに!

という歌詞が好きだったりする。

勿論、ドイツ語で唄っているので、言葉はチンプンカンプンなのですが、訳詩があって助かった・・・と思ったら。一緒に行った母は訳詩の存在に気付かず、「歌詞が分からなかった。」と言っていた・・・(-_-;)。折角訳詩作ってくれたのに・・・・・・。

甘美な毒のあるワーグナー。やっぱり私は好きでした。
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