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2009年05月03日18:51

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甲州街道はもう秋なのさ

信州にIターンして今年で10年になる。

生まれ育った東京暮らしに見切りをつけ、何の縁故も無い安曇野に移り住むことを決めた。
穂高に築数十年のボロ借家を見つけ、金が無かったので運送屋を頼まず自分で引越しをすることにした。

その同じ年父親も、実家の家業である鉄工所をたたむ事としたので、工場で使っていた2トントラックを貰い受け、それに家財を積み込んで何度も東京と信州を往復した。

連れ合いはまだ働いていたので、僕が一人昼間のうちに荷物を積み、夕方東京を出発、夜向こうに到着、一晩寝て翌日荷おろしして東京に戻るというパターンを繰り返した。
高速代も惜しんだので、下道20号で高速の2倍、片道5時間もかけて往復した。

9月末のことだった。

トラックにはAMラジオしか付いてなく、東京圏から外れると聞けなくなるので、バッタ屋で買ったラジカセを積み込んで、それを聞きながら運転した。


実際の所、その時聞いたカセットの中にRCサクセションは無く、聞いたわけではないのだが、その時のことを思い返すたびにこの曲を思い出す。

http://www.youtube.com/watch?v=W0ezZqL6Tns

20号、つまり甲州街道を走っていて、大垂水峠を越えるといきなり空気が変わった。
昼間炎天下に汗だくで荷物を積んでいたと思ったのに、山梨に入ると突如訪れる冷たい空気に肌寒さを感じ、その時この曲が思い浮かんだりもした。

深夜ラジオで何度か聞いたことしかなかったこの曲の、「甲州街道はもう秋なのさ」というところと「もう、まっぴらだ」「うそばっかり」のところだけは覚えていた。

なんとなく自分の気分を代弁しているような気になったのかもしれない。



思い起こしてみると、忌野清志郎の曲というのはいつも、アウトサイダーや負け犬に寄り添って、励ますでもなく憐れむでもなくプロテストするでもなく、ただ代弁しているように思う。
『スローバラード』にせよ『サラリーマン』にせよロック調の『雨あがりの夜空に』にせよ。

そういう意味では、彼はロックではなくフォークの人だったのかもしれない。


合掌。

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歌手の忌野清志郎さんが死去
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=826448&media_id=2

 「ベイベー!」や「愛し合ってるかーい!」などの決めぜりふ、奇抜な衣装と演出で知られるロック歌手、忌野清志郎(いまわの・きよしろう、本名・栗原清志=くりはら・きよし)さんが2日、がん性リンパ管症のため死去した。58歳だった。葬儀は9日午後1時、東京都港区南青山の青山葬儀所。喪主は妻の栗原景子(くりはら・けいこ)さん。

 東京生まれ。68年に中学校の同級生らと、忌野さんをリーダーとするバンド「RCサクセション」を結成、70年に「宝くじは買わない」でデビューした。72年には「ぼくの好きな先生」が、80年には「雨あがりの夜空に」が大ヒット。82年には坂本龍一さんと組んでリリースしたシングル「い・け・な・いルージュマジック」が社会現象を巻き起こし、日本の「ロックの神様」としてコンサートのほか、CMや映画などで活躍した。

 一方、「音楽は時代の刺激剤であるべきだ」との信念を持ち、政治的なメッセージを込めた歌も歌った。そのため、反原発を扱ったアルバム「COVERS」やパンクロック風にアレンジした「君が代」が入ったアルバム「冬の十字架」が一時、発売中止になったり、コンサートで突然「あこがれの北朝鮮」「君が代」を歌って、FM中継が中断したこともあった。

 06年7月に喉頭(こうとう)がんと診断され入院。治療を続けた後、08年2月に日本武道館で本格復帰した。しかし、同7月、左腸骨にがんが転移していたことが判明、再び活動を中止し放射線治療などを続けていた。

 ◇自分の道を貫いた

 ▽音楽評論家、田家秀樹さんの話 日本のロックバンドと日本語のロックの原形をつくった人だった。忌野さんがリーダーだったRCサクセションは、黒人音楽と日本語を初めて結びつけ、またビジュアル系の元祖でもあった。反原発の曲をつくるなど、ロックが反骨であると証明し続けた。妥協もこびることもなく、音楽一筋を貫き通したと言える。死は早すぎた。

 ◇聞く者に力与えた

 ▽音楽評論家、天辰保文さんの話 清志郎さんの根底には黒人音楽への敬意があり、それをエンターテインメントの形で日本に定着させた功績は大きい。権威への反逆も一貫していたが、それをユーモアにくるみ、さりげなく表現していた。実はシャイな人だったと思う。彼の音楽には「彼は常に信頼できる人であり、自分もしっかりしなければ」と、聞く者に思わせる力があった。

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