今日、大倉山の駅の近くを歩いていたら、空になったテナントに貼り紙がしてあって、そこがもとはケータイショップだったと知ったのでした。
それはまあ、ケータイショップなんてどこにでもあるわけですから、月にひとつやふたつはどこかで店じまいをしているのでしょうけれど、自分が実際に見たのはこれが初めてだったので感慨深いものがありました。
駅前の一等地につぎつぎと出店していたこうしたショップの中でも、私が最も印象深いのは地元広島随一の繁華街、本通りと中央通りの交差点にできた店です。というか、この店がどうこうというより、この店の前にあったのが創業400年ともいわれるとら屋というお菓子屋さんでした。
広島の旧市街というところは広島城築城以来、ずっと埋め立ててできたところですから、400年前ともなればこのお菓子屋さんは創業当時、ほぼ海岸沿いにあったのではないかと思います。市内でもっとも地価の高いところでもあったはずで、いくら繁盛していたといっても、お菓子を売って採算があうような土地とも思えないのですが、バブルを生き抜いた老舗にとどめを刺したのが(場所を変えて営業しているとは思いますが)ケータイショップだったことは感無量でした。
思えば、日吉の駅前にあったパン屋も綱島の駅前にあったお菓子屋も、ここ数年は立地のいい店が急に閉じてケータイショップになる例があまり多くて、なんだかそのたびに微妙な気持ちになっていたけれど、もうずっと前に峠は越していたのでしょう。
そういえば、6年ぐらい前に読んだ無料求人情報誌では、ケータイショップが時給1300円ぐらいで人を集めてましたけど、3年ぐらい前の時点ではすでに他の業種とほぼ並んでました。
でも、いまだにあれだけあるショップがどうやって儲けているのかさっぱりわかりません。携帯電話ってそんなに売れるものなのでしょうか。リベートでまわっている業界なんでしょうけど、それにしてもなあというところです。
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