殺人風呂

昨日今日とバタバタとした仕事で体は疲れ切っていた。
帰りの電車で座れたのでラッキーと思ってたら爆睡してしまい降りる駅を乗り越してしまった。
仕事終わりに飲んだビールのせいでもあるが。

「今日は早く寝よう」

家に帰った私は汗をシャワーで洗い流す。
その姿はAV女優のシャワーシーンのようにセクシーだ。
汚れた体に石鹸を塗りたくる。
手に力が入らず石鹸が手から抜け落ちた。

「やれやれ・・・」

抜け落ちた石鹸を拾おうと洗面台の下に身を屈める。
膝がゲラゲラ笑ってる。

「結構、膝にきてるな・・・歳も歳だし、もうちょっと自分の体を労わらなければ・・・」

ゴッ！

「おうっ！」

石鹸拾って身を起こそうとしたら洗面台に頭をぶつけた。

「つ〜・・・」

バスタブの縁に腰を下ろす。
体の石鹸洗い流す前だったので滑った。

つるガッ！

「ぐわっ！」

バスタブの縁からケツが滑り落ち、便器に背中を打ちつけた。
なんだ？この畳み込むような仕打ちは？？

「体を労わるって言ったばかりでしょっ！！」

自分自身に怒った。
ああ・・・疲れた。全身が痛い。
本当、もうやだ。
もう、生きてるのも辛い。