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2008年11月09日22:15

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今日は読書。Part013



 この前、久しぶりに神田へいってまいりました三省堂から羽賀書店まで一回り。他による所があってじっくり探せなかったけど、あいも変わらず欲しい本の半分も見つからなかった。とほほ。最近の大手の書店ではコンピューターによる検索システムが完備してるので書名を探すのはとても楽になった反面、肝心要の本体が絶版やらなにやらであいも変わらず出てこない、神田に来てまで「おあずけ犬」ですか!ってぼやいてもしょうがないので出てきた本をレビューします。お題は堀栄三「大本営参謀の情報戦記」。
 正直、これが出てくるとは思わなかった。なんと、文芸春秋から文庫で出ていたのには二度びっくり。著者、堀栄三氏は大東亜戦争時、帝国陸軍きってのアナリスト(情報分析官)と呼ばれた情報将校で元陸軍少佐。敗戦後、一時、田舎で百姓をしていたが自衛隊創設と共に呼び戻され、自衛隊の情報部隊の創設に参加したが遊撃戦(ゲリラ戦)に対する見解の違いから上司と衝突し統合幕僚会議第二室長(情報担当)を一等陸佐(陸軍大佐)で退官した人。
 まさに、現場の生き証人の手記だけあって、生々しい事実が沢山書いてあった。特に広島に原爆を落としたエノラ・ゲイ号を実は日本のシギント(通信諜報)部隊が補足しており、迎撃部隊を差し向けたが豊後水道上空で敵のおとり作戦にひかかって振り切られてしまったという話はおいらにはとてもショッキングな話だった。ほかにも、日米の各師団の火力が実は三倍近く差があったという話。米軍の飛び石作戦とは航空機の航続距離によって進攻場所が決定されており予測可能だったという話。海軍のでたらめ戦果(いわゆる「大本営発表」)が実は航空偵察の不足による重複確認が原因であり、戦争中期のブーゲンビル、ギルバート両航空海戦ですでにそのことはわかっていたはずだという話。大東亜戦争直前に陸軍大学の教官を中心にして空軍設立の計画が進んでいたが山本五十六の反対で潰れてしまったという話。007も真っ青な荒っぽい諜報作戦(当時の用語でいう「秘密戦」)の話もちょっとだけど出てくる。
 上記、エピソードもおもしろかったけど、おいら的にはこの本の最大の見所は112ページに出てくる一枚の地図。一目瞭然。太平洋戦争でいつどこでどういう戦いがあったのかが実によくわかった。米軍は二つのルートを通って日本に進攻してきており、主攻ルートはオーストラリア(シドニー)を基点にソロモン諸島→北部ニューギニア→ビアク島→モロタイ島→パラオ諸島→フィリピン諸島(レイテ島・ルソン島)→沖縄諸島→鹿児島(志布志湾)→東京の順。助攻ルートはハワイ(真珠湾)を基点にしてフェニックス諸島(カントン島)→ギルバート諸島(タワラ島・マキン島)→マーシャル諸島(クェゼリン島・エニウェトック島)→マリアナ諸島(グアム島・サイパン島)→火山列島(硫黄島)→千葉(九十九里浜)→東京の順。米軍は外房線使って東京に攻め込むつもりだったらしいから本土決戦になってたらおいらの実家なんか丸焼けだよ。とほほほほほほーーー、笑えねーーー。
 ちなみに少し私見を言わせてもらえれば。戦略的に考えれば、大東亜戦争は個々に独立した四つの戦争の同時進行であり(つまり、対ソ「満州戦争」、対中「日華事変」、対英「東インド戦争」、そして対米「太平洋戦争」四つ)、これだけでもべらぼーーーな大暴挙なのに、昭和の大本営はこれらを区別して優先順位さえ付けることができなかったことが敗戦の最大の原因だったってこと。明治の大本営が日清戦争と日露戦争とを同時にやろうとは決してやろうとはせずに三国干渉(日清戦争直後ロシアがドイツとフランスを誘って行った対日軍事恫喝。日露戦争の主たる原因)に対してさえさえ、忍耐と根性(臥薪嘗胆!)をもって対処したのとは大違い。ハルノート(日華事変中にアメリカが行った対日経済封鎖。)にぶち切れて日米開戦なんてのは言語道断だよ。なのに、この本にはこれについての直接的な批判がなかったことが不満だ。大本営中枢部(特に作戦課「奥の院」)に対する不信や疑問はたびたび表明されているのになぜこれに気づかないんだろうか?帝国陸軍きってのアナリスト(情報分析官)さえ気づかないってことは大正以後の日本社会のエリート達の精神構造と教育課程に構造的な欠陥があったことを現しているような気がするよ。ちなみにこれは今現在も進行形の問題なんだよね、エリートの皆さん頑張って頂戴よ、とほほ。


  おまけにみくしー検索かけてみました。


「大本営参謀の情報戦記」
日記 検索1件ひっと。
レビュー一覧 *** 2件 が該当しました。 割と出てきたな、しかも高得点、日記もヒット。・・・・。

タイトル 大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇
作成日時 2008年11月07日 23:27
カテゴリ 和書
満足度平均 4.66点(36人)

タイトル 大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇
作成日時 2006年03月18日 17:23
カテゴリ 和書
満足度平均 4.50点(2人)

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