イギリスの歴史家にRonald Fraser(ロナルド・フレイザー)という人がいます。スペイン内戦研究の第一人者である彼の著書に`In Hiding - The Life of Manuel Cortes´というのがあります。
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「壁に隠れて - 理髪師マヌエルとスペイン内乱」という邦題で訳本も出ています。
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「壁に隠れて」というタイトルに惹かれるこの書物の内容は、スペイン南部アンダルシア州ミハスの町長だった理髪師のManuel Cortés(マヌエル・コルテス)の実話で、すこぶる興味深いので紹介します。
1936年7月17日、スペイン共和国(当時。現在は王国)のManuel Azaña(マヌエル・アサーニャ)大統領を失脚させて軍事政権を誕生させようと、陸軍の将軍グループがクーデターを起こしました。
結果、アサーニャ大統領をトップとする共和国軍(政府側)とFrancisco Franco(フランシスコ・フランコ)率いる反乱軍(陸軍側)との間で内戦が勃発しました。
戦争は1939年4月1日まで続き、反乱軍が勝利しました。フランコは総督就任を宣言し、敗北した共和国軍に属していた人々を弾圧しました。
共和国側だったコルテスは、新しいフランコ独裁政権の迫害を恐れて身を隠すことにしました(逮捕されるのは確実。殺されるかもしれません)。その場所は自宅の壁の中の隠し部屋でした。
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意外と広いのですが、窓がない独房のようなところに自らを軟禁したのです。
妻と娘は献身的に彼を匿(かくま)いました。その愛情があったからこそ続けられた潜伏は、恩赦(大赦)が行われる1969年まで30年も続きました。
実話を記したこの著書は、いつ捕まるかわからない極限の緊張感の中で生き抜いた衝撃的な記録と言えます。
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