スマホで何かをググると「AI による概要」が表示されます。膨大な量の情報をコンピュータが調べてまとめてくれるらしいのですけど、これ正しいとは限りません。
というのは、「戦前16気筒エンジン 車」はキャデラックとアウトウニオン(本稿0173)だけ、と書かれているからです。
しかし、前回(0522)採りあげたブガッティT45や前々回(0521)のピアレスの最後のモデルはいずれも16気筒エンジンを搭載していました。さらにマーモンも。
おいおいAIよ、他にも色々と間違いがあるぞ(次回ひとつ指摘したるわ)。ほとんどの人は鵜呑みにするんやさかい、もっと勉強せえ!
さて、AIが知らないマーモンの16気筒車について。"MARMON SIXTEEN(マーモン・シックスティーン)"と名付けられたこのクルマには、Marmon Motor Car Co.(マーモン自動車)の創設者Haward Marmon(ハワード・マーモン)が1927年に開発を開始したアルミニウム製の水冷V型16気筒OHV8046cc(200馬力)か搭載されていました。
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キャデラックは、ハワード・マーモンのこのV16開発を間近で見ていた技術者Owen Nacker(オーウェン・ナッカー)に同じようなエンジンを設計させます(結果は水冷V型16気筒OHV7407cc、165馬力)。
ネットのAIモードに書かれている「戦前16気筒エンジン 車」のキャデラックは、このエンジンを搭載したモデル452及び後継のモデル90でしょう。1931〜40年に合計4076台生産されました。
閑話休題。話をマーモン16に戻します。
キャデラック452と同時期にデビューした同車は、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスのマーモン自動車にて1931〜34年に390台生産されました(現存は約75台と言われています)。
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8リットルV16という特別なエンジンを搭載したマーモン16は、オーナーが特注したオーダーメイドのボディを載せた梯子型シャシー+リジッド・アクスル(前後とも)の車体でした。
200馬力を発生するエンジンは、ホイールベース3632〜3734mm、車重2310〜2490kgと小山の如く巨大なマーモン16を100mph(mile per hour)=時速100マイル(約161km/h)で走らせたといいます。
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万単位の生産が当たり前のアメリカにあって、いくら高級車と言えど390台というのはいかにも少ないのですが、その理由は1929年秋に始まった世界大恐慌の影響です。未曽有の大不況が高級車販売の激減を招いたのです。
16のみならず他車種の販売も大苦戦したマーモンは1933年に倒産しました。
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