明治時代から大正時代に活躍した彫刻家に高村光雲がいます。
「智恵子抄」で有名な詩人で彫刻家の高村光太郎は彼の長男です。
光雲の作品で一番有名なのは、東京の上野公園の西郷隆盛像かも知れません。
次に有名なのが表題の老猿だと思います。
老猿は、1893年(明治26年)に製作されたもので、シカゴ万博に出品され、
近代彫刻で最初に国の重要文化財に指定されました。
現在は東京国立博物館が所蔵しています。
高さ108.5cm、幅103.5cm、奥行き76cmの大作で、
僕は何度かこの作品を観ています。
この老猿が、栃木県鹿沼市産のトチノキを使ったものであるとの話を、
今日の下野新聞の記事で知りました。
彫刻の材料がどこから来たものか分かる事は稀との事です。
その材木を光雲が入手する苦労話が光雲の「幕末維新懐古談」に載っていました。
トチノキは、材木そのものの値段は安いのですが、
運搬賃が掛かるために、東京では簡単に手に入らないので、
光雲とその友人は、鹿沼まで木を買いに行きます。
場所は粟野の発光路と言う所で、人力車も行きたがらないような場所だったようです。
そこで、山猿のような老爺から3円で木を購入しますが、その運搬が大変でした。
往来まで出すのに畑を通し、往来に出してから牛車に載せますが重量があるため、
小川に架かる小さな橋の補強などしたため、結局200円以上の経費が掛かりました。
材木が届いてから、光雲は製作に掛かりますが、娘が逝去する不運にも遭い、
その哀しみを乗り越えて製作に集中して老猿を完成させました。
老猿の写真が、ウィキペディアにありましたので貼っておきます。
【今日の一句】
地域でも 若者減って 空き家増え
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