世界中で愛され続けてきたディズニー初の長編アニメ映画「白雪姫」を実写化したミュージカル映画。
かつて優しさと光であふれていた王国は、現在は邪悪な女王によって闇に支配されていた。雪のように純粋な心を持つ白雪姫は、人々が幸せに暮らす王国を取り戻したいと願うが、外見の美しさと権力に執着する女王の嫉妬を買ってしまう。女王に命を狙われた白雪姫は、不思議な森で暮らす7人のこびとや、ジョナサンという青年に助けられる。
「ウエスト・サイド・ストーリー」のレイチェル・ゼグラーが主演を務め、「ワンダーウーマン」のガル・ギャドットが女王、トニー賞受賞俳優アンドリュー・バーナップがジョナサンを演じる。監督は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのマーク・ウェブ。アニメ版の名曲の数々に加え、「グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールによる新曲が物語を彩る。日本語吹き替え版では、俳優の吉柳咲良が白雪姫、元宝塚歌劇団の月城かなとが女王、ボーイズグループ「JO1」の河野純喜がジョナサンの声を担当。(映画comより)
<2025年3月23日 劇場鑑賞>
白雪姫って、何度も実写化されてますよね。表題こそそれぞれ少しずつ違うけれど、ぱっと思いつくだけでもシャーリーズ・セロン版、ジュリア・ロバーツ版、そして今回と、3個あります。私が知らないだけでもっとあるかもしれません。で、今回は何が違うかと言うと、まず主人公の白雪姫が白人ではないこと、ミュージカルであること。そして、これは最近の他のディズニー作品でも言えることかもしれませんが、お姫様が聡明で自ら行動を起こせること。そしてさらに言えば、今回の白雪姫は”リーダー”ですらありました。
今回の映画の監督は「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ。私は「500日のサマー」で彼の名を覚えたのでした。あれは、なかなかに印象に残る映画でした。そして主演の姫は新しいほうの「ウエスト・サイド・ストーリー」のレイチェル・ゼグラー。そう言えばあれもミュージカルでしたものね、彼女は歌って踊れるのですね。
まずは名前の由来。元来は「雪のように白い子」を欲した母親が娘を授かった時につけた名前。しかし今回は「吹雪の日に生まれた」ために「白雪姫」となっていました。そして、王国は豊かで、王が統治していると言っても、みな平等に働き、それぞれの役割を果たしながら、姫も普通にその辺を歩いているし、仕事を手伝うし、みたいな分け隔てのない平和な王国でした。その跡取りとして生まれた姫は、人々に誠実であること、常に人生には真摯に向き合うことなどを両親に教わりながら、優しい少女に育っていたのでした。
しかし、母君が亡くなります。そこで王は、ふさわしいであろう女性と再婚しますが、これが美しいけれどもとんでもない野望を持った女性でした。「戦争が起きる。やがてこの国も侵食される」などと焚きつけて、王を遠い国まで参戦にやってしまいます。そして女王の独裁政治を敷くのです。
このあと、姫はまるで召使のように酷使される場面が入るのですが、「あれ?こんなシンデレラと同じ話だったっけ?」と思いました。元来、その美しさに嫉妬されただけだったような・・・。そして、民からあらゆるものを搾取する女王に対し、「採れた作物は民のもの」と教えられてきた姫は反発します。そしてここで登場するジョナサンは、王子様でも何でもなく、元は役者だが女王の搾取により食えなくなった盗賊のリーダー。城まで作物を盗みに来て捕まるのです(後に、同様にとらえられていた狩人と共に脱獄)。しかし、姫は女王に意見し、彼を救おうとします。ますます反目する女王と姫。
さて、姫が森で出会う7人の小人は、274年に渡って森で暮らしてきたという長寿の種族になっています。彼らは鉱山で宝石を採取する仕事をしています。彼らと出会って仲良くなってからも、姫は彼らに準ずるところは準じ、片や掃除などでは「喧嘩していても家はきれいにならない」と諭し、上手な掃除方法を教えます。理論的でおもしろいですね。
既定路線で、やはり姫は女王からもらったリンゴで深い眠りについてしまいます。ここをどうやって王子ではないジョナサンが白馬にまたがって馳せ参じ、キスで救うのか?!この辺はじつにうまい設定で話を合わせてあります。こんなところがマーク・ウェブっぽい。「500日のサマー」でもそうだったけど、女性の描き方というか、扱いがうまいですよね(と個人的には思います)。
そして、小人たちと盗賊たちを引き連れ、女王に対峙する姫。女王の命に従う兵士たちの中に元の村人たちを見つけ、名前を呼び「あなたは○○ですね。パン屋さんでしたね」などと皆に声をかけるのです。恐怖心と生活のために女王に従っていた村人たちは、一気に姫側に付き女王は孤立していきます。姫は両親の教え通り、村人たち皆をバックグラウンドと共に記憶していたのですね。
<ここからネタバレ>
実は姫は「私が眠ってしまった時、キスで目を覚まして♪」と歌うくだりがあって、女性の許可なくキスをしたのではないことになっているのです。また、その前にジョナサンは、捕まっていた城から脱獄するのですが、その際に城につないであった白馬にまたがるのですね。なので、”白馬に乗ってやって来る””キスで姫を助ける”という展開を違和感なく踏んでいるのです。
<ネタバレ終わり>
いやはや、本当におもしろかったです。「待っているだけの姫ではない」のは今や当然ですが、これほどリーダー然としている姫も珍しいのではないでしょうか。必見です。
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