貧しい山村の日常を描いた小説。
映画にもなった。
注目されたのは「姥捨」つまり年寄りを山に捨てる描写だが、
農作物も少ししか取れない痩せた土地で他から食物を買う金もなく、
「口減らし」のために「働くことができない人間」を減らす、という意味。
年をとって働けなくなった人間もこれに当てはまるが、
「働けない子供」も「口減らし」の対象になる。
この小説の主人公一家も、おばあさんを山に捨てて息子が帰宅したときに、
おばあさんの孫にあたる青年がとった嫁(近所の若い女が同居しているだけ)が
妊娠していてそろそろ生まれるでかい腹をしているのを見る。
おばあさんの次はこの子を捨てないと、という会話の最後に
青年が「心配いらねぇ、生まれたらすぐにおらがぶちゃって(捨てて)くらぁ」と言う。
嫁は「ふんとに(本当に)たのんだぞ」と言う。
というわけで、面倒を見る手間(お金も時間も)をかけられない子を殺すのは
実は日本中のあちこちで行われていたことだったんですよ。
現代日本は法治国家で「殺人は犯罪」ですのでこうやって大きく報道されますけどね。
江戸時代までは小さい子を殺すのは犯罪ではありませんでした。
七五三のお祝いは「その年まで死なずによく生き延びた」ことを祝うもの。
その年齢までに亡くなる子がとても多く、生き延びればめでたいと祝うほどのことでした。
7歳まで育てば商家の丁稚や女中で働かせることができ、家の助けになります。
そういう子を殺すのは「財産を奪う泥棒」扱いになりますが、
病気で動けない、体(頭も)が弱く働けない子の場合はお目こぼしになりました。
もちろん、この記事になった「ベランダに新生児を放置した21歳女子」を
かばうつもりは全くありません。
今の世の中では殺人罪です。若いのに、自分から犯罪者になるなんてねぇ。
住んでたアパートも「事故物件」扱いになるので、大家さんも迷惑でしょう。
■乳児遺体遺棄、容疑の21歳母逮捕=愛知県警
(時事通信社 - 05月09日 11:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=8305719
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