どんな本も24時間以内に読み上げてしまうワシが、これには1週間かかった。
再読にかかっているが、どうしても書いておかないとダメだろうと思った。
作者はスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ。
2015年にノーベル文学賞を受賞しているので、名前を知っている人もいるだろう。
1948年に母の故郷ウクライナで生まれ、父の故郷ベラルーシで育った。
…こう書くだけで胸がいっぱいになる。
しかも、2008年のソ連崩壊まで、彼女はソ連人だったのだ。
今は国籍はベラルーシだが、ベラルーシでは彼女の本は一種の発禁扱い、
国の恥、嘘を書いて国を貶める国賊と言われている。
特にルカシェンコ大統領には。
でも、彼女は母国を嫌っていない。母国は母国だ。
でも、本を書くのもやめない。それが使命、仕事だから。
「戦争は女の顔をしていない」は彼女の書いた1冊目の本だが、小説ではない。
たくさんの女性たちのインタビューをつなげた本だ。
戦場に、何かの役割で出た女性たちの生の声だ。
戦後生まれの彼女が、なぜこの本を書いたのか、はいろいろ理由があると思うが、
こどものころのこういうエピソードが前書きに書いてある。
「学校の図書館の本は大半が戦争について書いたものだった。死を愛するようにと。
でも、街で聞こえる声は、別なことを叫んでいた」
戦争のことを書いた本の作者は全員が男だったが、
彼女が育った村は女性ばかりで、女性たちが語る戦争は本に書かれていなかった。
なぜか?なぜ本を書かないのか?
そしてこう書く。
「もしわたしがもっと現実を知っていたら、無知でなかったら」
この底なしの世界に身を投じなかったかもしれない、と。
感想を書こうとしているのだが、延々と引用するだけになるかもしれない。
それにしても1度ではとても終わらないと思っている。
長い本だ。
最初はどこも出版してくれず、出版されたあとはどんどん書き足された。
「自分にも言いたいことがある」「前は言い足りなかった」という
女性たちの手紙が次から次にきたそうだ。
最終版が出たのは2004年、日本では2008年に最初の訳本が出た。
それにしても、と思う。
作者はまだ生きている。
まさか自分が、また母国の戦争を見ることになろうとは、
しかも、第二次世界大戦ではソ連のために戦った兵士が眠る母の国ウクライナを、
ロシアが焦土にし、父の国ベラルーシはそれを助けているとは。
自分だったらとても耐えられないだろう。
この本のために告白した女性たちは、とても勇気があると思うけれど、
誰よりも勇気があるのは、作家アレクシエーヴィチだ。
■ロシア軍、鉄道駅を相次ぎ攻撃 東部への「武器供給」を断つ狙いか
(朝日新聞デジタル - 04月26日 09:18)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6936247
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