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2019年11月28日09:12

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「わたしは光をにぎっている」

今年は、まぁ〜だ、あと少し残っているが、おそらく、今年観た映画の中で、私のNO.1が、本作である。
祖母の入院で、その祖母が切り盛りする、長野の民宿を手伝っていた澪は、求職のため、上京することになる。そして、亡父の友人の三沢という男が経営する、伸光湯という銭湯に、新しい仕事が見つかるまで、居候することになる。不器用で、人づきあいが苦手な澪は、それでも採用されたスーパーで、客からの質問やクレームに、何ひとつ対応することが出来ず、高校生のアルバイトからも文句をいわれ、すぐに、そこをやめてしまう。入院中の、母代わりの祖母から、「目の前のできることから、ひとつずつ」と、電話で諭された澪は、伸光湯の仕事を手伝うようになり、そこに居場所を見出していくのだが、しかし、その伸光湯を含めた、さびれた商店街は、区画整理のため、取り壊しが決まっていたのだった。
大切な居場所がなくなってしまう時、澪や三沢、そして、商店街の人々は、それにどう向き合っていくのかという、物語である。澪に松本穂香、三沢に光石研、澪の祖母に樫山文枝。中川龍太郎監督作品。
静謐と、やわらかな光に満ちあふれた、終わりと始まりの物語である。ほとんど、何もしゃべらない松本穂香の、美しいスクリーンの風景の中の、あたかも点景のような、しかし、確かな存在感を発する演技が、もの凄く、素晴らしい。正直、こんなに凄い女優だとは、これまで、思わなかった。
ノスタルジックな、しかし、単なるノスタルジーに終わらない作品。そして、こういう映画こそが、邦画の未来をつくるのである。



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