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2018年12月28日01:51

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「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展

超絶技巧とはいうが、吉村芳生の作品は、極めて、フツーだ。否、一見、フツーに見える。
たとえば、新聞紙に描かれた自画像。でも、よ〜く見ると、その新聞紙自体が、手書きで描かれているのである。活字は1字1字、手書きだし、載っている写真や広告に至るまで、すべて、手書で再現されているのだ。
写真そっくりに見える、銅版画や手書きの絵。しかし、それらはどこにでもある、ごくフツーの風景だったり、走っている自動車だったり、あるいはしわくちゃなGパンだったりする。ごくフツーのものを、しかも、構図もへったくれもなく、一見、ごくフツーのスナップ写真のように、精密に、再現しているのである。
だから、吉村の作品は、同じ超絶技巧派でも、たとえば、池田学の作品のように、観る者を圧倒することも、畏怖を与えることもなく、ただただ、フツーなのである。
東京駅丸の内北口の構内にある、東京ステーションギャラリーで、その「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展を観た。絵に近づいて、じっくり観ないと、その凄さは、まったく、実感出来ない。この人は、何故、膨大な時間を費やして、このような、一見、ごくフツーに見える作品をつくり続けてきたのだろうと、思わず、思ってしまう。そこが、謎であり、また、この人の凄さなのかも???とも・・。
焦点のぼけた、黒々とした作品が多いが、草花を同じような超絶技巧で描いた作品のみが、鮮やかな彩色に満ちている。しかし、これもまた、何も考えずに撮ったスナップ写真であるかのように、フツーである。その巨大絵画を、吉村は色鉛筆のみを使って、淡々と、再現する。大作なのに、フツー。う〜ん。
これが東京での初個展だと、知った。玄人はうならせても、知名度は決して、全国区ではなかった人である。そして、早死にしてしまった。観る者を、思わず、途方にくれさせる、膨大な作品群を残して・・。
会期は、来年の1月20日まで。

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