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2026年08月23日14:00

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「子供が欲しい」問題

ワシんとこのような普通の産婦人科クリニックで
「何か他に質問ありますか?」と聞かれて「子供っていつまで産めますか」などと
おっしゃる患者さんは、けっこういる。
たいてい30歳少し過ぎたくらいの年齢。
結婚は20代なので、子供がいないのは「今までは作らなかった」か
「たまたまできなかった」かのどっちか。
そういう方々で「どうしてもほしい」ならワシんとこじゃなく
大きい街にある不妊症専門クリニックに相談すると思われる。

ので、こう答える。
「一般論ですが、人間の女性が妊娠しやすいのは35歳までです」
「35歳を過ぎると卵巣の卵子の老化に加速度がつきます」
「受精できない卵子や受精しても一定以上育つことができない卵子が増えます」
「体力や免疫力や、そういうものも衰えが早くなるので合併症も増えます」
「妊娠高血圧や糖尿病など、分娩後も後遺症として残ることがあります」
「避妊しているから妊娠しないと思ったら避妊解除しても妊娠しない場合もあります」
で、その次にこう言う。
「今から30年たってあなたが60歳代になったと考えてみてください」
「そのとき、子供がいなかったとして」
「なんで自分は30代で不妊治療しなかったのか?してたら今子供いたのに!」
「…などと叫びながら頭をごんごん壁にぶつけて後悔している可能性があるなら」
「なるべく早く不妊症専門病院に受診したほうがいいと思いますよ」

ワシは以前は不妊症専門でやっていたので最低限の検査や治療はできる。
だから「子供がほしい」という主訴で受診して35歳未満なら
「生理5日目のホルモン値」と「基礎体温で排卵日推定」はやる。
これで半年以内に妊娠できればラッキー。
だめなら「そろそろ本格的な不妊症専門治療を受けましょう」とお勧めする。
院内にはいわゆる「有名不妊症専門病院」のパンフレットを並べた棚もある。

妊娠中も分娩も女性の体にはかなりの負担がかかる。
その後の子育てもどうしても「母」のやることが多い。
授乳やおむつが終わっても子育てが終わるわけではない。
えんえんと子の面倒を見る人生が十数年続く。もしかすると数十年。
「そんなのいやだ、やりたくない」と思っても当たり前である。

ただし、女が子を産める年代は限られている。
その期間に妊娠できなければ「自分の子宮で子を産む」は不可能。
もちろん大金持ちなら「若い時の卵子を冷凍」して受精卵を作り、
「若い女性に借り腹(子宮を借りる)」で分娩してもらうことは可能。
子育てだって乳母だの養育係だのを雇えばいいのだ、お貴族さまのように。
ハリウッドのセレブならわりと普通、でも日本ではなかなか大変かも。

自分の人生である、好きなようにしたらいい。
夫が「子供が欲しい」と言うならきちんと「自分は欲しくない」と言うべき。

ママスタには「子供が3人欲しいと言った夫」が
3人できたとたんに子への興味を無くして話しかけることもしない、とか
子が産まれても趣味や飲み会など自分の行動を全く変えない夫、が出てくる。
子が欲しい夫婦でも生まれる前に「子の育て方」についての意見は
十分すぎるほどすり合わせないと夫婦お互い(と子)の不幸である。
ましてや夫婦片方は「それほど子が欲しくない」場合には
よほどちゃんとした話し合いをしておかないと
「こんな人と結婚するんじゃなかった」という結末になってしまう。

自分が不妊症専門でやったのは5年ちょっとしかないのだが、
その間に何度も考えた。
「不妊症の治療薬で一番欲しいのは、飲むと子が欲しくなくなる薬」ではないか、と。
子が欲しくない人間は不妊症ではない。
何か理由があって不妊症であっても、この薬を飲んだとたんに
「不妊症」という病名は消えてなくなってしまう。
素晴らしい!たぶん開発されることはないだろうと思うけどね。

追記;
自分は産婦人科なんで上記の文章には「卵子の劣化」だけ書きましたけどね。
実は「精子は劣化しない」もしくは「卵子ほど加齢の影響を受けない」んです。
勃起神経の衰えでペニス挿入ができなくなっても、精子の質はあまり変化しない。
つまり何等かの方法で(睾丸から直接採取とか)精子さえ入手できれば、
男性が何歳になっても卵子を受精させ女性を妊娠させることができるのです。
「35歳まで」の賞味期限は女性だけに適応されるものです。
神様は不公平ですね。
でも仕方ありません。
排卵だけの問題じゃない、子宮内で赤ん坊を10か月そだてて、
体力的にへろへろになった時期に分娩というこれまた命がけの重労働をするには
どうしても「35歳まで」の若さ(体力、免疫力、回復力、生命力)が必要。
その年齢をすぎても妊娠分娩は可能ではありますが、
その年齢前ならまず起きない類の不都合がとても起きやすくなります。

■<子どもがほしい旦那>自由にお金と時間が使える今の生活を捨てたくない!彼の望みを叶えるべき?
(ママスタセレクト - 08月23日 13:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=176&from=diary&id=8918664
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