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2026年06月05日07:12

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クルマ0535 ポルシェの対抗馬(DENZEL)

前々回の本稿0533で採りあげたJohn Bolster(ジョン・ボルスター)は、1949年5月のブリテツシュGPでE.R.A.(本稿0144・0145)でクラッシュしてレースを引退、翌1950年8月に創刊したAUTOSPORTS誌に記事を書いていました。彼は1955年にオーストリアのデンゼルをテストし、"The cornering power was simply phenomenal(コーナリング能力はまったく驚異的)"と表現しています。

https://share.google/g2Cm7MwXDuEuzZbQD

デンゼルとは聞きなれないクルマですが、ポルシェが356(本稿0247)のプロトタイプ1号車を完成させた時期(1948年6月)と相前後して、オーストリアの首都ウイーンに誕生したスポーツカーです。時期のみならず車体もポルシェと同じVWベースのRR(リヤエンジン・リヤドライブ)で、Wolfgang Denzel(ウォルフガング・デンゼル)が開発しました。

https://share.google/p99fyF4GARr0KBojK

1948年、40歳を迎えた元レーシング・ドライバーのデンゼルは、友人のHubert Stroinigg(フーベルト・ストロイニッグ)の手を借りて、VWキューベルワーゲン(本稿0367)から軍用ボディを外し、軽量な2座オープン・ボディを載せました。そして翌1949年のオーストリア・アルプス・ラリーの1100ccクラスで優勝しています。
戦場で培われたキューベルワーゲンのシャシーとエンジン(空冷水平対向4気筒OHV)は信頼性・走行安定性が高かったのでしょうね。

また彼は、1954年のアルペンラリーでゼッケン228のマシンに乗り優勝しています。

https://share.google/3yjgpOUx9dwonoSRD

1300ccに拡大されていたこのクルマのエンジンは、1957年にVW由来のプラットホーム型をより剛性が高いボックスセクションに替えた新シャシーに搭載され、1300スーパーとして発表されました。

ディメンションは、ホイールベース2100・トレッド1308・全長3607・全幅1602・全高1200mm、車重630kg。後端に搭載された件のエンジンは、ボア78×ストローク67mmの空冷水平対向4気筒OHV1281cc(48.5馬力)で、4段ギヤボックスを介してリヤを駆動しました。

デビューからしばらくして、スチール製だったボディパネルが一部アルミニウム製に替えられて車体は軽量化し、エンジンは53馬力にパワーアップされました。その結果、最高速度は166km/hに達しました。
また、1958年には1.5リットル・エンジン(63馬力)が追加されています。
https://share.google/KsFvEOZPbNSeAeg5F

フロントのトランクには大きなガソリンタンクが。6Vのバッテリーも見えます(いささか危険?)。

https://share.google/SQkd5rRtZYi0F3UiK

室内はシンプルかつ快適ですね。フロントウインドウは平面2枚から曲面1枚に変更されています。

https://share.google/eA9rWYG3RNf5eF6HV

https://share.google/L4Vmwptc5NzqNg4Cp

このクルマは1960年まで量産(というほどの規模ではありませんが)されました。生産台数は65台とも350台とも言われています(正確な数字は不明です)。現存は35台とか。
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