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2026年05月12日16:50

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日本の空港

木下 斉

日本に空港は98あります。そのほとんどが赤字です。
国管理18空港のうち羽田を除く17空港が赤字。
地方管理空港も同様。赤字は全部税金で埋めています。
なぜこうなるか。
地方空港の大半は「整備して終わり」だからです。
建設に尽力した国会議員の銅像がロビーに立っている空港すらある。
作ることがゴールで、作った後にどう地域に貢献するかは誰も考えなかった。

そして運営は県の外郭団体。
実態は天下りポストです。
利用者を増やすインセンティブもなければ、路線を誘致する営業力もない。
県庁の出先機関がタイマンこいて座っているだけ。
これで黒字になるわけがありません。

昨日の白浜町の投稿に大きな反響をいただきましたが、南紀白浜空港が変わったのは2019年の民営化がきっかけです。
年3億円の赤字を出していた空港が、民営化後に月間搭乗者数の過去最高を更新した。
空港が変われば地域が変わる。
しかし県営のままでは絶対に変わらない。

仙台空港は2016年に国管理空港として初めて民営化されました。
国際線利用者は民営化前の1.75倍に増えた。
熊本空港は2020年に民営化され、2023年に新ターミナルが開業。
搭乗待合エリアの店舗面積を50倍に拡大し、地方空港最多の国際線ネットワークを目指しています。
南紀白浜空港は年3億円の赤字を出していた空港が、民営化後に月間搭乗者数の過去最高を更新した。
民間が入ると何が変わるか。
まず県境を越えた営業ができるようになる。

ここに県営空港の致命的な欠陥があります。
県が運営すると、隣の県の観光地への案内をしない。
宮島は広島県ですが、実は山口県の岩国錦帯橋空港からのほうが近い。
空港から宮島口まで約1時間、広島空港からだと約2時間かかる。
しかし県の空港は「うちの県の観光地」しか案内しません。
南紀白浜空港が「熊野白浜リゾート空港」と愛称を変えて広域DMOで周辺地域ごと売り込めたのは、民間だからできたことです。
地域において考えさせられるのは、都道府県という単位が地方経済の足かせになっているということです。

観光客は県境を意識しません。
「京都と奈良を回りたい」「広島と山口を回りたい」と考える。
しかし行政は県単位で予算を組み、県単位で観光振興し、県単位で空港を運営する。
隣の県と連携するインセンティブがない。
結果、空港も観光案内もすべて県境で分断される。
北海道が7空港を一括で民営化したのは正しい判断でした。
新千歳も旭川も釧路も函館も、一つの民間会社が路線を最適配置できる。
県単位の空港運営では絶対にできない発想です。

空港は「建てる」ものではなく「経営する」もの。
国会議員の銅像を立てる場所ではなく、地域に人を呼び込むための装置です。
建てた後に誰が経営するか。
この発想がなかったから、98空港の大半が赤字になった。
白浜が証明したのは、小さな県営空港でも民間の経営力が入れば地方空港は地域を変える武器になるということです。
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