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2022年05月03日12:00

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理論よりも実践重視で訓練している米退役軍人達

ウクライナ兵にジャベリン攻撃教える米国人
対戦車ミサイルの使い方を2日間の短期集中コースで訓練、米退役軍人らが指導

By Yaroslav Trofimov | Photographs by Manu Brabo for The Wall Street Journal
2022 年 5 月 2 日 12:40 JST

 【ザポリージャ(ウクライナ)】その米国人教官は、教室の黒板にロシアの戦車「T-72」の外観と周辺の状況を丁寧に描き、自らが今月、対戦車ミサイル「ジャベリン」で戦車を待ち伏せ攻撃した際の様子を説明した。彼はウクライナ人生徒の間では、単に「テキサス」と呼ばれている。

 教官は次に、ミサイル本体と発射管制ユニットを手に取り、数十人のウクライナ人生徒の前で、正しい発射姿勢を取って見せた。もう1人の米国人教官マーク・ヘイワード氏(53)が口を挟み、さまざまな天候や明るさでの操作方法をアドバイスした。ヘイワード氏は米特殊部隊での経験を持つアラスカ出身の退役軍人だ。

 テキサスは「君たちが歩兵であることは知っている。しかしこの兵器を使う時は、狙撃手のように行動する必要がある。スパイゲームをするのだ」と語った。彼はウクライナ生まれの米国人で、本名はアントン。親類が今もウクライナで暮らしているため、姓は明かしたくないという。「すべては君たちにかかっている。攻撃が成功するかどうか、90%は君たち次第だ。ミサイルの力は10%にすぎない」

 米国とその同盟諸国から供給された各種の武器は、2月24日のロシアによる侵略戦争開始以降、戦力面で劣るウクライナ軍が大挙押し寄せたロシアの装甲車両を撃退する上で、重要な役割を果たしてきた。特に効果が大きかったのはジャベリンだ。その射程は3キロと、ロシアの大半の戦車砲より長い。

 米国のその同盟諸国は、ロシアの装甲車両、大砲、航空機による侵略を食い止めるため、北大西洋条約機構(NATO)の標準的重火器をウクライナに供給し始めている。精密誘導砲弾を備えた155ミリりゅう弾砲など、より高度な兵器システムもウクライナに届きつつある。

 こうした軍事支援のボトルネックは訓練だ。戦争のさなかに、ロシアが巡航ミサイルで前線からはるか後方のウクライナの倉庫や鉄道ハブ、基地を攻撃する中で、ウクライナ人兵士は見慣れない最新鋭兵器システムの操作を素早く学ばなければならない。

 西側諸国の軍では、こうした兵器を運用する兵士は初めて実弾を放つ前に数週間から数カ月間の訓練を受ける。だが米国をはじめとするNATO加盟国は、ロシアが侵攻する直前に軍の訓練担当者をウクライナから退避させた。

 このため、ヘイワード氏やアントン氏のような西側諸国のボランティアが、前線付近に展開するウクライナ軍部隊を指導し、時に自ら戦闘に加わることで、スキル面の穴埋めをしている。ヘイワード氏は「われわれはおのずとジャベリンの訓練担当者になった」と述べた。同氏はウクライナに着くとすぐに、ユーチューブの訓練動画を見たり複雑なマニュアルを熟読したりして、最新の知識を取り込んだ。

 現場マニュアルによると、米陸軍のジャベリンの基本訓練は80時間の構成になっている。

 ザポリージャ南東部の前線とドンバス地方で活動するウクライナ第128ザカルパトスカヤ独立山岳強襲旅団の訓練担当トップを務めるセルヒー中佐は、「ここでは2日間でジャベリンを使えるようになるよう、兵士に教えることを試みている。その後、すぐに外に出て、戦闘任務を実行できるようにするためだ」と話した。他のウクライナ軍人と同様に、彼も姓の公表が許可されていない。

 中佐は「戦争中の訓練では、理論よりも実践が重視される」と語った。

 英国製の対戦車ミサイル「NLAW」やドイツ製のパンツァーファウストといった射程がより短いミサイルの技術を習得するには数時間しかかからない。これらのミサイルは、3月に首都キーウ郊外で起きた市街戦のような戦いにより適している。これらのミサイルよりはるかに複雑なジャベリンは、ザポリージャ南部の田舎町など、現在第128旅団が配置されている大きく開けた場所での戦闘に不可欠だ。自分たちが標的になる前に遠くから攻撃することが可能になるからだ。米国防総省によると、米国はウクライナ軍におよそ5500基のジャベリンを供与している。

 第128旅団で最近、ザポリージャ地域のある村を制圧した部隊の隊長を務めるイワン大尉は、「ジャベリンは野原で有効に発射するのに最適だ」と話した。先月28日には、ロシアの砲撃による重い衝撃音が村の建物を揺らし、近隣の並木から黒い煙が立ち上っていた。近くの道路脇には、燃え尽きたロシアの装甲兵員輸送車があった。

 イワン大尉によると、ロシア軍とウクライナ軍はその村で2キロほど離れて対峙(たいじ)していた。NLAWなど射程の短いミサイルを装備した兵が前進しようとすると、攻撃可能な距離に近づく前にロシア軍の砲火にさらされることになった。

 イワン大尉の中隊に所属するオレクサンダー一等兵は、ロシアの侵攻が始まる2日前に、ウクライナ西部の基地で正式なシミュレーターを使ってジャベリンの訓練を初めて受けた。シミュレーター上での最初の発射では標的を外したが、そのおかげで実戦でどのように操作すればよいのか理解できたという。「シミュレーターがなければ、正しい手順や操縦かんの操作、きちんとした準備の方法などを覚えるのは難しいだろう」と語った。

 彼はこれまでに少なくとも3両の戦車を含む9両のロシア軍装甲車両を撃破した。「ジャベリンがなければ、押し寄せる敵を食い止めるのは非常に難しかったはずだ」と話した。「敵は今や、われわれが効果的に攻撃できる武器を持っていることを知っている。そしてもちろん、このことが敵の戦意を失わせ、動きを抑制している」

 米アラスカ州ノームから来たヘイワード氏は、訓練を容易にする別の方法を考えた。ジャベリンの発射管制ユニットの電池は4時間程度しかもたない。このため、訓練用に電源を入れるだけでも電池が急速に消耗する。同氏がウクライナで協力している部隊は、予備の電池を手に入れることができなかった。

 そこでヘイワード氏は、アントン氏やウクライナの技術者と一緒に、オートバイのバッテリーや日曜大工用品店で調達した配線、3Dプリントで製作した枠組みを使って、訓練用の代替電源を組み上げた。

 ヘイワード氏は、ロシアによる侵攻のニュースを聞いてすぐにウクライナに向かうことを決めた。同国のゼレンスキー大統領が「脱出の手段ではなく武器を提供してほしい」と呼びかけたことに触発されたという。アラスカでは、ベーリング海峡を挟んで向こうはロシアという場所にある先住民族のコミュニティーで医療を教えていた。そんな彼が戦闘に加わったのには、もう一つ理由がある。

 「ロシアは、ウクライナ政府が降伏しないからといって国を侵略し都市を爆撃するような国だ。そんな国なら、いつノームへの燃料輸送船を止めて自分や家族を凍えさせてもおかしくない」
https://jp.wsj.com/articles/ukrainian-forces-get-crash-course-on-javelin-missiles-from-u-s-volunteers-11651462817
180時間必要な訓練時間を2日で終えて戦場へ送り出すカラクリが生々しい。
北海道や沖縄を占領された後、使い物にならない自衛隊将官を摘み出して、日系米退役軍人が大量に投入される事になるのかも^^;
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