今日は憲法記念日ですが、
ここのところ、安倍総理は新型コロナウイルスの感染拡大を利用して、
憲法改正を進めする姿勢を強めているように感じています。
安倍総理は、ジャーナリストの櫻井よしこ氏らが主催する
憲法フォーラムに寄せたビデオメッセージで、
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、
憲法を改正して「緊急事態条項」を創設する必要性を訴えています。
「緊急事態において国民の命や安全を守るため、
国家や国民がどのような役割を果たし、
憲法にどう位置付けるかは極めて重く、大切な課題だ」と述べています。
緊急事態条項は、自民党が2018年3月にまとめた
憲法改正の条文素案の4項目の中の1つです。
4項目は、自衛隊の明記、緊急事態条項、参院選「合区」解消、教育の充実です。
緊急事態条項は、大規模災害時などに、
内閣の権限を強め、個人の権利を制限できるようにしようとするものです。
毎日新聞が4月18、19日に実施した全国世論調査では
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、
憲法に緊急事態条項を設けるべきだとの意見が自民党内にある事について、
45%が「賛成」と答え、「反対」は14%、「わからない」が34%だったとの事です。
新型コロナの問題で政府の緊急事態対応に注目が集まる中、
自民党内には改憲機運を盛り上げたい思惑もあるとも報じています。
共同通信社が4月28日、憲法記念日を前に郵送方式で実施した
憲法に関する世論調査の結果によると、憲法を改正して、
緊急事態条項を新設する案に賛成51%、反対47%だったとの事で、
国民の賛否は二分している現状が浮かんだと報じられています。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく、
各知事の要請や指示に従わない企業や国民に対し、
多くの国民が苛立ちを感じている事を好機と考えたのかも知れません。
ここのところ、パチンコ店ばかりが槍玉に挙げられていますが、
休業に伴う補償がなくて、一方的に負担だけを課そうとするのが無理な話で、
各知事の要請や指示に従わないのは、補償がない事が大きな理由だと思います。
この補償の問題は、現在の特別措置法に欠陥がある訳で、それを見直そうとせずに、
国民の不安に付け込んで、憲法を改正しようとするのは、どうかと思います。
第2次世界大戦前のドイツでは、
ワイマール憲法48条の「大統領非常権限」が乱発された結果、
ヒトラーの独裁政権に道を開いてしまいました。
日本でも、1923年の関東大震災の際、
戦時に軍隊に権限を集中する戒厳令の一部を緊急勅令によって施行するなど
適用が拡大されて、軍隊や自警団による朝鮮人虐殺などが引き起こされました
緊急事態条項は、基本的な人権を尊重する憲法の例外であり、
憲法の基本精神とは相容れないものなので、慎重な検討をすべきものだと思います。
憲法改正を議論する事は、別段悪い訳ではありませんが、
現在の新型コロナウイルスによる、異常な社会情勢の中で拙速に進めるべきでなく、
感染が終息した後にでも、冷静に議論すべきもののような気がします。
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