2年近い虜囚生活の果てにイギリスに脱出したリトビネンコ中佐はまるで浦島太郎だった。たった2年の間に世界は変わってしまった。民主的に選ばれた大統領は追放され、戦争がはじまり、権力を握ったのはなんとあのプーチンだった。だが、長年マフィア相手に戦い続けた不屈の中佐はあきらめなかった。国内に残った元部下たちと連絡を取り合い、イギリスで出会った仲間達と共に情勢を分析した。そして、また気付いて仕舞ったのだ、チェチェン戦争と連続爆破テロの真相に。。。今度はためらわなかった。中佐はロンドンから今や大統領となったウラジミール・プーチン元FSB中佐に宣戦を布告した。今度の武器は本だった。それが2002年に出版した『Blowing Up Russia:Terror From Within』(「ロシアを爆破したKGB」)と『Gang from Lubyanka』(「ルビヤンカのギャングども」)だった。その中で、リトビネンコ中佐は諸資料を分析、特にリャザンの爆破テロ未遂事件に着目して連続爆破テロが第2次チェチェン戦争を引き起こすための口実としてKGBが自ら行った自作自演であることを暴露した。また、プーチンはじめ多くのFSB幹部職員が犯罪組織と繋がり多くの組織犯罪の温床となっていたことも実名入りで告発した。また、2002年10月に起きたモスクワ劇場占拠事件(死者129人)や2004年9月に発生したベスラン学校占拠事件(死者500人以上)でも事件発生直前に現場から脱出した謎のテロメンバーが複数おり、事件を誘導したFSB工作員だった可能性を指摘している。
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