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2026年10月08日07:49

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松原照子の「世見」(転載)

本日の世見  2026年10月08日(木曜日)

『ハチ公』

ワン君も、ニャンコちゃんも、飼い主で“人生”が決まります。
秋田犬のハチと、東京大学で教授をしていた上野先生とのお話は、心が温まります。

ハチが生まれたのが1923年の11月。
生まれた場所は秋田県大館市の斉藤さんの家。
ハチは20時間もの列車の旅をして、渋谷にある上野先生の家に着きましたが、ハチはぐったりしていました。
先生の奥さんは、ハチはもう死んでいると思い、とても辛そうでした。
上野先生が「この子は大丈夫だ。温かい牛乳を飲ませてあげて」と言ったのを、ハチは覚えていた気がするのです。
ハチは、この牛乳のおかげで元気になりました。

先生は、ご自分の布団の中にいつもハチを入れて、一緒に寝ていました。
一年が過ぎ、先生が大学で教鞭をとる日はいつも、ハチは渋谷駅まで送り迎えをするようになりました。
先生の姿が駅の改札の向こうに見えなくなるまで見送ります。
夕方になると、先生が帰ってくる時間に迎えに行きます。

半年が過ぎました。
いつものように、ハチは夕方になって駅で待っていたのですが、先生は現れません。
夜になっても、改札から先生は出てきませんでした。
ハチが家に帰ると、たくさんの人が家に集まっていました。
先生は大学で亡くなられていたのです。

ハチは、駅で待てば、先生の笑顔が見られると思いました。
1年が過ぎ、3年が過ぎ、5年が過ぎ、先生が帰ってこなくなって9年が過ぎました。
春を感じ始めた1935年3月8日の早朝、ハチは渋谷の路地で亡くなりました。
渋谷駅前のハチ公の像は、今でも先生の帰りを待っているかのように見えます。
渋谷に行って「忠犬ハチ公像」を目にした時は、「ハチ、先生と仲良くしているんですね。よかった」と語りかけてください。


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