1950年代前半、アメリカ・イリノイ州シカゴの実業家Stanley Harold Arnolt(スタンリー・ハロルド・アーノルト)は、イギリス車のシャシー/エンジンにイタリアのボディを被せたヨーロピアン・テイストの小粋なクルマを計画しました。クジラのように大きくダルなアメリカ車とは一線を画す小さくスタイリッシュなクルマの需要を確信したのです。
4車種手掛けたうち、最も知られたアーノルト・ブリストルは前回採り上げました。
つらつら綴っていると、30年ほど前にアーノルトMGを輸入して新規登録したことを思い出しました(今はいずこ?)。
他の3車種より低廉なこのクルマはアーノルトか最初に手掛けたモデルで、MGからTDミジェットのシャシー/エンジンを買い入れ、それにカロッツェリア・ベルトーネが2座スポーツカーを架装したコーチビルド・モデルです。
ベルトーネのデザイナーは創業者Giovanni Bertone(ジョヴァンニ・ベルトーネ)、息子で二代目のGiuseppe Bertone(ジュゼッペ・ベルトーネ)、Giovanni Michelotti(ジョヴァンニ・ミケロッティ)、Franco Scaglione(フランコ・スカリオーネ)らそうそうたる面々でした。
クーペとコンバーチブルか用意されていました(輸入したのはコンバーチブルです)。
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車体のディメンジョンは、ホイールベース2387・全長4064・全幅1524・全高1397mm、車重(クーペ)955kg。MG TDの梯子型シャシーに取り付けられたサスペンションは、フロントがレバー式ショックアブソーバーのY型レバーをアッパーアームとするダブル・ウイッシュボーン+コイルスプリングの独立、リヤかリーフスプリングでバンジョーアクスルを支えるリジッドです。
フロント
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リヤ
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フロントに搭載された水冷直列4気筒OHV1250ccエンジンは57馬力と発表されましたので、ベースのTDの54.5馬力から少しチューニングされていたようです。
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4段ギヤボックスを介した 最高速度(クーペ)は135km/hとされており、125km/hと発表されていたオリジナルより速い数値が。車重は864kgのオリジナルより90kgほど重いのですが、空気抵抗が低減されているからでしょう。
面白いのはドライバー前の扇形の計器盤です。
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これは、元のMG TDではインストゥルメント・パネル中央に配されていたサブパネル(油圧計・水温計・電流計・ホーン・イグニション・警告灯・各種スイッチ・12Vコンセントなど)です。これが上下逆さにされてドライバー前(スピードメーターとタコメーターの間)に置かれているのです。
参考(MG TD)
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室内は豪奢な革シートが奢られていました。
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トランクも上質なカーペット張りでした。
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MGはシャシー/エンジンを200基供給する契約を交わしていましたが、1953〜54年に103基しか引き渡せませんでした(TD生産終了のため)。
そして1953〜54年にクーペ67台、コンバーチブル36台が製造されました。
1953年デビュー時の販売価格は、クーペ3145ドル・コンバーチブル3585ドルで、標準のMGTDが1850ドルであったことに鑑みるとすこぶる高価でした。現在の貨幣価値で言うと1200万円を超えます。
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