五気六味:平/甘
帰経:心、脾、肺、胃
はたらき・適応症状
1、補脾益気
脾胃虚弱による疲れ、息切れ、食欲不振、ドロ状の便
2、潤肺止咳
肺の虚弱による咳、喘息
3、緩急止痛
胃・腹部の痛み、四肢の筋肉・関節の痛み
4、清熱解毒(生)
のどの腫れ・痛み、皮膚の赤み・腫れ物
甘草(かんぞう)の中医学的効能とは?胃腸をいたわり、咳や痛みを和らげる身近な生薬
甘草(かんぞう)は、マメ科植物の根や根茎を乾燥させた生薬で、多くの漢方薬に配合されている代表的な生薬の一つです。その名のとおり、ほのかな甘味を持ち、他の生薬との調和を図る役割も担っています。
中医学では、胃腸の働きを補い、咳を鎮め、痛みを和らげるほか、炎症を抑える働きがあると考えられています。
今回は、甘草の中医学的な効能についてご紹介します。
甘草の基本性質
五気六味:平・甘
帰経:心・脾・肺・胃
甘草は体を過度に温めたり冷やしたりしない「平性」の生薬です。
「甘味」には、気を補い、緊張を和らげ、さまざまな生薬の作用を調和させる働きがあります。心・脾・肺・胃の四つの臓に作用し、消化器・呼吸器を中心に幅広く働きかけます。
1.補脾益気(胃腸を補い、体力を回復する)
甘草の代表的な働きが「補脾益気」です。
脾と胃の働きを高め、消化吸収を助けることで、体力の回復をサポートします。
次のような症状に適しています。
疲れやすい
息切れ
食欲不振
軟便や泥状の便
中医学では、脾胃は「気」と「血」を作る源とされています。脾胃の働きが低下すると、十分な栄養を取り込めず、慢性的な疲労や消化不良につながります。
甘草は胃腸をやさしく補い、日々の健康維持を支える生薬です。
2.潤肺止咳(肺を潤し、咳を和らげる)
甘草には肺を潤し、咳を鎮める作用もあります。
次のような症状に用いられます。
肺の虚弱による咳
慢性的な咳
喘息
肺の気が不足すると、乾いた咳や息切れが続くことがあります。
甘草は肺を補いながら呼吸器の働きを整え、咳を和らげる目的で多くの漢方薬に配合されています。
3.緩急止痛(筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減する)
甘草には筋肉の緊張を和らげ、痛みを鎮める働きがあります。
特に次のような症状に適しています。
胃痛
腹痛
手足の筋肉の痛み
関節の痛み
中医学では、筋肉や内臓の過度な緊張によって痛みが起こることがあります。
甘草は緊張をやわらげることで、胃腸のけいれんや筋肉のこわばりによる痛みを改善すると考えられています。
4.清熱解毒(生甘草)(熱を取り、炎症を鎮める)
**生甘草(加熱処理をしていない甘草)**には、熱を冷まし、炎症を抑える働きがあるとされています。
次のような症状に用いられます。
のどの腫れや痛み
皮膚の赤み
腫れ物
中医学では、これらの症状は「熱毒」によって起こると考えられています。
生甘草は熱を取り除き、炎症を鎮める目的で使用されることがあります。
現代の視点から見た甘草
甘草にはグリチルリチンをはじめとする成分が含まれており、医薬品や漢方薬にも広く利用されています。
一方で、**甘草を長期間あるいは多量に摂取すると、「偽アルドステロン症」と呼ばれる副作用が起こることがあります。**主な症状には、
むくみ
血圧の上昇
手足の脱力感
筋肉痛
低カリウム血症
などがあります。
そのため、甘草を含む漢方薬や健康食品を複数併用している方は、甘草の摂取量が過剰にならないよう注意が必要です。服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。
まとめ
甘草は中医学において、
胃腸を補い、疲労や食欲不振を改善する
肺を潤し、咳や喘息を和らげる
胃痛や腹痛、筋肉・関節の痛みをやわらげる
生甘草はのどや皮膚の炎症を鎮める
という幅広い働きを持つ代表的な生薬です。
また、多くの漢方薬に配合される重要な生薬ですが、摂り過ぎによる副作用にも注意が必要です。適切な量を守り、医師や薬剤師の指導のもとで上手に取り入れることで、健康維持に役立てることができるでしょう。
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https://ameblo.jp/stephen19690326/entry-12971999641.html
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