やっと書けた
昨年大ヒットで評判になっていた頃から、天邪鬼のせいか、体調が悪いのに無理して映画館に行きたいとも思わなかった。ましてや3時間の長丁場映画だ。
Amazonのプライムビデオで配信になった事から観られた。
既に上位のアクセスらしい(爆)
映画『国宝』で、私の気になったキーワードを並べて個人的な感想。ネタバレあり

下川恭平
冒頭、喜久雄(主人公)の幼なじみ役で余興で踊った『積恋雪関扉』。その(男役)下川恭平に注目した。踊るというより佇まいと歩き方、知らないので舞踊経験者かと思っていたらやはりだ。
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下川恭平さんは卓越したダンススキルとアクロバットの才能を持ち合わせており、子役時代から培った表現力でヒップホップから日本舞踊までこなす多才な役者として知られています。彼の圧巻の身体能力やダンスのパフォーマンスは、SNSなどでも大きな話題を呼んでいます。

光っていた女優陣
あまりにも艶やかすぎた。宮澤エマ、ヤクザの女将さん役なら、どことなく剣があって然るべきだった。
梨園の妻、寺島しのぶの演技は周囲を魅了する、舞踊指導者として見守ることしかできない切ない気持ち、梨園の妻は大変なのだな。

15歳で刺青
ヤクザの父親を亡くし、喜久雄(主人公)には財産があったのだろうか、幼馴染の恋人と共に刺青を入れるのだが、あれだけの極彩色の刺青を入れるにはかなりの金額がかかるだろうし、花井半二郎に引き取られる前なのか後なのか、15歳程度で絶対に入れられるものではない。異常な程に高熱が出て、日常は過ごせないはずだ。ましてや成長期の子供なのだ。
映画でも4時間かかっての絵師による手描きだったそうだ。それも貧乏で『頑張って働く!』と宣言した恋人も含めての刺青だ。ちょっと理解に苦しんだ。
さらには、この刺青が場面ごとにワンショットでアップになるのだが、つまり極道の血は歌舞伎には受け入れ難い、拒否される要因を敢えて強調する為だったのだろうか。いやだからこそ、芸の道しかないとのアップなのか。

伝説的女形・小野川万菊と四代目 花井白虎の老年の白塗り
田中泯、渡辺謙、敢えて深いシワを刻んでの白塗りに感じた。死ぬるまで歌舞伎俳優の意地と覚悟を見せているようだ。

若い俳優の白塗りが滑らかではなかった
女形の歌舞伎俳優は、常にお肌の手入れも怠らないのだろうか、それともかなりの厚塗りをするのだろうか、映画では喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)は、ことどとくアップなので荒い白塗りが気になった。白塗りが涙で崩れ、道化師のようになり、喜久雄が屋上で一人でフリー舞踊をする場面は圧巻だった。『曽根崎心中』での俊介も、涙で道化師顔になり、哀れさを倍増させた。

喉仏
アップだから仕方がない。二人の喉仏が異常に動くのが男の象徴だったのかな

かなり目立っていた。

女形の身のこなし
既に化粧の時から次第に女になって行く歌舞伎俳優、楽屋を出て奈落までの道ゆきは、まさに女以上の身のこなしなのだが、喝を入れる為の励ましから態度までまったくの男だったのがね、残念。

晩年の女形、万菊の安アパート
国宝であり大御所として活躍した女形、田中民演じる万菊は、晩年、喜久雄に全てを託す。調べたら国宝の報奨金は年額200万円とか、慎ましく生活していれば生きてはいけるだろうが、死ぬ間際に舞扇を喜久雄に託す万菊もその犠牲者なのか。決して裕福では無い生活に、哀れを感じた。

父娘の再会
敢えて無表情なのか、国宝となり、全てを捨てて芸の道に専念すると自信の悪魔に誓った父親、父親と捨てた娘との再会は、感動ものなのになぁ。もの足りなかった。
次々に起こる至難のせいか、3時間とは思えないほどの速さで、見応えはあった。劇場の大画面で観たかったと後悔した。
個人的な余談
1年半もの修行に近い所作や舞踊を学びながら、ところどころ繋がりの無い撮影って、想像するだけでも大変だっただろう。台本の通りに撮影する訳ではないし、30kgの衣装の準備から、撮影を撮り終えるまでの繰り返し、想像しただけで体育会系の俳優で無い事には、体力的に無理だと感じた。個人的には、この映画を観たからと言って、新たに歌舞伎の舞台を観たい衝動には駆られなかった。
中村玉緒さんがお亡くなりになり、彼女も歌舞伎役者のお嬢さまとして、私などには理解できないご苦労があったのではなかろうか。
それに、施設に入り身内の援助は無かったというのだ。松平健さんが最後まで援助したとか、感動した。
過去の映画俳優も歌舞伎出身者。つまりサイレント映画で時代劇を演じられる人は歌舞伎俳優しかいなかった。
阪東妻三郎、嵐寛寿郎、長谷川一夫、市川雷蔵、片岡千恵蔵、中村錦之助(二代目のちの萬屋錦之介)、大川橋蔵など。
あちこちに内縁の妻がいた阪妻から始まり、敬愛する舞踊家と恋に落ち、家族を捨てた三代目市川猿之助(のちの二代目市川猿翁)、暴れて灰皿で顔を殴られ再起不能かと思われた、某歌舞伎俳優の若い頃もあった。
または思い詰めて一家心中までしてしまった歌舞伎俳優など、その道を極めなければならない宿命的な暴走なのか。素人からすれば、世襲を護るという事、血を絶やさないという事、想像以上に残酷に感じる。
艶やかで華やかな女形あっての歌舞伎の舞台。それを護り継承してきた歴史は凄まじい。それら上記を思い出させてくれた映画だった。
内容は省き、あくまでも個人的な正直な感想のみ。
この映画に関するサイトもゴマンとあり、ウィキペディアでは読みきれないほどの資料があった。ご興味のある方は是非そちらをどうぞ。
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