ひつじには、ひつじなりの生き方がある。
たとえば、いやなこと、気に入らないことがあったら3つ数えて忘れる。
自分がこれでいいと思って信じていることは変えない。
長生きした羊は空に昇って雲になる、とか。
子羊は春に生まれるもので、冬生まれの子羊はろくなもんじゃない、とか。
飼ってるひつじすべてに名前をつけて、毛を刈る以外は
大事な友人、大切な家族としていっしょに暮らすジャック。
ジャックのひつじたちの生き方がこれ。
ひつじたちはジャックが大好き、心から信頼している。
毎日寝る前にミステリーを読んでくれるけど、いつも「いいところ」で止める。
「もうちょっとで犯人がわかるのに!」と思うが、
みんなでああでもないこうでもないと犯人を推理するのも楽しい。
そのジャックがある日、死体で発見される。
ひつじたちはいつものように3つ数えて忘れようとするが、
いつもひとりでいるはぐれ羊が言う。
「大切な友達のことはいつまでも覚えていたほうがいい」。
そこでひつじたちは、「はじめて」いやなことでも覚えていることにする。
でもそうなると疑問がひとつ。
誰が何のためにジャックを殺したの?
毎日ミステリーを聞いていたんだから自分たちで犯人を捜せばいい。
これまで農場から出たこともないのに、どうやって?
とにかく、ひつじたちの犯人捜しがはじまる。
ひつじたちが「はじめて」をいくつも経験し、克服していく物語。
いい「はじめて」も悪い「はじめて」もあるが、
ジャックを殺した犯人だけはどうしても捜しだしたい。
ひつじたちは村の警官(日本風に言えば交番のおまわりさん)に協力して、
犯人のヒントを探し、こっそり届ける。
最終的には犯人は捕まり、ひつじたちにはまた平安な生活が戻ってくる。
もちろん何もかもいっしょじゃない。
ジャックはもう帰ってこない、はぐれ羊も雲にならずに死んでしまった。
でも冬生まれの子羊は仲間の一員になったし、
寝る前に本を読んでくれる羊飼いもちゃんといる。
生きている限り、ひつじは成長する。
もちろん人間も。
どの人間がどう成長するか、それは映画を見てほしい。
いい話でした。
追記;
ジャックを演じるのはヒュー・ジャックマン。
前にはドリトル先生をやったし動物ものは得意なんだな、と思ってしまったが
「ドクター・ドリトル」はロバート・ダウニー・ジュニアでしたね。
それにしてもウルヴァリンに羊飼いをやらせるとはなかなかの思いつきだ。
ジャックの莫大な遺産を管理する弁護士はエマ・トンプソン。
「プラダを着た悪魔」ばりの派手なスーツとアクセサリーは見る価値がある。
憶病で事なかれ主義のおまわりさんを演じるニコラス・ブラウンは
自分は映画で見るのが「はじめて」だけどなかなか見どころありそう。
今後大化けするのではないか。
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