亡くなってすぐではない死者の顔つきは独特だ。
筋肉のひとつひとつに力が入っていないので、全体的にゆるんだ感じ。
あえていえば「こっちを小ばかにしたような顔つき」になる。
全く関心のない対象に対して何の注意も払わず表情を作らないときに似ている。
…もちろん死者にそういうつもりはないはずだけどね。
雪山の深雪内で気温が氷点下な場所、でないなら
腐敗は意外に早く進行する。
水中より土中より、普通の空気中のほうが腐敗は早い。
特に、暖かくなってきた今、湿度も上がった気候であれば、
変色して膨れ上がって皮膚が内部の圧力で裂け始めるには10日あればじゅうぶんだ。
春先は繁殖期のことが多いので、鳥や昆虫や獣の活動も盛んになる。
死骸を食い荒らすと言えばハエのウジを思いつく人も多いと思うが、
(それとも今の若い人たちはウジのたかった死肉なんか見たことないかな)
げっ歯類(ネズミとか)や鳥もえさを求めてやってくる。
江戸時代の罪人の打ち首がさらしものになっている場所に、
カラスがたかっている場面など最近の時代劇ではあまり見ない(残酷すぎるかな)。
でもあれが普通で本当のことだ。
昭和になっても戦後のあわただしい時代に、座敷に寝かせておいた赤ん坊の
口のまわりについた乳をネズミがかじって大けがさせた事件など報道されたはずだ。
相手が生きてる赤ん坊でもこれなので、死人相手ならもっと遠慮がない。
亡くなったのが先月終わりころとして、
もし「こどもの体が全部はいる冷凍庫」に保存され、発見当日にその場に置かれたとしても、
冷凍によって細胞破壊が起きているのでかえって組織融解は早まるし、
死体の腐敗は腸内細菌がメインではあるが、自然界にも腐敗菌は豊富だし、
さきほど書いた「鳥獣昆虫の被害」もあっという間に起きるので、
発見されたときの状況が「行方不明の子かどうか外見ではわからない」のは
当然のことと思う。
腐敗がかなり進行していても骨髄内部などにDNAが抽出できる細胞が残ることがある。
今回はどこの細胞が使われたかはわからないが、
行方不明になったご本人と判明して本当によかった。
わからないよりわかったほうがいい。
わかることで事件としての調査も進めば、
ご遺族の気持ちにも一度は区切りがつくというものだ。
■11歳遺体、目立った傷なし=着衣にも確認されず―京都男児死亡・府警
(時事通信社 - 04月15日 06:01)
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