新日の年間最大の大会と言えば、イッテンヨンこと1/4東京ドームのレッスルキングダムです。
ここでは今年G1で優勝した内藤が、「メインイベント」でIWGP世界ヘビー級チャンピオンであるSANADAに挑戦する事が決まっています。
わざわざ「メインイベント」と鉤括弧付で書いたのには理由が有り、過去にはダブルメインイベントという名目で、IWGPヘビー級タイトルマッチをセミファイナルで行った事が有るのです。
営業的には色々考えは有ると思いますが、名前はどうあれセミファイナルはセミファイナルであり、こうした興行ではファイナルより格下のアンダーカードと見られてしまいます。
因みに、そのセミファイナルは内藤とオカダによるIWGPヘビー級タイトルマッチ、ファイナルは棚橋と中邑のIWGPインターコンチネンタルタイトルマッチでした。
この頃、オカダは既に磐石の王者のムードが有りましたが、内藤はロスインゴで弾ける前のまだブーイングを受けていた時期。
棚橋と中邑の宿命のライバル対決を前に霞んでしまったという印象でした。
ファン投票の結果ではありましたが、自団体最高峰ベルトの扱いとしてこれで良いのか?と疑問に思ったものです。
そして開催まで一月を切った今冬のイッテンヨン、今秋オカダと因縁が生まれたAEWのブライアン・ダニエルソンと対戦する事になり、IWGPタイトルマッチとどちらをファイナルとするか、またファン投票をやるのでは?などと憶測が流れました。
ここで、前回セミファイナルにされた側のオカダは「ファン投票やっても良いんじゃないですか」、内藤は明確には言っていませんが、SANADAは「オカダに勝ってベルトを取ったSANADAとオカダに勝ってG1を制した内藤との一戦を前に、自分の時だけファン投票に賛成する」事に対して、「オカダさんにしてはダサくないですか?」
正にそのとおり!
もしファン投票を行えば、国内に限定すればSANADAと内藤のタイトルマッチが圧勝だと思います。
しかし、ファン投票の範囲を世界に広げてしまえば、ブライアンの母国米国票でそちらが上回ってしまう事も十分考えられます。
民意を問うと言えば聞こえは良いですが、ブレグジットの国民投票と同様、安易なファン投票を行えば、今回のように次回もそれを求められたり、運営の根幹に関わる事です。
まだ一月近く先とは言え、新日経営陣がIWGPの権威を自ら下げるような安易な決定をしない事を祈ります。
さて
日本国内で新日に次ぐ人気と規模を持つと言えばノアでしょう。
そのノアの象徴とも言われた丸藤があと5年で引退という事らしく、その引退ロードの始まりとして、ノアの最大級イベントである1/2有明アリーナにて、昨年新日を退団したAEWの飯伏と対戦するスペシャルマッチがメインイベントと発表されました。
この大会には、昨年ジェイク・リーを破ってGHCチャンピオンとなった拳王が、解散した金剛で同門だった征矢の挑戦を受けるタイトルマッチが行われ、当然それがメインイベントと思っておりました。
それを聞いた拳王は当然怒っており、征矢もそれは同じ気分でしょう。
丸藤はノア長年の功労者として、この試合順は武田取締役が自ら決めた事と語りましたが、それだけが理由であるなら、武田氏にしてはまたずいぶん浅はかな…と腑に落ちない気分です。
拳王も指摘しているように、ノア功労者の引退ロードとしてのメインイベントであるなら、5年後の引退までビッグマッチを毎回丸藤とするのか?という疑問が有ります。
方舟の天才と呼ばれた丸藤も、近年はリング上のメインストリームから外れる事も少なくありません。
5年前からの引退ロードスタートというのはいくらなんでも早すぎで、むしろ途中で飽きてしまうのでは?と危惧しますが、更にセミファイナルでのスペシャルシングルマッチで十分功労者ボーナスとなるのではないでしょうか。
そうした事から、今回の一件は引退ロードへのギフトと言うよりは専ら営業的観点からの試合順と思われます。
つまり、看板カードとしては、拳王と征矢より飯伏と丸藤の方が強いという判断なのでしょう。
一定の理解はしますが、拳王と征矢にとっては高まっていた気持ちに水をさされたような気分でしょうか。
何故、発表前にしっかり説明しておかなかったのか?
また、新日やノアに次ぐメジャー団体と見なされる全日でも、中嶋と宮原のタイトルマッチが大晦日に有るのに、もう年明けのタイトルマッチを発表し、ここでも中嶋が団体を批判しています。
奇しくも、日本の三大メジャーと言えそうな団体の年末年始のビッグマッチで、それぞれタイトルマッチに関して選手不在の発表をして不興を買うという…
コロナ禍での失速を取り戻す為なのか、新日やスターダムのようなトップ団体でも、営業的観点が先走っているのか、コレは如何なものか?と思うような事が増えた気がします。
もちろん営業は大切ですが、実際に観客の前で戦うのは選手です。
昔のようにエース選手を社長として経営にも関わるのは厳しいものが有りますが、選手へのケアがおざなりになるようでは、選手のモチベーションらひいてはリング上の活気に良い影響が有るとは想えません。
選手を大切に、そしてよく説明する。
そうした基本的な事を大切にして欲しいものだと思います。
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