産婦人科ストレートのワシであるが、3か月の麻酔科研修があった。
当時、産婦人科の手術は大部分、産婦人科医が自分で麻酔をかけてたからね。
(今は違う、たぶん)
麻酔科研修最初のお仕事は「術前回診」。
翌日手術になる患者さんの回診をして麻酔に必要な問診を取る。
「親類に、麻酔をかけて具合悪くなった人がいませんか?」など
ものすごく基本的な話です。
術前の検査、採血や心電図や胸部写真なども確認する。
とある「眼科で白内障手術」前の患者さんのデータチェックをしたとき、
胸部写真がなんだかすごく変なことに気づいた。
胸部のレントゲン写真を見たことがある人はわりと多いと思うが、
左右に肺が透けて見えて、ほぼ中央、やや左よりに心臓の陰影がある。
その、中央の陰影が「ものすごく太い」感じで写っていた。
なんでこうなるのか教えてもらおう、と上司の麻酔科ドクターに見せた。
そのドクターは「ああ」と言って、
「3番で胸部外科が手術してるからその写真見せてきて」と言った。
ワシはすなおに3番手術室に行って、手術中の先生にその写真を見せた。
その先生も「ああ」と言って、
「明日、胸部外科の外来にだして、って眼科の主治医に伝えて」と言った。
胸部大動脈瘤だった。
心臓から上に出てUターンして下に向かう「大動脈弓」と呼ばれる部分が、
動脈瘤を形成して大きく膨れ上がっているのをはじめてみた。
麻酔科上司と胸部外科の先生は一目でわかった(当たり前)。
あとで気づいたワシは気づいた時点でちょっとぞくっとした。
ワシの目の前でいきなり乖離が進行して、状態悪化して死ぬ可能性もあったので。
その患者さんはもちろん、ちょっと高血圧くらいで
胸痛などのいわゆる動脈瘤の自覚症状は何もなかった。
翌日、胸部外科に紹介されて、まず大動脈瘤の大手術(血管置換)を受け、
半年の術後観察のあとで眼科で白内障手術を受けたと聞いた。
■笑福亭笑瓶さんを襲った大動脈解離の恐怖…「タイプA」は発症したら助からない?
(Business Journal - 02月25日 20:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=175&from=diary&id=7314709
ログインしてコメントを確認・投稿する