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2023年02月14日13:30

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映画「バビロン」;「雨に歌えば」

「バビロン」はあまりにも情報が詰め込まれてて消化不良になりそうなので、
エピソードを少しずつ書いていくことにします。
今回は「雨に歌えば」。
「バビロン」の最後のほうで、家族でハリウッド観光に来たマニーが
映画館に入ったシーンです。
…このシーンも、実際に見てる映画以外の「追憶」がてんこ盛りで大変。
よく見ると「AI」とかのずーっとあとの映画シーンもあるので、
監督さんによるハリウッド映画界へのオマージュなんでしょうけど。

で、「雨に歌えば」ですが。
ジーン・ケリーが高熱だしてもずぶぬれで踊った「雨ダンス」が有名ですが。
ワシも、このシーンばっかり覚えててストーリーはっきりしなかったのね。
そしたら実は「無声映画のスターがトーキーに切り替える」話っていうじゃありませんか!

「バビロン」ではブラピが「無声映画のシーンが難しかった」と言ってる。
普通の映画の「台詞のないシーン」とは全然違うんだって。
そうだろうな、と思う。
めぢからとかしぐさとかで「こう言ってるんだ」と字幕を納得させるわけで。
だから逆もあるんだよね。
トーキー(声の出る映画)では、声があるぶん、
あまりにもめぢからやしぐさが強いと過剰になってしまう。

そして声。
無声映画時代は「外見がすべて」なので声はどうでもよかった。
無声映画のスターがトーキーに移行できない場合の多くは
「声」が問題だったと前にも聞いたことがある。
しかも「マイクロフォンとスピーカーに合った声」でないと。
声の出し方、トーン、話す方向、発音、しゃべるスピード。
その全部を合わせないとオーケーが出ない。
外見キラキラでも、それに合わない甲高い声やだみ声ではダメ。
そこで「マイフェアレディ」みたいな「吹き替え」の話になるわけだが、
スターさんご自身や周囲のプライドもあって吹き替えなら出ない、とか
大騒ぎになるわけだ。

ここでちょっと思い出したのはビング・クロスビーのこと。
1926年にオーケストラ所属の歌手としてデビューしたけど、
マイクロフォンとスピーカーの時代に「オペラ歌手のような発声」は合わなかった。
…今なら機械を歌手に合わせるだろうけど、当時の機械の性能は高くない。
で、ビング・クロスビーは「マイクロフォンとスピーカー」に合わせた発声を
自ら発明して人に教えて、大評判になった。
たぶんなんだけど、マイクロフォンとスピーカーに馴れることができず
消えていった歌手さんも、この時代には少なくないと思う。

ジーン・ケリーといえばどうしてもフレッド・アステアが出てくる。
二人とも無声映画主流の時代の人ではないのだが、
フレッド・アステアはどっちかというと「無声映画」が似合う感じ。
というか、ダンスが素敵すぎて台詞はどうでもよくなってしまうのよね。
みなさんそう思ってたようで、彼の映画はセリフ少な目、
山高帽でドレスのお相手でも作業着でモップのお相手でも、優雅なダンスを山ほど見せます。
その意味ではジーン・ケリーもダンス主流のお方で
映画「巴里の亜米利加人」の最後のほうはセリフなんか全然ありませんけど、
彼のダンスはダンスというよりアクロバット、雄弁な身体能力、って感じ。
台詞も上手ですよ。

これだけで、もう今日は頭の中がぱんぱんになってしまいました。

追記;女優さんの歌を吹き替える話。

しゃべる声はよくても歌がそれほど…っていう女優さんは少なくなかったらしい。
もしくは制作サイドが「この歌は吹き替えで」と熱望するとかね。
マーニー・ニクソンという女性が「マイフェアレディ」のほとんどすべての歌吹き替え。
吹き替え歌手ではとても有名な人だが、こういう人がいたと表に出たのは最近。
ただし、映画界では公然の秘密で、同じ1964年の映画なのに
「メリー・ポピンズ」はアカデミー賞をとり、
「マイフェアレディ」がとれなかったのは、吹き替えだったから、だそうで。
女優さん自身には全く選択権、拒否権がなかった時代です。

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