全世界で累計1500万部を売り上げたディーリア・オーエンズの同名ミステリー小説を映画化。
ノースカロライナ州の湿地帯で、将来有望な金持ちの青年が変死体となって発見された。犯人として疑われたのは、「ザリガニが鳴く」と言われる湿地帯で育った無垢な少女カイア。彼女は6歳の時に両親に捨てられて以来、学校へも通わずに湿地の自然から生きる術を学び、たった1人で生き抜いてきた。そんなカイアの世界に迷い込んだ心優しい青年との出会いが、彼女の運命を大きく変えることになる。カイアは法廷で、自身の半生について語り始める。
リース・ウィザースプーンが製作を手がけ、ドラマ「ふつうの人々」で注目を集めたデイジー・エドガー=ジョーンズが主演を務めた。音楽は「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」でアカデミー作曲賞を受賞したマイケル・ダナ。テイラー・スウィフトが本作のためのオリジナルソングを書き下ろしたことでも話題を集めた。(映画.comより)
<2022年11月20日 劇場鑑賞>
結構怖かった。予想と違った感じの話でした。主人公の女の子は、DV甚だしい暴力男の父を持ち、たくさんの姉・兄たちと共に育ちました。(個人的には、父親があまりにヒドい暴力を振るうので、子供が多いのも性暴力の一種かも、とも思いました。間違っているかもしれませんが。)母や兄姉とは仲良しだったのですが、父親のせいで、母はとうとう家を飛び出し、姉や兄も次々出て行ってしまいます。たった一人、父と共に残ってしまったカイアですが、母がいつか帰ると信じて待ち続けます。ある日、母から手紙が届くのですが、父親はカイアに読ませることなく(そもそも学校へ行かせてもらってないので読めないのだが)罵りの言葉と共に燃やしてしまい、その内容を知ることはありませんでした。もちろん、子供たちを引き取りたいと書いてあったのでしょうが、父親は「帰る」と書いていなかったことに怒り心頭だったわけです。アホな男。なんらかの戦争に行ったことは、チラッと言及されるのですが、だからと言って、あたりかまわず殴っていいということにはなりません。ましてや子供になんの罪が?学校にも行かせないなんて。
しかし、そんな父親も出て行ってしまい、幼いカイアはとうとう一人に。しかし、人の世はいざとなると冷たいのですね。「湿地帯の女」「夜になると目が光る」などと侮蔑の言葉を投げることはあっても、たった一人で生きている彼女を助ける人は誰もなく、むしろ何をされるかわからない恐怖から、人を避けて成長するカイアなのでした。
そんな彼女も年頃になると、見栄えもすることから、男の子が絡んでくることになります。幼い頃からの知り合いで優しくしてくれる男性もいたのですが、そんな彼も大学進学と共に寄り付かなくなりました。人を信じられなくなったカイアに言い寄ったのが、金持ちの家の息子です。彼も当初は優しく、「結婚してくれ」なんて言うものですから、カイアもなんとなく心を許していました。「ご両親には?」と問うても「両親は僕を溺愛しているから逆らわないさ」と言うばかり。しかし、この男がクセ者だったのです。
誰であろうと、強者が弱者に対してふるう暴力は絶対に反対ですが、それでもどうしてもそういう奴は存在します。やはり、どうやって逃れるか、あるいはどうやって子供を守ってゆくか、そこも大事だと思うのです。私個人的には、母親にもう少し打てる手はなかったのか、と思いました。まずは自分が逃げるにしても(子供より主に妻に暴力を振るっていたから)、公的な機関に相談して男性スタッフと共に子供たちを迎えに来る、あるいはなんらかの方法で教育だけでも受けさせるよう手を打つ、親や親せきに相談してみる、など。手紙なんて書いても、すんなり言うことを聞くはずがないことはわかっていたはずです。ぬるすぎます。理想論かもしれませんが。
カイアの「孤独に生きるのと、一人でおびえながら生きるのとは違う」という言葉が印象に残りました。まったくその通りだと思いました。
最後の最後は意外な展開を見せますが、それもありだろうと思いました。本当はいけないことだとは思いますが、致し方ないこともあるということで。ちなみに、書き漏れしましたが、カイアは優秀な生物学者となります。挿絵も図鑑並みにきれいに描ける文・絵両道(?)の学者として成功し、一生を湿地帯の生物の研究に捧げたのでした。
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