44歳で初産なら産道が硬くて分娩時間がかかり、体力低下で産後回復も遅い。
だから帝王切開、というのが自分のすなおな発想だけど、
前から無痛分娩を扱っていた施設なら「無痛か帝王切開」の選択ができるかもね。
無痛分娩はお産の痛みがなく、分娩までの時間はかかるけど疲労が少ない。
もし分娩が進まないときは無痛分娩の硬膜外麻酔を少し足して
そのまま帝王切開に移ることができる。
ワシら産婦人科医は、前はひとりで開業のドクターでもお産をとってた。
お産は帝王切開を当然含む。
だから腰椎麻酔や硬膜外麻酔は大学にいるとき習う。
今はそうでもなくなったけど、ワシが勤務している時代は
「帝王切開は基本は産婦人科医が麻酔して手に負えないとき麻酔科を呼ぶ」だった。
ワシなんぞ麻酔が上手なので、麻酔科の医者が差しはぐった腰椎麻酔を入れたこともある。
(ただの自慢話です)(笑
でも、今は時代が違う。
麻酔は麻酔科医、麻酔で何かあったとき責任をとるのが麻酔科医だから。
だから開業産婦人科はお産を取らなくなった。
お産は終わってはじめて「安産」とわかる、それまではどうなるかわからない、
万が一、お産の途中で何かあったら帝王切開に切り替えるしかない、
手術のため大病院に搬送の途中で予想外のことが起きるかもしれない。
でもそれは、さんざん痛い目を見た土地であって、
たとえば福島で患者希望で大学でなくその土地の病院で帝王切開したら、
癒着胎盤で出血止まらず患者が亡くなって、医者は刑事訴訟されたあの事件とか。
あの事件以後、福島だけでなく東北地方では「ひとりでお産をとる」病院は消えた。
今までひとりでやってたところから医者を引き上げ他に転勤させてふたり以上にした。
人数を増やせない病院ではお産取り扱いを中止した。
結果的に「産婦人科閉鎖」「産婦人科はあるけどお産はとらない」ところが激増した。
西日本は昔から東日本より産婦人科が多い。
お産とっている開業医も減ってない。
そりゃ福島県に縁もゆかりもないだろうからね、関西のドクターは。
これまでやってきて問題なかったことをそのまま続けているだけ。
この事件のあった産婦人科も、前からずっと無痛分娩を扱ってた。
だからやっただけ。
でも、人間はいつミスをするかわからない。
「これまでと同じ」やりかたでも、自分は年をとって腕が落ちていく。
これまでこうだったからこれからもやっていい、じゃない。
世の中はそういう理屈が通らないことはナンボもある。
意識のない奥さんの介護をし、生まれた子を亡くしただんなさんは
気の毒だ。
■無痛分娩で重い障害、医師に3億円の賠償命令 京都地裁
(朝日新聞デジタル - 03月26日 21:09)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6461630
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