「かもめ食堂」は好きな映画だ。
原作も読んだが、原作より映画が好きかもしれない。
食べ物は目で見たほうがおいしそうだよね。
あの映画を見たあとシナモンロールにはまった人は多分たくさんいると思う。
日本人女性(たぶん30代後半から40代)がなぜかフィンランドのヘルシンキで食堂を始めて、
そこにいろいろな仲間が集まっていろいろな事件が起きて、という物語。
なんつーことはない日常生活を描いたような(場所がフィンランドだけど)話。
主人公は、食堂の昼休みにスポーツクラブのプールで泳いでいる。
歴史を感じさせる、スポーツクラブというより社交クラブ付属プールみたいな場所だが、
そこである日、フロートで浮きながらこう言う。
「かもめ食堂は今日、満席にりました」。
はじめは全くお客さんがこなかったけど、少しずつ、
通りすがりのおばちゃんや知り合いの人が来てくれるようになり、
近所で働いている人なんかも来るようになり、
メインメニューの「おかか、梅干し、しゃけのおにぎり」も注文されるようになる。
そして満席。
店を見渡して空いている椅子が一個もないのは、すてきなながめだろう。
経営者にとっては。
今日、わたくしのクリニックは開業10年になった。
10年、いろいろあった。
10年前にいたひとたち、今はもういないひとたちのほうが多い。
中には自分の命と同じくらい大事なひとたちもいたが、
そのひとたちがわたくしといっしょにクリニックを支えてくれた、
その日々は絶対になくならない。その日々があったらから今日がある。、
わたくしは、このクリニックを、今はいないひとたちといっしょに大事にしていく。
今は目に見えないひとたちも、このクリニックをささえてくれている。
みんな、ありがとう。
これからもよろしく。
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