何度か書いた話ですが。
ワシが学生時代に病院実習に行って、乳腺外科でひとりの患者さんを担当した。
40代なかばから50代ってとこだったか、とにかく胸にしこりがあった。
なんかごつごつした、硬いしこりが一か所にいくつかあった。
写真をとっても超音波でみてもはっきりしない。
当時のやりかたで、とりあえず手術して組織を見よう、ということになった。
全身麻酔、部分切開でしこりの一部を切除し、組織検査にだした。
結果出るまで手術着のまま待つ。けっこう長い。
結果がきた「シリコンを中心とした肉芽の可能性」。
手術はそこで終了となった。
術後、患者さんに主治医が言った。
「なんで豊胸手術したって言わなかった?」
聞いた、というより叱った言い方だった。
主治医は前にも同じ経験があったらしい。
患者さんは泣いて、家族のいる前ではどうしても言えなかった、と答えた。
家族がいない夜間とかにこっそり看護婦さんに言うとかだってできたのにな、と思った。
シリコンも含め、乳房組織に何かの充填剤を直接入れるのは、
簡単な手技だしすぐに終わって値段も安い、お手軽な手術だ。
でも、「異物」なんだから、数年で必ずその異物を取り囲んで肉芽ができる。
つまり肉に囲まれた硬いものが必ずできてしまうわけ。
しかも充填剤は一か所にとどまる力がないので乳房のあちこちにちらばる。
ふっくらしてたおっぱいが、ごつごつしたでっぱりのあるおっぱいになってしまう。
運が悪いとその充填剤の刺激で炎症を起こして腫れ上がったりがんを作ることもある。
おっぱいを大きくしたい、という人たちがいるのは知っているし、
そういうことはしてはいけない、とも言わない。
個人の自由だと思うから。ピアスみたいなもんだ。
でも、その結果がどうなるかはやはり学んでおいてほしいし、
そうなったときにどうするかは考えておいてほしいし、
何よりも、それが理由で医療機関受診するなら、隠さないでほしい。
適切な治療が受けれないから。
■豊胸手術、ジェル注入で健康被害 「実施すべきでない」学会が共同声明
(弁護士ドットコム - 04月25日 17:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=5596649
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