国連史上最悪の政治スキャンダルといわれる汚職事件を描いたポリティカルサスペンス。原作は、元国連職員の作家マイケル・スーサンが自身の体験を基に執筆した小説で、人道支援のための「OFFP(石油・食料交換プログラム)」の裏で行われていた不正を描いた。2002年、国連事務次長の特別補佐官に任命されたアメリカ人青年マイケルは、国連が主導する「石油・食料交換プログラム」を担当することに。それは、クウェート侵攻に対するイラクへの経済制裁の影響で貧困にあえぐイラクの民間人を救うための人道支援計画で、国連の管理下でイラクの石油を販売し、食料に変えてイラクの国民に配るというプロジェクトだった。しかし、そこにはフセイン自身や、国連を中心とした世界各国の企業や官僚機構が深く関わっており、それがやがて巨額の汚職事件へと発展していく。監督は「ストックホルムでワルツを」のペール・フライ。「ダイバージェント」シリーズのテオ・ジェームズが主演のほか、製作総指揮も務めた。(映画.comより)
元来、こういう硬派な作品が好きです。ベン・キングスレーなんかは、そこにいるだけで知性と誠実さを感じられる稀有な俳優で、もちろん他にもそういう俳優さんはいらっしゃるわけですが、あくまで個人的な好みとして、彼が出ているとそれだけで安心してしまう私です。
さて、映画は、息つかせないほど緊迫の連続でした。民間人を救うためのプロジェクトで、みんな中抜き、する、する。これが実話なんだものな〜。すべて「金」のあるところ、ヒトも会社もハエのように抜け目なく群がって、”自分の懐さえ潤えばいい”人種の、なんと多いことか。石油を売った金で医療品を買って届けてるはずなのに、全部使用期限が切れてる、とかね。要するに、自分たちの利益になり得るのだったら、不特定多数の人たちなんて、死んだって知ったことではないし、国連に損害を与えたって、誰の腹が痛いわけでもない・・・。そんなことしなくったって力や金が充分あるはずの層の人々が、こぞって乗っかるんだからタチが悪いですよね。理想に燃える主人公の青年も、何度も受けては落とされた国連職員の枠に、こんどこそ受かったのかと喜んでいて痛い目に遭うわけです。実力なんかで受かるんじゃないんですね、そこは”利用価値があるかどうか”だったわけです。血筋など、ね。
久しく見なかったジャクリーン・ビセットを見てちょっと感激。彼女は国連の「善の顔」なんですが、生存競争は厳しかったのです。
それで、結論から言うと、未解決なんだそうです、この汚職事件は。そりゃそうでしょうよ、力のある人がことごとく噛んでるわけですから。適当な「事実」をでっち上げることだって簡単でしょうし。とにかく、私のような素人は、ただただ底知れない人間の強欲に呆れるしかありませんでした。確かに、終盤にはいくつかの組織(人も)摘発を受けるシーンがあるのですが、もうその頃には「その時誰かが摘発されたところで、今頃形を変え技を変え、同じことをやる奴が出てるんだろうな」くらいにしか思えなくなり(実際そうだろうし)、ほとほと人間がいやになります。結局、どこをどんなふうに経由して人道支援をしようと、そこにカネが存在する限り目をつけて寄ってくる奴が出るわけですから、世界はちっともよくならないわけです。悲しすぎますね。どうして人はそんなにお金に目がくらむのか、ゴーンさん、教えてください。
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